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遺伝学松本直通教授ら研究グループが全エキソーム解析の臨床応用の現状についてNature Reviews Neurology誌にコメントを掲載

2014.11.05
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遺伝学松本直通教授ら研究グループが全エキソーム解析の臨床応用の現状についてNature Reviews Neurology誌にコメントを掲載

~『Nature Reviews Neurology "News and Views"』に掲載~

横浜市立大学学術院医学群松本直通教授らの研究グループは、これまでヒトの遺伝性疾患の原因解明を目指した研究を行ってきました。特に次世代シーケンサを用いた全エキソーム解析をいちはやく導入し、小児において多発奇形・知的障害を起こすCoffin-Siris症候群をはじめ、脊髄小脳変性症、大脳白質形成不全症、先天性ミオパチー、脳内鉄沈着を伴う神経変性疾患SENDAといった小児~成人発症のさまざまな神経疾患の責任遺伝子の同定を行ってきました。また全エキソーム解析の臨床応用の可能性についての知見も発表しています。
これらの研究を背景に、第一線の研究者による総説論文が掲載されるレビュー誌『Nature Reviews Neurology 』誌の "News and Views" に、神経疾患の診療における全エキソーム解析の臨床応用についての最近の論文に対するコメントを発表いたしました。

本記事は、神経疾患における全エキソーム解析の臨床応用について、2つの論文*を取り上げて解説しています。これらの論文は、小児発症のいろいろな精神発達・神経疾患と、成人発症の遺伝性神経変性疾患の1つである脊髄小脳変性症の多数例を対象としており、全エキソーム解析による診断率やその後の治療介入における有用性について検証したものです。診断率はおよそ20-40%と報告され、一般的な診断率としていわれている25%と比べて遜色ない結果が示されました。また全エキソーム解析の特徴やその長所、短所、問題点についても触れ、今後、強力な遺伝子解析・診断ツールの主流となっていく事が予想される全エキソーム解析の現状についてタイムリーに解説しています。

*Fogel, B. L. et al. Exome sequencing in the clinical diagnosis of sporadic or familial cerebellar ataxia. JAMA Neurol. 71, 1237–1246 (2014), Srivastava, S. et al. Clinical whole exome sequencing in child neurology practice. Ann. Neurol. 76, 473–483 (2014)

※本論文は、英国の科学雑誌 Nature Reviews Neurology, December issue (volume 10, issue 12)に掲載されます。(英国11月4日オンライン)

※本論文に関わる研究は、厚生労働省、文部科学省、独立行政法人科学技術振興機構、日本学術振興会の研究補助金により行われました。また、文部科学省「脳科学研究戦略推進プログラム」の一環として実施されました。
本学においては「学長裁量事業(戦略的研究推進費)」のひとつに位置付けられており、先端医科学研究センターの研究開発プロジェクトユニットが推進しています。

内容に関するお問い合わせ 公立大学法人横浜市立大学学術院医学群遺伝学教授松本直通

tel045-787-2606 (fax:045-786-5219)

mailnaomat@yokohama-cu.ac.jp

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