Volunteer Support Officeボランティア支援室
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「TICAD7第7回アフリカ開発会議 ボランティア」

真夏のみなとみらいで、緊張と熱気と興奮を肌で感じた1週間

左:開会式の行われた初日(28日)はあいにくの雨模様/右:みなとみらい駅周辺では、TICAD7関連のさまざまなイベントがおこなわれた
  • 日 時:2019(令和元)年8月28日(水)~30日(金)※ボランティアは、中期/8月24日(土)~、短期/27日(火)~
  • 場 所:みなとみらい「パシフィコ横浜とその周辺」
  • 共 催:日本、国連、世界銀行、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)
  • ボランティア学生:100名、KIMONOプロジェクト3名
  • イベントの規模:10,000人
準備が整った、ここが本会議場!(27日撮影)

アフリカの「経済」「社会」「平和と安定」を考える機会となったボランティア活動

 8月28日(水)から30日(金)までの3日間、横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜をメイン会場に、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催されました。2008年の第4回、2013年の第5回に続き3回目の横浜開催となるTICAD7は日本が主催する最大規模の国際会議で、アフリカ53カ国の首脳級の代表、52か国の開発パートナー諸国、108の国際機関や地域機関の代表、NGO等市民社会の代表等約10,000名が集まりました。本会議をはじめバイ会談、サイドイベントなどを通して、アフリカの経済・社会・平和と安定などについて、熱気に満ちた議論や会談が行われ、30日には「横浜宣言2019」とその具体的道しるべである「横浜行動計画2019」が発表されて、閉幕しました。

 このTICAD7の運営を担う外務省アフリカ局TICAD事務局の仕事に、本学から100名の学生がボランティアとして参加し、国際会議ならではの緊張と熱気と興奮を肌で感じてきました。

 活動の内容は多岐にわたり、司令塔であるロジ室総括及び総務班の事務補助をはじめ、本会議場での議場支援や通訳・通訳補助、レセプション等を仕切る行事班、サイドイベントやバイ会談及びビジネスイベント支援、各国代表の配偶者をサポートするプログラムの担当等に分かれ、24日から1週間、及び27日から4日間のそれぞれの日程で活動しました。

多岐に渡った活動内容を、担当学生のコメントとともに紹介

 ボランティア支援室が最初に取材に行った27日は、会場全体が直前準備の真っ最中。各国首脳が続々と到着する中、視察などもあって慌ただしい様子でした。外務省の広報担当の方に案内されて会場となる会議センターの中も見学させていただき、ロジ室や本会議場で活動する市大のボランティア学生の様子も見ることができました。

 会議2日目、29日の取材では、大勢のアフリカ各国代表や団体スタッフ、ビジネスマンなどが行き来する中、イベントの案内や、KIMONOプロジェクトのサポートなどの現場で活動する学生ボランティアの姿を写真に収めることができました。学生たちが関わった活動内容の一部と共に、写真で紹介していきます。
左:さまざまなPC作業にも対応/右:ロジ室では、無線機を使っての情報のやり取りも(ともに27日撮影)

【パシフィコ横浜会議センター内ロジ室】

ロジ室はパシフィコ横浜内に設置された執務室。会議に関わるすべてを統括する指令室です。

総務班

各班への連絡・調整や、現場で対応する班に同行して現状の報告や本部の指示を伝えるなどの役目があります。また会議の日程をホワイトボードに書いて整理し、その内容を一斉メールで配信したり、変更があった場合は即時情報共有して訂正メールを流すなど、メールや無線を活用しての活動も多くありました。

宿舎班

会場受付のアコモデーションデスクで、各国代表への鍵の受渡しや個別要求の対応を行うほか、宿舎への案内も行いました。
通訳も大切な役目です(27日撮影)

<活動の感想・学び>

「本番前は様々な場所のヘルプに行きましたが、本番中は主にロジ室の中で活動をしました。総理や大臣の細かい動きを報道担当へ電話するという大きな仕事を体験させていただき、普段は決して見ることのできない外交の現場の内部を見ることができました。

 1週間チームの一員として活動したことで、それまでどれだけの準備を重ねてきたのか、どれだけの仕事を当たり前のようにこなしているのか、ということを体感しました。そして、やり遂げた後のスタッフのみなさんの表情や姿勢によって、ロジ室全体が明るくなったように感じました。そのような本気の行動から生まれる達成感を経験できたことは、私自身の大きな成長につながると感じています。全体を通して、チームの団結力の大切さ、個人の努力の大切さなどたくさんのことを学ぶことができました」(2年女子)

