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第10回 寺子屋塾 西大道レポート

留学生も参加して、グローバルな「寺子屋塾」に!

子どもたちとの交流で新たな発見をした学生たち

■日時:令和7年8月6日(水)~8日(金)
■場所:横浜市金沢区西大道町内会館
■主催団体:横浜市金沢区西大道町内会
■ボランティア学生数(Volunchメンバー):8月6日(水)5名、7日(木)8名、8日(金)7名、延べ20名
■イベントの規模:大道小学校児童14名

■留学生も参加して、英語が飛び交う交流を体験

 昨年に引き続き、西大道町内会が主催する市大生と地元小学生との交流プログラム「寺子屋塾 西大道」が、今年も8月6日(水)~8月8日(金)の3日間、西大道地区町内会館で実施されました。本学からは、ボランティア支援室学生スタッフ「Volunch」(以後「Volunch」と表記)延べ20名が参加し、一方の小学生は、大道小学校の1年から6年までの児童14名が参加。午前中は、小学生それぞれが持ってきた勉強に取組み、お昼を挟んで午後はさまざまな交流プログラムを楽しみました。
 昨年はカレンダーの関係で初日が授業のある日だったため、大学生の参加が少なくて寂しかったのですが、今年は初日6日(水)5名、7日(木)8名、8日(金)7名合計延べ20名の学生が参加。2日目にはアメリカからの留学生も参加してくれて、寺子屋塾始まって以来の英語が飛び交うグローバルな寺子屋塾となりました。

■午前中は各自が持ち寄った宿題やドリルに集中!

一昨年は19名が参加していた寺子屋塾でしたが、昨年は13名、今年も14名と減少傾向です。これは年々町内会に入る子育て世代の家族が減っているためだそうで、町内会にとっては大きな課題となっています。また、両親ともに働いているご家庭の場合はどうしても、預かり時間が長い「放課後キッズ(8:00~19:00)」を利用する場合が多いことも寺子屋塾への参加が減っている理由のひとつだそう。
 とはいえ、参加した小学生は3日間を満喫したようです。午前中は、初日が1時間20分、2・3日目は2時間、各自持参した夏休みの宿題や、計算・漢字ドリルなどに取組みました。学年ごとに分かれた4グループに大学生がそれぞれ1~2名ずつついて、わからないところを丁寧に教え、ドリルの丸付けをしてほめてあげるなど、学習をサポートしました。理科に取組む子どもには、生物を調べるためテキストの画像をスマホで撮影して検索をし、またChat-GPTに聞くなど、今どきのツールも駆使したサポートを行っていました。

 

 

■「子どもが大好き!日本にいる間子どもと関わりたい」と、参加してくれた留学生

 2日目には「子どもが大好き!」と言って参加してくれたアメリカからの交換留学生も、順番にグループに入ってくれました。彼が入ったグループはその間英語を使ったコミュニケーションの時間となり、いろいろな質問が飛び交い、子どもたちも一生懸命手振り身振りを交え片言の英単語を使って答えていました。
 留学生は、とても明るく社交的で、子どもたちから言葉を引き出すのもとてもうまく笑いが絶えません。寺子屋塾始まって以来のグローバルな展開に、小学生はもちろん、Volunchの学生や、スタッフの町内会の皆さんも一緒になって楽しんでいました。

 

■休憩時間には体育室で激しい鬼ごっこが始まる!

 学習時間の後はお待ちかねのランチ。町内会のお母さんたちが作ってくれたおいしいお昼ご飯をいただきました。取材に行ったこの日(2日目)はみんなが大好きな唐揚げと炊き込みご飯、お味噌汁でした。高学年の子どもは何度もお代わりをして、お腹いっぱい満足げでした。
 食事の後の休憩時間は、部屋で絵を描きたい子やおしゃべりをしたい子、数人を残して体育室に集まり、激しい鬼ごっこが始まりました。とにかく元気に走り回る小学生に、大学生は初めはしり込みしていたものの、「一緒にやろうよ!」のことばに誘われ、靴下で滑る体育室を久々に駆け回っていたのでした。
 

■地元・西大道をリスペクトする俳句でポスター作成

  2日目の午後は、4つのグループに分かれて、「夢のまち西大道」「西大道じまん」「西大道あんなこと・こんなこと」「西大道でやってみたいこと」などをテーマに俳句を考え、まわりにイラストや絵を描いてポスターを作りました。各グループの中に大学生が入って、意見を出し合いながら進めました。
 自分たちの住む大好きなまちの良さを言葉にして、それをイメージした絵を描くという、子どもたちの想像力と創造力を駆使したプログラムは、間におしゃべりしたり走り回ったりを挟みながら進みました。そこに、大学生なりのアイデアやアドバイスを盛り込んで、2時間後、4枚のポスターが出来上がりました。中には、俳句では収まりきらず短歌になってしまいまったグループも!!最後はグループごとに発表して、この日の寺子屋塾は終了しました。

