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【YCU RESEARCH 2021】COVID関連研究(データサイエンス研究科/データサイエンス推進センター)

2021.11.08
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COVID関連研究(データサイエンス研究科/データサイエンス推進センター)

   

new! 2021.11.8
 

Definitions and elements of endpoints in phase III randomized trials for the treatment of COVID-19: a cross-sectional analysis of trials registered in ClinicalTrials.gov 

データサイエンス推進センター 坂巻 顕太郎 特任准教授

 
COVID-19などの新興感染症治療の臨床試験デザインにはいくつかの課題があり、重症度、観察期間、および臨床経過に関連するエンドポイントの定義はその一つです。本研究では、ClinicalTrials.govに登録されている計406のCOVID-19治療に関する第III相ランダム化試験のエンドポイントを分析しました。重症患者を対象とした臨床試験のほうが観察期間は長く、臨床経過によって異なるエンドポイントの型を用いていました。また、約25%の臨床試験が複数のプライマリエンドポイントを使用していました。本研究は、COVID-19治療を評価する際のエンドポイントのコンセンサスを得るための情報を提供します。
 

2021.12.27

Persistence of robust humoral immune response in COVID-19 convalescent individuals over twelve months after infection

新型コロナウイルス感染から1年後における抗ウイルス抗体および中和抗体の持続性に関する調査結果


微生物学   梁 明秀 教授、宮川 敬 准教授  
データサイエンス研究科   後藤 温 教授

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し回復した方の、6ヶ月後および1年後における血清の解析を行い、感染から1年後でも多くの方が検出可能な量の抗ウイルス抗体と中和抗体を有していることを報告しました。しかしながら、軽症例の一部(約20〜30%)では、感染6ヶ月後には既に変異株に対する中和活性が失われており、一方で、重症例では、感染1年後でも全ての変異体に対する中和抗体を維持していることもわかりました。

本研究は、横浜市立大学が主導した「新型コロナウイルス感染症回復者専用抗体検査PROJECT」の一貫として行われ、本年5月に中間報告をした研究成果の最終報告となります。

 

 

2021.12.24

Antibody titers against the Alpha, Beta, Gamma, and Delta variants of SARS-CoV-2 induced by BNT162b2 vaccination measured using automated chemiluminescent enzyme immunoassay

新型コロナウイルスワクチン 接種6週間後までの抗体価に関する調査報告

感染制御部   加藤英明 部長
微生物学   梁 明秀 教授、宮川 敬 准教授  
データサイエンス研究科   後藤 温 教授
血液・免疫・感染症内科学   中島秀明 教授


ファイザー社の新型コロナウイルスのワクチンを2回接種 (初回の接種は2021年3月15日~22日、2回目の接種は4月5日~13日)した医療従事者168名の血液を採取し、初回ワクチン接種6週間後 (2回目接種3週間後) までの抗体価を測定して、影響を及ぼす背景因子の解析や、変異株に対する抗体価との比較を行いました。また、ウイルスの感染阻害能を示す中和抗体価についても、シュードウイルスを用いて定量的に測定し分析を行いました。

その結果、2回目接種3週間後に十分な免疫が誘導されると考えられること、年齢が高い人ほど、接種後の抗体価が低いことが判明しました。


2021.11.05

Vaccine-induced humoral and cellular immunity against SARS-CoV-2 at 6 months post BNT162b2 vaccination

新型コロナウイルスワクチン接種後6か月時点の 抗体価に関する調査結果報告

感染制御部 加藤英明 部長
微生物学  梁 明秀 教授、宮川 敬 准教授  
データサイエンス研究科   後藤 温 教授
血液・免疫・感染症内科学   中島秀明 教授


ファイザー社の新型コロナウイルスのワクチンを接種した医療従事者98名の血液を採取し、ワクチン接種6か月後の抗体価と細胞性免疫を調べました。
 

その結果、6ヶ月の時点で、抗体は98名全員から検出されたものの、ほとんどのワクチン接種者において、ピーク時(接種1〜3週後)と比べ、抗体価は顕著に(約90%)減少し、ウイルスの感染阻害能を示す中和抗体価も約80%減少し、その陽性率は85.7%でした。また、細胞性免疫については、ワクチン接種6ヶ月時点で、多くの人で細胞性免疫反応が認められ、経時的な評価は行えていませんが、新型コロナウイルスに対するワクチン接種後の免疫応答における細胞性免疫の役割の重要性も示唆される結果でした。 
 

2021.5.20

新型コロナウイルス感染から約1年後における 抗ウイルス抗体および中和抗体の保有状況に関する調査

臨床統計学 山中 竹春 教授
微生物学    梁 明秀 教授
データサイエンス研究科   後藤 温 教授

研究グループは、昨年8月より「新型コロナウイルス感染症回復者専用抗体検査PROJECT」を実施し、昨年12月には回復者のほとんどが6か月後も従来株に対する抗ウイルス抗体および中和抗体を保有していることを報告しました。

今回、2021年3月末までに採血を実施した約250例のデータを解析し、感染から6か月後と1年後において(1)抗ウイルス抗体および中和抗体の量はいずれも6か月時点より緩やかに減少する傾向にあることを確認しました。一方で(2)依然として多くが抗ウイルス抗体および検出可能な量の中和抗体を有しているという結果も得られました。さらに拡大傾向にある変異株に対する中和抗体の保有割合についても評価を行ったところ、6・12か月時点の中和抗体保有割合は従来株に比べて低下傾向にあることが示されました。

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