【パシフィコ横浜会議センター】

開会式・閉会式、本会議をはじめ、テーマ別会議、記者会見などTICAD7の主要なプログラムが行われました。

議場管理班
マイクランナーや水・紙コップなどの配布・回収、会場のセッティング支援など、TICAD7のコンテンツの中でももっとも大切な会議について支援をする係で、会議の現場に立ち会いました。

文書班
会議に使う資料の準備や席上配布、その他さまざまなパンフレット等の作成や設置を行いました。
左:本会議場担当の学生は興奮気味/右:ロジ室前でスタッフ用のドリンクを配布中(ともに27日撮影)

<ボランティアの志望理由と活動の感想・学び>

「国際交流関係のボランティアに興味があり、英語も活かせると思ったので興味を持った。外務省の担当の方のお話を聞き、臨場感のある貴重な体験をさせていただける機会だと思ったたことと、1つの会議にどれだけ多くの人の隠れた努力が積み重なっているのかを身をもって体験すること、そして自分がその場で何ができるかを考えて行動する力をつけることを目的として参加した。
 普段関わることのない外務省の方々や他大学の学生さんと一緒にひとつの目標に向かって力を合わせていくことが大変貴重な体験となった。アフリカについてほとんど知識がなかったが、アフリカに多くのビジネスの源が埋もれていることを知り、その可能性の大きさを身に染みて感じることができた」(2年女子)

「地元で開かれる国際会議に携われるという滅多にない機会かつアフリカに興味を抱いていたので、まず説明会に行きました。外務省の方のお話を伺い、絶対にボランティアをしたいと思い、参加を希望しました。
 8月24日から30日までの7日間、TICAD7(アフリカ開発会議)のボランティアをさせて頂きました。割り当てられた班は、議場管理班(通称:フロマネ班)。始まる前は、どんな事をするのか全く想像出来ず少し怖かったけれど、全ての活動を終えたいま、TICAD7にフロマネ班のボランティアとして携わることが出来たことに本当に本当に感謝しています。全体会合1~6、開閉会式、テーマ別会合の全てのフロアに入り、前方から議場の様子を伺うことが出来ました。そして何より、本省の方々と同じように無線をつけて活動し、外交の現場を目の当たりにしたことはいま考えても鳥肌モノです。決して目立たない、むしろ目立ってはいけない。でも、絶対に欠かすことの出来ない存在。それが外交官であるということを肌で感じ、その存在に強い憧れを抱きました。
 この7日間の経験は間違いなく私にとって一生の財産であり宝となりました。何物にも代え難い、最高の7日間でした。様々な業務がある中でフロマネ班で活動できたことは、ものすごい幸運だし、例えこれで一生分の運を使い果たしたのだとしても納得出来るくらい、最高の運の使い方でした」(3年女子)

「私は文書班として、会議で使用する書類の作成や机に配置する作業を行いました。中には会議中に配布する作業もありました。その上で、どの順番、配置で置くか工夫することでみやすいようにしました。最初は自分がうまく作業できるのか、周囲は違う大学、年上の人が多く打ち解けることができるのか、緊張や不安もありましたが、外務省の方が丁寧に教えてくれたのでリラックスした状態で行うことができました。会議中に最後の宣言文という重要な書類を配る作業は会議の全てが詰まっている感じがして、とても緊張しました。会議の最後に安倍首相が木槌で叩いた瞬間は今までの成果が出たような気がして、達成感がありました。
 学生がアフリカ各国の首相や国際機関の方、外務省の方と共にボランティアできる機会は滅多にないと思います。とても貴重な経験になりました。その分、アフリカの方と話す上で語学の力不足だと感じ、悔しかったです。これからは、語学力、コミュニュケーション力をつけていきたいと思いました」(1年女子)

左:資料運搬中!/右:ビジネスイベントには、多くのビジネスマンが来場。案内にも力が入ります

【パシフィコ横浜展示ホール サイドイベント会場】

サイドイベント班
期間中行われた、約140件のセミナー・シンポジウム及び約100件の展示の、会場セッティング支援や案内、インフォメーションデスクでの対応や記録作成などを行いました。

