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国際商学部 芦澤美智子准教授が、横浜市立高田中学校で講演会に参加しました

2022.05.23
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中学生に向けた「起業家」をテーマにしたキャリア教育講演会

「皆さんは『起業家』と聞いてどんなイメージを持ちますか?」と中学生たちに語り始めた芦澤美智子先生(国際商学部准教授 起業研究、経営戦略論)。2022年3月に横浜市立高田中学校(横浜市港北区)で開催された「キャリア教育講演会(テーマ:起業家)」に登壇しました。
この講演会は、キャリア教育の一環として、様々な業種で働く人と接し、話を聞くことを通じて中学生が将来にわたる生き方を考えるという目的で開催されました。講演会には、株式会社ウェルモの執行役員でもある木村亮太さんも参加し、起業家としてのご自身の人生についての話をされていました。
「現在の日本では、少しずつ起業家(アントレプレナー)という言葉が浸透してきています。中学校のキャリア教育で、起業家について語るということ自体が何年か前までには考えられなかったことのように感じます。」と語る芦澤先生は、そもそも起業家とはどのような人を指すのか、日本におけるアントレプレナーの現状や海外との比較などについて話をしました。

身近なことからチャレンジ。スタートはみんな同じ。

「起業家とは何か」、芦澤先生はこの問いに、「今の世界を支えている、便利にしている製品、サービスを生み出そうと挑戦してきた人たちが起業家です」と語りました。また世界各国(特に米国と中国)と比較して、日本のGDP(国内総生産)が長期停滞している理由について、少子化などたくさんの理由があると考えられるが、その中でも大きな要因として、米国や中国と比べて日本には、新しい世界に挑戦しようと考える人が少なくなっていることを、データを示しながら説明しました。
「だからこそ、皆さんには、ちょっとアンテナを高くして、身近なことからチャレンジしてほしい。知らない世界へのチャレンジは怖いかもしれないが、みんなが知らない世界というのは、中学生でも、大人でも、先生たちでも、同じラインからのスタート。だからこそ、チャレンジするのに年齢は関係ない」
と芦澤先生が語り掛けると、中学生たちはみんな真剣に耳を傾けていました。
芦澤先生は講演会の終わりに2つの事を考えてほしいと伝えました。


1つ目は、「自分ができること、身近な事からやってみる」。TikTokの創業者を例に挙げ、同氏は1社・2社・3社・4社目と失敗して、それでもチャレンジし続け、5社目でTikTokが大成功を収めたことから、いきなりの成功は誰にとっても難しいこと、だからこそ小さい事の積み重ねが大切だということを伝えました。
2つ目は、「失敗している人たちを笑わない、見守る、責めないでほしい」。失敗している人を見ても、批判したりSNSでたたいたりしないで、挑戦したことをほめ、応援してあげてほしい、と中学生たちに投げかけました。

皆がこの2つに取り組めば、日本からもまた、世界を進化させるような製品・サービスを生み出す人が出てくるのではないか。そう締めくくりました。

最後に講演会後のアンケートから受講した中学生の声を一部ですが、ご紹介します。
・色々な道があることがわかった
・きっかけは何でもいいから色々なことにチャレンジしてみようと思った
・普通の中学生でも、起業できる可能性はあるのだと感じた
・失敗することの重要性と諦めないことの大切さについて知れた
・起業することは難しいのかと思ったら、全然そんなことはなくて驚いた

これらの中学生たちのコメントに芦澤先生は、「起業家を知ってもらう以前に、チャレンジの重要性や自分の可能性を狭めないこと。講演を聞いた中学生たちが、色々な事を考えて、これからの進路を選択していってほしいと感じました。」と中学生たちの未来にエールを送りました。

本学では、「新たな社会の創造をリードする大学」として、起業家教育にも力を入れています。2017年度にスタートさせた起業家育成プログラムをはじめ、学内外のビジネスコンテストにも積極的に参加しています。
これからも新たな価値を創造するイノベーティブな人材を輩出する「アントレプレナーシップ教育」をYCUでは展開していきます。
【芦澤美智子准教授(プロフィール)】
横浜市立大学国際商学部/国際マネジメント研究科准教授。博士(経営学)。
公認会計士、企業再生/変革プロジェクトのリーダー等を経て、2013年より横浜市立大学国際商学部准教授。大学教員の着任初年度より「起業体験プログラム」を実施。現在は横浜を中心に、スタートアップ・エコシステム形成に力を注ぎながら、大学発ベンチャー発掘支援、オープンイノベーション支援にも関わっている。

【横浜市立高田中学校】
神奈川県横浜市港北区高田町に位置する市立中学校。2018年度に横浜市に採用された民間人校長の横田由美子氏(元日本アイ・ビー・エム株式会社)が校長を務め、学ぶことを通して、自ら課題を形成し、その課題を自ら解決し21世紀を生き抜く力をもった人を育てることを教育目標としている。
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