診療科・部門案内

呼吸器病センター

肺がん~手術治療について~

胸腔鏡手術

近年、肺がん治療は目覚ましく進歩しています。手術療法では、患者さんへの負担を軽減する低侵襲手術の進歩が著しいです。
当院では、大部分の肺がん手術を、傷の小さな胸腔鏡手術で行っております。胸腔鏡手術は体への負担が少ないため、手術翌日には病棟を歩行でき、ご高齢の方でも安心して手術を受けることができます。
胸腔鏡を用いた低侵襲手術の進歩の結果、入院期間も短縮傾向であり、当院での標準的な肺がん手術では、平均で約1週間の入院期間となっております。

ロボット支援下胸腔鏡手術

手術支援ロボット DaVinci Xi(Intuitive Surgical社製)

本邦では2018年から肺がんに対するロボット支援下胸腔鏡手術が保険適応となりました。ロボット支援下胸腔鏡手術では、3次元視野下に多関節を有する自由度の高い鉗子を用いる事で、精密な手術操作が可能となりました。
当院では、比較的早期の肺癌患者さんを対象として、ロボット支援下胸腔鏡手術による精密な肺がん手術を行っております。

縮小手術

当院では早期の肺がん患者さんを対象として、切除する肺の範囲を縮小して呼吸機能を温存する縮小手術を行っております。縮小手術は。腫瘍を中心として肺を部分的に切除する楔状切除術と、血管・気管支の解剖に従って一定の領域を切除する区域切除術に分類されます。縮小手術は呼吸機能だけではなく、術後の体力温存にもつながることが分かっております。
このため、心臓病や脳卒中など、様々な併存疾患をお持ちの患者さんに対しても行われることがあります。

拡大手術

進行した肺がんでは、切除範囲を広げて確実に腫瘍を切除する拡大手術を行うことがあります。腫瘍が浸潤した胸膜、心膜、肋骨などの隣接した臓器や大血管・気管支などを、肺と共に切除する場合がを当てはまります。高度な手術手技に加え、多くの経験が必要とされる領域です。
当院では、大学病院である特徴を生かして、心臓血管外科を始めとした様々な専門科の協力のもと、これまで多くの拡大手術を行ってきた経験があります。

併存疾患を抱えた患者さんの肺がん手術

肺がんは高齢者の罹患率が高いため、既に心臓、肺、腎臓、脳、血管などに様々な疾患を抱えている患者さんが多くいらっしゃいます。また、難治性疾患でステロイドや免疫抑制剤などの薬剤を内服されている患者さんも多くいらっしゃいます。
当院は大学病院であり、この様な様々な併存疾患を抱えた患者さんの手術経験が大変豊富です。年齢や併存疾患で肺がん治療を迷っている方がいらっしゃいましたら、是非一度ご相談にいらしてください。

肺がんの治療フローチャート

肺がんの治療フローチャート肺がんの治療フローチャート

組織型と進行度(ステージ)によって、推奨される治療方法を知ることができます。