広報班
TICAD7の公式SNS等に掲載するために、ビジネスイベントなどの取材を行い、外務省スタッフに確認を取った上で【#TICAD7ボランティア・レポート】の名前で情報発信しました。
左:サイドイベントの案内/右:会場案内は、いろいろな方と接する場面が多い活動です

<ボランティアの志望理由と活動の感想・学び>

TICAD7ボランティアに参加したのには2つの理由がある。ひとつは、外務省の方による説明会がとても心に刺さったからである。実務や経験を踏まえて語られる内容はとても魅力的で、私もこの大きな国際会議にボランティアという形で携わりたいと強く思った。2つ目は、TICAD7のような大きな国際会議が横浜で開かれる機会は滅多にないからである。その1ピースとして一緒に作り上げられる、という経験は社会人になったらできない貴重なものだと感じた。
 1~3日目はサイドイベント班として、会議センターで業務を行った。主に誘導とインフォメーションセンターを担当したが、会議センターに立ち入れる人は基本的に要人のみであるため、緊張感のあるものだった。この業務は英語で質問されることも多々あり、自分の拙い英語力を後悔した。しかし、自分なりに丁寧な案内ができたのではないかと思う。少し体調を崩してしまったのが心残りである。
 私が今回のボランティアに参加してもっとも良かったと思えたのは、4日目の総務班での業務である。全体会合・閉会式に出席し終えた各国の代表者を、特別会合が行われる場所まで連れていくことだった。ただでさえスーツで緊張感があるのに、実際に要人と直接話す機会は大きな責任を感じた。業務開始までの間に動線を確認したが、VIP専用のゾーンにはとても重々しい雰囲気が張り詰めており、これが外交の最前線なのかと衝撃を受けた。特別会合が時間通りに始められるか、その一翼を担っているのは私なのかと終始緊張していたが、全体会合が行われている会議場に実際に入った時、それは更に高まった。テレビや新聞でしか見たことのない風景が目の前に広がっており、私は感銘を受けた。河野外務大臣が英語でスピーチする様子や、会議場に響くアナウンスが英語とフランス語であること、安倍総理がTICAD7の閉会宣言をして目の前を通り過ぎていった様子など、1週間経った今でも事細かに覚えている。そのくらい私にとっては初めての経験が多かった。
 無事にTICAD7が閉会したのを見届け、私は担当の外務長官を見つけ出して案内することに成功した。その移動途中で、外務長官の方から話しかけてくれたのがとても嬉しかった。この時も自分の咄嗟の英語力の無さに軽く絶望したが、とても優しく会話してくださった。無事に送り届けられた時、私は大きな達成感を感じた。特別会合が始まったのを見届け、TICAD7ボランティアを終えた。最終日のこの貴重な体験は一生忘れないだろうし、きっとこの機会を逃していたら絶対に経験できなかったことだと思う。このボランティアで得たことや反省点は今後に生かしたい」(1年女子)

「国が行っているイベントのボランティアは聞いたことがなかったので興味があり、公務員の人たちの仕事を間近で見ることが目的。
 最初の1・2日目はほとんど座っているだけの仕事だったがとても疲れた。3日目はインフォメーション(受付)の仕事で1・2日目に比べて忙しく、人と会話する機会が多かったがあまり疲れを感じなかった。4日目はシフト変更のお願いがあり、各国の偉い人たちが集まる会議の閉会式に参加することができた。日本のトップの人たちも間近で見ることができ、とても良い経験になった。
 正直、このボランティアに参加していなければアフリカ開発会議のことは知らなかったと思う。普段アフリカについて考える機会がなかったが、アフリカで起業している若い日本人がいたり、アフリカの人たちの生活をもっとより良くするために活動している団体がたくさんあることを知ることができた。これからのアフリカの成長がとても楽しみであり、アフリカの可能性を感じることができてとても良かった」(1年男子)

左: 広報のSNS担当として、さまざまな企業を取材中/右:担当同士の情報共有も必要です
左:受付担当は英語必須!/右:中止のご案内も大切な仕事
バイ会談の入室管理担当

【パシフィコ横浜展示ホール2階(バイ会談室)】

総務班第三国バイユニット
第三国のバイ会談(アフリカ同士、アフリカ各国と企業、日本以外の第三者が行うバイ会談)の予約受付や会議室の割り当て、管理業務など。各部屋の整備や案内、入室の確認等も併せて行いました。
パシフィコ横浜展示ホール2階の総合受付で活動中

