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大学院生の足羽美海さんが、第25回分子分光研究会で優秀講演賞を受賞!

2025.12.23
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ハロゲン化炭化水素への陽電子親和力が、わずか二つの物理指標で記述し得ることを発見

生命ナノシステム科学研究科 博士前期課程2年(量子物理化学研究室)の足羽 美海さんが、2025年11月29、30日に東京科学大学で開催された第25回分子分光研究会において、「ハロゲン化炭化水素の陽電子化合物に関する理論的解析」について講演し、優秀講演賞を受賞しました。
受賞者
生命ナノシステム科学研究科 博士前期課程2年
足羽 美海あしば みうさん

指導教員
生命ナノシステム科学研究科
立川 仁典教授(量子化学・計算化学)

受賞内容
第25回分子分光研究会
優秀講演賞

発表題目
ハロゲン化炭化水素の陽電子化合物に関する理論的解析
今回の発表内容について足羽 美海さんに解説していただきました。
本研究は、反物質である陽電子*1が分子に付着し、陽電子化合物を形成するミクロなメカニズムを理論計算によって解明したものです。陽電子の分子への親和力を決定するには、従来、膨大な時間を要する量子化学計算や複雑な実験が必要であり、特定されているデータはごく一部に留まっていました。そのため、陽電子化合物に関する特性の多くは明らかになっていませんでした。
そこで本研究では、多様な構造を持つハロゲン化炭化水素に着目し、統計的な解析を実施しました。その結果、これまでは多くの要因が複雑に関与していると考えられていた陽電子の親和力が、双極子モーメント(電荷の偏り)*2と分極率(電荷分布の変形のしやすさ)*3という二つの指標だけで、簡便に説明できることを突き止めました。この発見により、特定の化合物群において、従来手法よりも簡便かつ高精度に結合の強さを予測することが可能となりました。
足羽 美海さんのコメント
このたび、分子分光研究会において講演賞をいただき、大変光栄に思います。今回は分光という普段の専門とは少し異なる分野での発表ということもあり、私にとって挑戦的な側面が強かったのですが、そのアプローチを評価していただけたことを非常に嬉しく感じております。
日頃よりご指導くださっている立川先生、ならびに多角的な視点からご助言やサポートをくださった研究室の諸先生方に、この場を借りて深く感謝申し上げます。皆様の支えのおかげで得られたこの経験を糧に、今後もより一層精進してまいります。


指導教員 立川 仁典教授のコメント
足羽さん、分子分光研究会での優秀講演賞受賞おめでとう!異なった分野での講演で緊張したと思いますが、多数の発表者の中から講演賞に選出されたのは、内容はもちろんのこと、解りやすく伝えられたためだと思います。この受賞を機に、今後の足羽さんのさらなる活躍を期待しています!
用語説明
*1 陽電子:電子の反粒子。プラスの電荷を持ち、物質中の電子と対消滅してγ線を放出する性質を持つ。
*2 双極子モーメント:分子内における正負の電荷の偏りの大きさを示す物理量。
*3 分極率:外部電場に対する電子雲の歪みやすさ(変形のしやすさ)を表す指標。
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