精神運動発達遅滞
精神運動発達遅滞とは?
お子さんの発達のスピードは一人ひとり異なります。ただし、首がすわる・寝返りをする・立つ・歩く・ことばを話すといった節目の発達が大きく遅れている場合、「精神運動発達遅滞」と呼ばれることがあります。これは病名というよりも、「発達の進み方がゆっくりしている状態」を表す言葉です。原因はさまざまで、遺伝によるもの(例:染色体や遺伝子の変化)や脳のつくりの問題、妊娠・出産の時のトラブル、生まれてからの病気などが関わることもありますし、明らかな原因が見つからない場合もあります。

 
                                ※この円グラフは、複数の総説・ガイドライン(CPS 2018, AAP 2014, e-CEP 2024, MDPI 2023 など)を参考に作成した例示です。施設・地域・検査体制により割合は大きく異なります。
当院で行っていること
当センターでは、発達の遅れが気になるお子さんに対して、以下のような評価や検査を行っています。
•発達の評価
 医師や臨床心理士が標準化された方法を用いて、ことばや運動の発達の状態を確認します。
•原因の検索
 必要に応じて、以下の検査を組み合わせて行います。
 - 血液・尿検査:代謝・内分泌・筋疾患などの異常を調べます。
 - 頭部MRI検査:脳の形や構造に異常がないか確認します。
 - 電気生理学的検査:脳波や神経伝導速度などで脳や神経・筋肉の働きを調べます。
 - 遺伝子検査:必要に応じて、染色体や遺伝子の異常を調べます。
ご家族へのサポート
発達に遅れがあるお子さんには、療育やリハビリなど早期の支援がとても大切です。当院では、地域の療育センターや福祉保健センター、リハビリ部門と連携し、お子さん一人ひとりに合った支援につなげています。「ちょっと気になるな」と思ったときにご相談いただくことが、今後の成長にとって大きな一歩になります。
 
                            