地域貢献ニュース8月号(基礎看護学領域)

担当:門馬靖武、勝山貴美子

　基礎看護学領域では、附属2病院の看護師さんらが臨床で行なっている研究の指導を通じて、現場における看護の質向上に寄与しています。今年度は、基礎看護学では9件の研究指導をさせていただいています。
　私は、横浜市立大学市民総合医療センター看護部からの依頼を受け、定期的に研究指導をさせていただいています。看護師さんらが臨床実践の中で持った疑問をもとに、患者さんが安全に、安楽に、より安心して医療を受けられるための視点に着目し、日々の看護業務に関する悩みや疑問に対する問題解決の方向性を明確にできるよう、研究テーマの選定をサポートしております。特に、研究デザインの設定、研究対象者の選定、データの収集方法の設定においては、科学的根拠に基づく結果が得られるよう先行研究を十分検討し、計画に反映できるよう支援しています。今年度は、患者さまがより快適に車椅子に座ることができるよう、座面から受ける圧迫の程度などについて明らかにすることを研究課題とし取り組んでおります。研究指導をする中で、臨床には研究疑問が多く存在すると気づかされます。看護師さん方は、日頃、多忙な臨床現場に置かれていますが、日々の臨床実践の場で感じた疑問を流さずにしっかりと受け止め、研究という形で問題の本質を探究しようとする姿は、私自身、多く学ばされるものがあります。
　本領域では、看護師の皆さんの研究への意欲を応援しつつ、より質の高い研究につながるよう、サポートを惜しまず提供したいと考えています。