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HOME > 教員からのメッセージ − At the Heart of YCU > これからの世界を担うアジアをいち早く学ぶことは、今後の人生設計につながります - 柿崎一郎准教授

これからの世界を担うアジアをいち早く学ぶことは、今後の人生設計につながります - 柿崎一郎准教授

私は、地域研究の中でもタイを中心とする東南アジアの交通について研究しています。 どのような形で鉄道や道路が作られ、それが現地の経済や社会にどのような影響を与えたのかということを解明するのが目的です。研究自体がまだ少ない分野であることから、ゼロからやるおもしろさがあります。

タイの移動手段はクルマが中心ですが、最近は経済発展と比例して、鉄道の復権という流れも顕著にみられてきています。物流の切り札としてだけでなく、新幹線のような高速鉄道の建設計画も出現しています。また、この辺りの国は陸続きですから、人やモノの流動が国の枠組みを越えて拡大する可能性が高くなります。

柿崎一郎(かきざき・いちろう)
国際総合科学群 准教授
(学部)国際総合科学部国際教養学系社会関係論コース 
(大学院)都市社会文化研究科 
研究者情報   授業シラバス 
研究室にはタイから持ってきた多数の資料や文献が所狭しと並び、タイのラジオ放送が流れる。アジア社会史や東南アジア社会論などの授業を受け持つ。

アジアは、今後の若者の人生設計において重要な地域

授業では、主に東南アジアの地域研究を扱っており、東南アジアの歴史や、政治、経済、社会を概観することが中心です。東南アジアは日本から比較的近く、歴史上も、また現在も日本との関係が非常に強い場所です。特に私の研究テーマの中心となっているタイには多くの日本企業も進出しており、日本とのつながりが大変強い国です。

ところが、高校までの教育では、東南アジアが前面にでてくることはほとんどありません。世界史の中心はヨーロッパの歴史で、東南アジアは学校で教わる知識の中では非常にマイナーな位置づけとなっています。しかし、これから学生たちが社会人になって、出張や転勤で訪れる可能性が一番高い場所の一つが東南アジアなのです。日本との関係が深く、経済成長も著しいこの地域を、学生時代からいち早く学んでおくことは、今後の人生設計の中でも大きな意味を持つでしょう。

また、東南アジアはアクセスもしやすいですし、日本人の常識が通用しない異文化を体験する場所としても非常に適していると思います。できれば長期休暇等を利用して現地を訪れ、自分なりの問題点を認識して、大学での研究テーマにしてほしいですね。

社会で生きていくために必要な「自己アピール力」を学ぶ

私のゼミでは、基本的に最低月一回は、発表する場が与えられます。そこで自分が調べてきたことを報告し、他の学生や私のアドバイスをふまえながら更なる研究を進め、最終的にゼミ論文や卒業論文としてまとめます。ゼミは共同作業しながら互いに切磋琢磨する場です。基本的に私はディスカッションの途中ではできるだけ口を挟まず、学生同士で発表者の研究をより良いものにしていくためのアイデアを出し合ってもらうようにしています。このような授業の積み重ねから、自分の考えていることや、興味を持っていることを的確に相手に伝える「自己アピール力」を磨いてほしいと思っています。

現代社会では、自己アピール力のあるなしでその能力や人となりが判断されてしまいがちで、それは就職にも大きく関係します。つまり、同じ知識を持っていても、それをうまくアピールできる人ほど有利に働く面があるのです。そのためにも、大学時代には人前で発表する能力、しっかりとした文章を書く能力、その前提として客観的な資料に基づいて論を組み立てる洞察力や分析力をしっかり身につけることが重要です。私は歴史的アプローチ学を研究のバックグラウンドにしているので、信頼できる資料やデータを集め、それに基づいて議論を展開しているかどうかについては特に厳しく指導します。現地の資料に当たるには語学力も必要です。ゼミでの発表や論文作成を通じて、自ら調べ、考え、説得力のあるアピールをする力が総合的に身についていくはずです。

いい意味で「おたくになれ」。それが専門ということ

学生には常々、「知的好奇心旺盛なおたくになれ」と言っています。おたくは、一つのことにこだわって追究し、その分野についてなら他の人には絶対に負けない知識があるという自信があります。しかし、最初から狭い範囲に閉じこもってしまうのではなく、学生時代はさまざまなことに広く関心を向ける力、つまり知的好奇心を持ちつつ、自分でしかできない何かを持ってほしい。それが専門ということです。幅広い視野と広く浅い知識を持ったうえで、何か一つでも狭く深く誇れる点を持ってほしいと願っています。

地域研究は、さまざまな学問の考え方を利用し、さまざまな側面からテーマを自由に設定し、切り込んでいくことができるのも大きな特徴です。自分の見つけた問題点を深く掘り下げていき、その実像を探求していくことで、自分ならではのオリジナルな研究ができる可能性も高いので、ぜひ挑戦してほしいですね。

(2012.10.29更新)

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