Volunteer Support Officeボランティア支援室
search

「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」ボランティア活動レポート

熱気あふれる3日間!アフリカからの来場者をおもてなし

■日時:令和7年8月20日(水)~22日(金)
■場所:みなとみらい・パシフィコ横浜
■主催団体:外務省(日本政府)、共催:国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)など
■ボランティア学生数:3日間/延べ11名
■イベントの規模:TICAD Business Expo & Conference「Japan Fair」の来場者数約10,000人

学生ならではの英語力やコミュニケーション力を発揮し、横浜のPRに貢献

■4回目の横浜開催となった「TICAD9」

   8月20日(水)から22日(金)の3日間、横浜のパシフィコ横浜で「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」(※以下TICAD9と表記)が開催されました。2008 年のTICADⅣ、2013年のTICADⅤ、前回2019年のTICAD7に引き続き、4回目の横浜開催となった今回は、アフリカ49か国の代表団を含む、国内外の多くの関係者が横浜に集結しました。
 
   今回のTICAD9では「革新的な課題解決の共創、アフリカと共に」をテーマに経済、社会、平和と安定の分野で議論が交わされ、最終日には「TICAD9横浜宣言」が採択されました。

   会期中は全体会合や各国首脳級の代表による二国間会談などと並行し、各種ビジネス関連イベントが開催されました。パシフィコ横浜展示ホールB・Cでは、日本貿易振興機構(ジェトロ)による日本とアフリカとのビジネス交流の場を提供する大規模なイベント「ジャパン・フェア」が開催され、横浜市の取組を PR する「横浜ブース」にて、本学の学生延べ11名がボランティアとして活動してきました。

■巨大な展示ホールBC「横浜ブース」で活動

   今回のTICAD9では、パシフィコ横浜展示ホールBとCをつなげた、TICAD Business Expo & Conference「Japan Fair」で、ブース出展やセミナー等のプログラムが実施されました。広い会場内には日本の企業によるビジネスブースのほか、アフリカ各国のブースや、セミナー用のステージなどが設置されていました。ホール内はアフリカ各国からの来場者のほか国内からの来場者もあふれ、ものすごい熱気に満ちていました。
 特に初日は開場とともに受付に来場者が殺到し、手荷物検査や金属探知機による検査等に時間がかかっていたようです。事前に「時間に余裕をもって集合するように」とのお知らせがありましたが、予想以上の混雑で、学生ボランティアも入り口で立ち往生を余儀なくされ、集合時間に間に合わなかった学生が出てしまったほどでした。

■学生の視点で、横浜市の取り組みをPR

  学生ボランティアの活動内容は、来場者対応として、「横浜ブース」への誘導・案内、案内チラシの配布、そしてブースで提供するコーヒー等のサーブ。また出展企業に向けては、出展のサポートや、各社によるプレゼンテーション時のサポート、PR映像の放映サポートなどを、シフトに分かれて行いました。
 事前に活動者には服装等についても指示があり、夏なのでノーネクタイ・ノージャケット、半袖シャツは可でしたが、チノパンやスニーカーはNGということで、基本的にビジネス・ウェアの着用、また汗ジミやシワなどにも注意し清潔を心掛けるようにとのアナウンスがありました。

■アフリカの方々はフレンドリー?! たくさんの会話を楽しむ機会に!

  活動が、来場者の案内などおもてなし要素の高い活動だったこともあり、学生ボランティアも、多くのアフリカの方たちとコミュニケーションをとることができたようです。
 アフリカの文化や言語についての話で盛り上がっている学生や、将来の夢とその実現についてアドバイスをもらっている学生、慣れないコーヒーのサーブを注意深く丁寧に行っている学生もいました。また、アフリカからの来場者は、大阪・関西万博とTICAD9の両方を掛け持ちしている方も多く、大阪・関西万博に関する話題も多く取り上げられていたようです。

■参加した学生の声

■私自身は大学1年生の頃からアフリカに関心があり、昨年1年間休学してアフリカ留学へ行っていたため、たくさんのアフリカの方々が横浜に集まり、いろいろな議論や交流が行われている環境をとても楽しむことができました。
また展示ブースでは、いろいろな日本企業がアフリカでの事業紹介を行っており、「最後のフロンティア」と呼ばれるアフリカでのビジネスについても学ぶことができました。

■活動を通して学んだことは3つある。ひとつ目は、自分から行動することの重要性だ。ボランティアの内容は、ブースに来たお客様を誘導したり、コーヒーを提供したりすることが主だったが、人に話しかけられるまで待つのではなく自分から話しかけることで、相手から名刺をいただけたり、お客様との対話をしたりして学ぶことがあった。特に、TICAD9には、普段は出会うことがないアフリカ出身の様々な方が集まっていたため、会話を通して自分の知らない世界が広がっていくことを感じたことが大きな実りであった。
 2つ目は、多様な英語が共通語として使用されていることだ。アフリカ出身の人が使う英語は、アメリカ英語やイギリス英語と比べて少しなまりのある印象で、英語で話しかけられたときに聞き取れないことがあった。このことから、英語にはバリエーションがあることを実感し、多様な英語を聞き取れるようになりたいと思った。英語を学習するときは、英語ネイティブが話すアメリカ英語やイギリス英語だけを音源にするのではなく、英語が母語ではない人の英語も聴く練習をしたい。
 3つ目は、人の温かさを感じたことだ。TICAD9には、ビジネスで国際的な成功を収めた方々が集まっており、自分から話しかけることに対してはじめはためらいがあった。しかし、話しかけてみるとフレンドリーで心温かい人が多く、たくさんのことを教えてくださった。また、日本語が堪能なアフリカ出身の方も多く、こちらがわかりやすい言葉を選んで使ってくださった。ビジネスだけでなく人間的にも優れている方々に出会って、私も将来はそのような方々の立場になれたらよいと思った。
ボランティア活動よりも、混雑している会場に入ることが大変だった。入場するまでに30分以上待ったので、ボランティア活動の30分以上前に、時間に余裕をもって集合したほうがよいと思った。

■TICAD9という世界が注目するイベントに関わるということで、最初はボランティアとしての仕事を正しく全うできるか不安な気持ちが強かったが、私たちの学生ボランティアを支えてくださった担当の方々が、ご丁寧なアドバイスや声かけをしてくださり、とても良い雰囲気の中で仕事を行うことができた。
また、アフリカの方々と接する中で、私が感じていたアフリカに対するイメージがガラッと変わり、良い刺激を受けることができた。
さらに、私はアフリカに関心を持っていたため、将来アフリカでこういった事がしたいと、アフリカの方々とコミュニケーションを交わすことで、アフリカでの過ごし方や向き合い方などのアドバイスをくださったことは私の中で、大きな学びに繋がった。


  今回のTICAD9では、前回のTICAD7とは違って限定的な活動でしたが、参加した一人ひとりにとっては、英語を使う場面も多く、来場者との交流も濃いものになったのではないでしょうか?
 こういった国際会議(MICE等)のボランティアは、学生にとって海外とリアルにつながる体験ができる良い機会になります。ボランティア支援室では、今後もこのような機会を創出し、学生に参加を促していきたいと思っています。
(ボランティア支援室コーディネーター 柳本)

レポート一覧