<ボランティアの志望理由と活動の感想・学び>

 「数多くあるボランティアの中でも国際会議のボランティアは非常に貴重な機会であり、将来国際的な活躍を目指しているので、自分にとって今までにないほどの強い刺激のある経験ができそうだと感じたから。
 実際にアフリカの方々と話し、実用的な英語を使う経験ができた。大統領や大臣などが目の前にいる状況の中で業務を行い、感じたことのない緊張感があった。運営に関わっているスタッフの方ともたくさん交流してこれからの将来について多くのアドバイスをいただき、自分の考えを変えるきっかけとなった。今まで海外の人と話したことがほとんどなく今回のボランティアを通してもっと自分の語学力を鍛えたく思い、将来どうしていきたいかについて考える非常に貴重な経験ができた」(1年男子)

【パシフィコ横浜会議センター・ロイヤルパークホテル等】

行事班
歓迎レセプションやデレゲーションランチ、総理晩餐会などの出演者(KIMONOガールズ)誘導やVIP動線での待機やエレベーター前案内、エスカレーターへの誘導、KIMONOガールズの控室管理などを行いました。また、総理夫人や各国首脳の配偶者プログラムの企画・運営を行いました。
左:KIMONOプロジェクトのサポートとして1着200万円の着物の準備中/右:着物を汚してはたいへん!!注意しながらの準備です

<ボランティアの志望理由と活動の感想・学び>

 「1年の夏休みに遊ぶだけでなく、何か自分の方向性に影響を与えるものに参加したいと思った。また説明会を聞いて、こんなにも一生懸命になっている方と一緒に働けることにとても魅力を感じ、尊敬できる方とコミュニケーションをとることは、自分にとってとても成長できることだと思ったから。もともとアフリカにも興味があり、それについても考えることができると思った。
 一番の感想は、参加してよかったということ。待機時間や空き時間もあったが、それはプラスに捉えれば、それだけ自分たちが目まぐるしい現場に一緒に入っているということ。そんな中で、私は自分から主体的に動こうと考えた。すれ違う人に挨拶をして、そこから会話を広げてみようと実践した。そこでの学びは、表情ひとつで人と出会えるか否か、そして言葉ひとつでその後も繋がっていけるか否かが決まっていくということに気づけたこと。少しの勇気や行動で、より多くのものを得られることもわかった。業務に関しては、参加したかった晩餐会などの中にも入って、すごい緊張の中業務をできたことがとてもよかった。成功して、外務省の方が涙ながらに感謝してくださったとき、私も感動で胸がいっぱいになった」(1年女子)

 「国際関係に興味があり、今回普通に過ごしているだけでは体験できないような機会があるということを知り、話を聞いて面白そうだと思った。英語を使って何かしたいと思ったので参加した。
 実際の会議の準備の難しさや、急な変更の対応では情報の伝達とコミュニケーションの重要性を痛切に感じた。アフリカ各国の代表や日本代表に会うという貴重な体験ができたとともに、英語を実際に使った簡単な誘導では、スムーズに英語を話せないもどかしさも感じた。だが、なかなか楽しく行うことができた」(2年男子)

6年に一度の開催ということで、ここに関わるチャンスはもう二度とないと思ったから。国際的なことに少し興味があったから。
 最初は拘束時間も長く、辛くて嫌になったことも多くあったが、最後にはこの活動に参加できて本当に良かったと思った。首脳夫人の方々と関わる事ができて本当に良い経験となったし、外交についてどこか遠く感じていたが、今回の活動を通して多くの事を知ることができた。実際に外務省の方々と関わりお話を聞けたことで、外交を身近に感じる事ができたと思う」(1年女子)

 「模擬国連活動を続けてきた身として本物の国際会議に触れられるという機会がとても魅力的に感じられ、国際問題に関心のある私にはまたとない機会だと思ったから。また、大学まで説明に来てくださった外務省の方のお話に引き込まれ、“得られるもの”のあるボランティアに懸ける時間を取ってみたいと思ったから。
 一にも二にも出会った方々の凄さが私に大きな影響を与えた。省員の皆さんは目の回る忙しさの中にあっても明るさを忘れず、一ボランティアでしかない私たちにも目をかけてくださっていた。そうした姿勢にいたく感動した。省員の方々の姿が私たちに『自分たちは同じ方向を向いているんだ』『ひとつのチームとして認められているんだ』と感じさせた。それは純粋に嬉しく、私のモチベーションも上がった。また、この国際会議を作るのに自分たち一人ひとりが深くまで関わらせてもらえたことで、会議の作られ方や国際会議の難しさ、面白さを知れた。振り返れば非常に満足度の高いボランティア経験になったと考えている」(1年女子)

