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診療科・部門案内

血液・リウマチ・感染症内科

HIV感染症/後天性免疫不全症候群(AIDS エイズ) 治療法について

疾患情報

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで発症します。HIVはヒトの免疫細胞の中でも主にCD4陽性リンパ球に感染し、これを破壊することで免疫不全を起こします。HIV感染初期には無症状なことも多いですが、HIV感染症が進行し、免疫不全状態となることで、健康な人では通常見られないような感染症、悪性腫瘍などに罹るようになってしまいます。特に進行したHIV感染者に起こりやすい疾患をAIDS(エイズ)指標疾患と呼び、23種類の疾患が定められています。このAIDS指標疾患を発症した免疫不全状態を後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome: AIDS エイズ)と呼びます。

HIVは血液感染、母子感染、性感染といった感染経路がありますが、国内では性感染による拡大が主流となっています。年間1000例前後の新規HIV感染症が診断されていますが、近年新規診断者数は減少傾向にあります。ただしHIVに感染したことに気づかずに日常生活を送っている方もいるため、今後も新規診断者は増加する可能性があります。

以前は確実に死に至る病気とされていましたが、現在は治療法が確立し、早期に診断・治療が行われることでHIV非感染者と同等の寿命が期待できるといわれています。
また治療によって体内のウイルス量を減らすことで、性行為による他者への感染や、妊娠・出産時の母子感染も予防できるようになってきています。

HIV①HIV①

検査

HIV感染症の診断は血液検査で行います。さらにHIV感染症と診断された場合は免疫機能の状態(CD4陽性リンパ球数)を血液検査で調べた上で、AIDS指標疾患を発症していないかを血液検査を初めCTやMRIといった画像検査による検索を行います。

またHIV感染症に罹患しているかご心配な方は、横浜市で行っている匿名検査を受けることでHIV感染の有無を確認することができます(下記リンク参照)。

治療法

HIV治療薬

CD4陽性リンパ球数やAIDS指標疾患の発症状況を見ながらできるだけ早くHIV治療薬を開始します。
治療薬には内服薬や注射剤があり、生活状況に合わせて治療薬を選択します。

治療にあたっては免疫機能障害の障碍者手帳を申請することで治療費の自己負担を軽減することが可能です(下記リンク参照)。

当院では多職種から成るHIV診療チームがあり、HIV感染症の治療だけでなく、経済的・社会的な問題にも対応できるように診療を行っています(下記リンク参照)。

治療

AIDS指標疾患の多くは感染症であり、各種感染症に対する薬剤を投与することで治療を行います。
またカポジ肉腫、脳原発悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫といった悪性腫瘍に対しては血液グループと協力して抗がん剤治療や放射線治療を行うこともできます。

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