木原生物学研究所木原生物学研究所
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研究所概要

所長あいさつ

 木原生物学研究所は、公立大学法人横浜市立大学の附置研究所です。横浜市南西部の里山の自然が保存されている舞岡の丘陵にあります。研究所は自然に溶け込んだ斬新なデザインの建物で、研究に打ち込める環境が整っており、分子生物学から圃場まで整備された植物学の研究拠点となっています。 

 木原生物研究所は、個人の名前を冠した日本では珍しい研究所です。これは、日本が誇る近代遺伝学の創始者の一人である故木原均博士が1942年に創立した財団法人木原生物学研究所を1984年に横浜市立大学に移管したことによります。横浜市の地域振興と産業発展のために、1995年舞岡の地に新しい建物を建設し、国際文化都市横浜にふさわしい研究所として再出発しました。

 木原博士の最大の功績は、コムギの染色体群を詳細に分析することにより、ゲノムの概念を確立したことにあります。現在、ゲノムに描かれた遺伝情報はそれぞれの生物を特徴づけるために必要不可欠な設計図と考えられ、多くの生物種で全ゲノム情報が次々と決定され、その中身を解明することは生命科学の中心的な課題となっています。木原生物学研究所では、木原博士が先駆けとなったゲノム科学や遺伝学を基盤として、植物科学の分野で研究をしています。植物を理解するための遺伝学、環境応答生理学、生殖生理学から、植物を活かすための育種学や資源生物学、さらにはエピゲノム科学、バイオインフォマティクス、ケミカルバイオロジーといった最新技術まで幅広い分野の植物学研究者が集います。本研究所で生み出される研究成果は、いわゆるトップジャーナルと呼ばれる国際的に権威のある学術雑誌に毎年のように掲載され、世界から高く評価されています。

 本研究所の教員は横浜市立大学理学部および同大学院生命ナノシステム科学研究科に所属し、世界先端レベルの研究基盤を通して大学および大学院教育を実施しています。一方、木原記念室は「小さい博物館」として木原博士の足跡を一般来訪者に紹介しています。植物科学を志す学生さんのみならず、植物に興味を持つ老若男女のご来訪をお待ちしております。

木原生物学研究所 所長  嶋田 幸久

嶋田 幸久(しまだ ゆきひさ)

木原生物学研究所 所長
理学部 理学科、生命ナノシステム科学研究科 生命環境システム科学専攻 教授
専門は植物生理学、研究分野は植物ホルモン(オーキシン)、環境応答、植物ゲノム科学など。
国際学術雑誌の編集委員や、NHK Eテレ教育番組の監修も務める。

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