TOPICS①「KIMONOプロジェクト」本学学生3名が参加

 「KIMONOプロジェクト」は、2014年久留米市の呉服屋が中心になって立ち上げたプロジェクトで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの際に、日本と国交がある参加国・地域計213カ国・地域(予定)をイメージする着物を制作して披露しようというもの。TICAD7では、外務省の依頼を受けてアフリカ54ヶ国の着物が用意され、大学生やモデルなどが着用。歓迎レセプションや総理晩餐会などで、日本とアフリカの友好や協力を表現するため披露しました。

 このプロジェクトに本学から3名が参加し、29日の総理晩餐会ではマウンテンゴリラを模したルワンダ、ジャンベや象・蝶などを描いたギニア、ウミガメとアジサシなどを描いたセーシェルの着物で、各国との友好に貢献しました。
左:セーシェル/中央:ルワンダ/右:ギニア

TOPICS② 外務省勤務の市大OGにお会いしました!

 今回、お忙しい中取材に同行していただき、たいへんお世話になった2名の外務省広報担当スタッフの方々。そのお一人が、本学のOGでした!!

北原さち子さん(外務省大臣官房 文化交流・海外広報課主査)

 国際文化学部国際関係学科(当時)を2004年3月に卒業された北原さち子さんは、国際関係論・国際政治経済学などを専門とする毛利勝彦先生のゼミに所属していたこともあり、JICAなどの国際関係機関に興味があったそうです。テニス部に所属していたとのことですが、様々な国で働くために「部活で体力をつけたい!」と思ったのが理由だったとか。そんな北原さんは、2年の夏休みに、ゼミの課題で外務省の「国際問題プレゼンテーション・コンテスト」に挑戦することになりました。そしてそこで見事受賞し、外務省で発表したことが北原さんに大きな目標を与えるきっかけとなり、それから外務省の試験を受けてみようと真剣に勉強を始めたのだそうです。

 今回、TICAD7という活動の場を通して出会えた後輩であるヨコイチの皆さんに、北原さんからメッセージをいただいてきました。
「世界に興味・関心を持つことがますます大切になって来ています。好奇心を忘れずに、開けた若い柔軟な目で世界を見てほしいと思います。そして世界に実際に出て、いろいろな人と人との関係を作ってほしい。今私は外務省という組織の一員として働いていますが、最終的に私の仕事は様々な場所で実際に生きている、“人”と働くことであると思っています」

 北原さんは小学生と保育園のお子さん2人を育てながら、日々超多忙な仕事をこなし、もちろん海外出張もあります。これも「たくさんの人に助けてもらいながらですが、やってみれば何とかこなせるもの」と頼もしい答え。

 「皆さんには、国境や言葉の垣根を越えて、多くの人と交流できるようになってほしいです。言葉は長く使っていれば何とかなるものなので、今言葉ができないことであきらめないでほしい!」とエールをいただきました。
大先輩の北原さち子さん(左から2人目)と

TOPICS③ 世界銀行主催の、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)開催記念写真展「アフリカ、胎動する大陸 ドルテ・ヴェルナー×渡辺貞夫」にて、7名のボランティアが活動

 7月24日(水)~8月4日(日)に、みなとみらいギャラリーで開催された、世界銀行主催の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)開催記念写真展「アフリカ、胎動する大陸 ドルテ・ヴェルナー×渡辺貞夫」で、本学の学生ボランティア7名が、世界銀行職員の方とともに、受付や案内などの活動をしました。

 この写真展は、世界銀行の主任農業エコノミストでもあるドルテ・ヴェルナーさんと、日本ジャズ界を代表する渡辺貞夫氏がアフリカで撮影した写真合計47点を展示したもの。デジタル一眼レフカメラで撮影されたドルテ・ヴェルナーさんの写真は、大きく強い瞳が印象的な人々の表情や、今にも乾燥した熱風が吹いてきそうなアフリカの風景写真など、鮮やかで美しい作品の数々。一方の渡辺氏の写真は、まだデジタルカメラのない時代に一瞬のチャンスを逃さずに撮影された趣きのある写真。それぞれに味わい深く、見る人を引き込む写真展でした。
ボランティア支援室・コーディネーター 柳本 記

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