生命ナノシステム科学研究科生命ナノシステム科学研究科
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大学院生の足羽美海さんが、ICPA20でポスター賞受賞!

2025.07.15
  • TOPICS
  • 学生の活躍

異性体によって陽電子と分子の吸着機構が変化することを発見

生命ナノシステム科学研究科 博士前期課程2年(量子物理化学研究室所属)の足羽 美海さんが、2025年6月1日~6日に高松で開催されたThe 20th International Conference on Positron Annihilation(ICP20)において、「Theoretical Analysis of Isomers of Positron-Attached Halogenated Hydrocarbon Molecules」について発表し、ポスター賞を受賞しました。
授賞式にて
受賞者
生命ナノシステム科学研究科 博士前期課程2年
足羽 美海あしば みうさん

指導教員
生命ナノシステム科学研究科
立川 仁典 教授(量子化学・計算化学)
受賞内容
The 20th International Conference on Positron Annihilation(ICPA20)
Poster Award

発表題目
Theoretical Analysis of Isomers of Positron-Attached Halogenated Hydrocarbon Molecules
今回の発表内容について足羽さんに解説していただきました。
陽電子*1は電子の反対の性質をもつ粒子で、さまざまな分子と一時的に陽電子化合物と呼ばれる複合体を形成することがあります。こうした複合体の構造や性質についての研究は、病気の診断や材料測定などの技術発展に役立つと期待されています。しかし、その性質の解明は現在も途上にあります。そのため、実験に加えて、分子のふるまいを理論的に解析する計算化学的*2な手法が注目されています。
本研究では、異性体と呼ばれる、同じ原子の組み合わせでも構造が異なる分子に着目し、陽電子化合物としての性質を調べました。その結果、分子の構造の違いによって、陽電子との結びつき方(吸着の特性)が大きく変化することを明らかにしました(図1)。
図1 異性体による陽電子吸着の様子
足羽 美海さんの受賞コメント
このたび、国際学会でポスター賞をいただき、大変光栄に思います。日頃よりご指導いただいている先生方に、心より感謝申し上げます。
初めての陽電子に関する国際学会への参加であり、各国から集まった研究者の方々との交流は非常に刺激的で、貴重な経験となりました。そのような中で自分の研究を評価いただけたことは、身に余る光栄であり、今後の研究活動における大きな励みとなりました。この受賞を励みに、より一層研鑽を積み、真摯に研究に取り組んでまいりたいと思います。


指導教員 立川 仁典教授のコメント
足羽さん、国際会議でのポスター賞受賞おめでとう! 初めての国際会議で緊張したと思いますが、多数の発表者の中からポスター賞に選出されたのは、内容はもちろんのこと、解りやすく伝えられたためだと思います。この受賞を機に、今後の足羽さんのさらなる活躍を期待しています!
用語説明
*1 陽電子:電子と同じ重さで、正の電気を持つ粒子のこと。医療や材料の検査などに利用される。
*2 計算化学:コンピューターを使って、分子の構造や反応を理論的に調べる化学の分野。
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