大学院生 髙田崚輔さんと松本大輝さんが、日本育種学会 第144回講演会にて「優秀発表賞」を受賞!
2023.11.24
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- 学生の活躍
生命ナノシステム科学研究科 大学院生2名が、2年連続で受賞!
生命ナノシステム科学研究科の髙田崚輔さんと松本大輝さんが、2023年9月16(土)~17日(日)に神戸大学で開催された、日本育種学会第144回講演会において、優秀発表賞を受賞しました。
イネのシュート頂メリステムにおける器官形成に必要な細胞骨格の可視化技術を開発
受賞者
生命ナノシステム科学研究科 修士課程2年 髙田 崚輔
指導教員
理学部/大学院生命ナノシステム科学研究科
木原生物学研究所 辻 寛之 准教授
発表題目
細胞骨格のイメージングと重合阻害によるイネシュート頂メリステムの発生学的解析
発表内容
—今回受賞した論文の研究内容について髙田さんに解説していただきました。
植物の地上部はすべて「シュート頂メリステム(SAM)」という茎の先端に位置する組織に由来しています。地上部の葉や花などはSAMを構成する個々の細胞が一定方向に伸長することで作られます。この細胞の伸長方向は「細胞骨格」という繊維状構造によって決定されます。しかし、人類にとって主要な作物であるイネでは、SAMの細胞骨格の観察方法は無く、機能も詳しく解析されていませんでした。
本研究ではイネのSAMを用いて、細胞骨格の可視化技術を開発することに成功し、細胞骨格の配向パターンを明らかにしました。さらに、細胞骨格の配向が正常な穂の形成に重要であることを示しました。
髙田 峻輔さんのコメント
この度は、前回に引き続き栄誉ある賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。本研究を進めるにあたり、実験操作や研究方針など様々な面でサポートいただいた辻研究室と共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後もより一層研究活動に精進してまいります。
生命ナノシステム科学研究科 修士課程2年 髙田 崚輔
指導教員
理学部/大学院生命ナノシステム科学研究科
木原生物学研究所 辻 寛之 准教授
発表題目
細胞骨格のイメージングと重合阻害によるイネシュート頂メリステムの発生学的解析
発表内容
—今回受賞した論文の研究内容について髙田さんに解説していただきました。
植物の地上部はすべて「シュート頂メリステム(SAM)」という茎の先端に位置する組織に由来しています。地上部の葉や花などはSAMを構成する個々の細胞が一定方向に伸長することで作られます。この細胞の伸長方向は「細胞骨格」という繊維状構造によって決定されます。しかし、人類にとって主要な作物であるイネでは、SAMの細胞骨格の観察方法は無く、機能も詳しく解析されていませんでした。
本研究ではイネのSAMを用いて、細胞骨格の可視化技術を開発することに成功し、細胞骨格の配向パターンを明らかにしました。さらに、細胞骨格の配向が正常な穂の形成に重要であることを示しました。
髙田 峻輔さんのコメント
この度は、前回に引き続き栄誉ある賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。本研究を進めるにあたり、実験操作や研究方針など様々な面でサポートいただいた辻研究室と共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後もより一層研究活動に精進してまいります。
オオムギの穂がつける種子数を決定する現象「abortion」が起きる過程を細胞生物学によって解明!
受賞者
生命ナノシステム科学研究科 修士課程2年 松本 大輝
指導教員
理学部/大学院生命ナノシステム科学研究科
木原生物学研究所 辻 寛之 准教授
発表題目
オオムギ花序メリステムの細胞死過程における核内構造変化
発表内容
—今回受賞した論文の研究内容について松本さんに解説していただきました。
オオムギの一つの穂に付く種子の数は、実は明確な限界が存在します。オオムギの一つの穂に付く種子の数を決める要因の一つとして、abortionと呼ばれる現象があります。これは、花を形成する組織である花序メリステムが持つ幹細胞機能が減少、消失していく現象であり、これにより新たな花を形成することができなくなります。しかし、オオムギにおいて IM※1のabortionの過程でなぜ幹細胞機能が減少していのかについては、よくわかっていません。幹細胞機能の減少には様々な要因が考えられますが、その一つとして未分化性の喪失の指標である液胞化が起きていることが考えられました。これについて調べた結果、液胞化は幹細胞機能の停止よりも前に、IMの中央部から起き始めることが分かりました。さらに液胞化の進行と同時期に、同じくIMの中央部の細胞から、核小体の縮小や核の一端の染色性の低下などの変化が起きていることが分かり、この変化は核内のクロマチン構造の変化と相関があることが分かりました。この結果はオオムギ花序メリステムのabortionへの理解につながると考えられます。
松本 大輝さんのコメント
この度は、優秀賞をいただけて大変うれしく思います。日本育種学会での発表にあたり辻先生、井藤さんには実験の進め方、手法、ポスター制作のアドバイス等で常に真摯にご指導、ご鞭撻いただきました。また、共同研究者の方をはじめ多くの方々にも様々な面でお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。
生命ナノシステム科学研究科 修士課程2年 松本 大輝
指導教員
理学部/大学院生命ナノシステム科学研究科
木原生物学研究所 辻 寛之 准教授
発表題目
オオムギ花序メリステムの細胞死過程における核内構造変化
発表内容
—今回受賞した論文の研究内容について松本さんに解説していただきました。
オオムギの一つの穂に付く種子の数は、実は明確な限界が存在します。オオムギの一つの穂に付く種子の数を決める要因の一つとして、abortionと呼ばれる現象があります。これは、花を形成する組織である花序メリステムが持つ幹細胞機能が減少、消失していく現象であり、これにより新たな花を形成することができなくなります。しかし、オオムギにおいて IM※1のabortionの過程でなぜ幹細胞機能が減少していのかについては、よくわかっていません。幹細胞機能の減少には様々な要因が考えられますが、その一つとして未分化性の喪失の指標である液胞化が起きていることが考えられました。これについて調べた結果、液胞化は幹細胞機能の停止よりも前に、IMの中央部から起き始めることが分かりました。さらに液胞化の進行と同時期に、同じくIMの中央部の細胞から、核小体の縮小や核の一端の染色性の低下などの変化が起きていることが分かり、この変化は核内のクロマチン構造の変化と相関があることが分かりました。この結果はオオムギ花序メリステムのabortionへの理解につながると考えられます。
松本 大輝さんのコメント
この度は、優秀賞をいただけて大変うれしく思います。日本育種学会での発表にあたり辻先生、井藤さんには実験の進め方、手法、ポスター制作のアドバイス等で常に真摯にご指導、ご鞭撻いただきました。また、共同研究者の方をはじめ多くの方々にも様々な面でお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。
指導教員:辻寛之准教授のコメント
髙田くん、松本くん、この度の受賞おめでとうございます!共同研究者の皆さまにもご協力いただき感謝いたします。昨年度に続き、連続して2名同時に受賞となり、とても嬉しく思います。髙田くんと松本くんが、これまでにないユニークな実験系をコツコツと作り上げてたくさんの実験と観察を積み上げたことが高く評価されたと思います。これからも研究のおもしろさをたくさん味わってすばらしい発見をして行きましょう!
<用語説明>
*1 Inflorescence meristem(花序メリステム)。植物の花序の全細胞の起源となる幹細胞組織。
*1 Inflorescence meristem(花序メリステム)。植物の花序の全細胞の起源となる幹細胞組織。