Volunch学生の「活動レポート」より

【8月6日(水)/1日目】

◾︎勉強のご褒美のカレーライス
昼食として、カレーライスが出ました。小学生全員がカレーライスを大喜びで食べており、中にはおかわりをしている子もいました。デザートも手作りだったので、とてもおいしく、地域の愛を感じました。みんなで元気よく「いただきます」「ごちそうさまでした」と言っていたことが印象的でした。(Volunch1年 L)

◾︎絵本の読み聞かせ
 午後の活動では、小学生が全員の前で絵本の読み聞かせをしてくれた。1年生の子も積極的に読み手になり、感情のこもった読み方でみんなを楽しませてくれた。また、恥ずかしがりながらも勇気をだして読み聞かせをしていた子も、終わった後には達成感があったようで、笑顔あふれる読み聞かせの時間になった。(Volunch2年 H)

 

    
 

【8月7日(木)/2日目】

◾︎想いを込めた西大道の俳句
2日目の午後は、班ごとに俳句作りをした。西大道がどんなところか、どんなところになってほしいかをみんなで想像して素敵な俳句を作った。俳句を作って大きな紙にイラストと合わせて描いて、班ごとに素敵なポスターを完成することができた。最後におやつとして手作りのカステラを食べた。とても美味しく、一日とても楽しくてさようならするのが少し寂しかった。(Volunch1年 F)

◾︎高学年の集中力
2日目午前中に担当した高学年のグループは、とても集中力があり、まじめに取り組んでいました。理科の問題で質問をされて、問題を見てみると結構小学生でも難しいものをやるのだなと思いました。直接答えを教えるのではなく、考えるプロセスを教えたら、自分で答えを導き出していたのでためになったのではないかと思います。(Volunch2年 F)

 

【8月8日(金)/3日目】

◾︎3日目の活動を通して
午前中の学習時間では、初めに1年生の班で勉強を教えることになったが、1年生の子が周りの子と話したり、違うことを始めてしまったりと、勉強を教えることが難しかった。次に、4年生の班に行くと1人で宿題を進めている子が多く、3つ学年が離れているだけで集中力に差があるのだと驚いた。
午後はバルーンアートを行ったが、終わるとき2日目に同じ班で活動していた6年生の子に声をかられ、その子が作ったバルーンを渡してくれてとても嬉しかった。そのあとの昔遊びや紙飛行機で遊ぶ時間でも、それまで交流のなかった子が、「一緒に紙飛行機で遊ぼう」と声をかけてくれて、とても嬉しかった。(Volunch1年 O)

◾︎心を開く瞬間の喜び
私が参加したのは最終日だったので、ほかの学生は子どもたちとすでに打ち解けており、子ども達も互いに打ち解けていました。そんな不安が多い中、「こっち来て!」と学習時間に話しかけてくれる子たちが多く心配などいりませんでした。しかし、ある子は私が話しかけても最初はうなずくだけで話をしてくれなかったので、どんどん話しかけました。少し時間がたった頃にようやく自分の話や、私の質問に文章で答えてくれるようになり、子どもと接する際の難しさや心を開いてくれた時の達成感を味わえました。(Volunch1年 N)
 

Volunch学生の「感想と学び」より

 ・今回の活動に参加する中で、小学生たちが勉強に対する疑問を提示した時に、「一緒に考える」ということを大切にしたいと考えていました。実際、漢字や算数がわからない子に対して、その子が持っている知識を元に、どうやって導き出せるかを一緒に考え、あくまで勉強の「補助」をするという自分の目標を達成することができました。しかし、勉強に飽きた子どもに対して、もう一回勉強に向き合ってもらうためにどうすれば良いのかがわからず、そのままにしてしまったことが反省点です。(Volunch1年 L)

・寺子屋塾開講中にケガや事故がなく安全に無事に終われたことが良かった。今年は猛暑で熱中症のリスクが高まっていたが、こまめな水分補給を呼びかけるなどして注意を払うことができていたことが良かった点であると言える。
一方で、学生側の反省としては町内会と学生の出欠連絡がうまくできていなかった点である。当日の参加希望者数に間違いがあった部分があり、昼食の準備をしていただく関係でご迷惑をおかけしてしまった。ボランティアとはいえ受け入れる側の準備もあることから、出欠連絡は正確に行う必要があった。(Volunch2年 H)

・3日間を通して、最初は遠慮してしまい接し方がわからなかったけど、少しずつ打ち解けていきました。小学生と同じ目線、同じ気持ちでお勉強をしたり鬼ごっこをしたり活動をしたりすることで、どんどん心の距離が近くなっていって仲良くなることができてとても嬉しかったです。(Volunch1年 F)

・良かったことは、絵をかくのが好きな子がいて、休み時間にみんながかけっこにいく中、その子と2人で絵しりとりをしたことです。自分から提案したので乗ってくれるか不安でしたが、楽しそうに遊んでくれたので嬉しかったです。私は弟や妹がおらず小さい子にどう接するかにも不安を抱えていましたが、子どもたちはフレンドリーで、向こうから話しかけてくれたり、遊びに誘ってくれたりと、たくさん関わることができました。(Volunch2年 F)

・2日目が寺子屋での初めての活動で、交流した子が少なく、馴染むことが難しかったので、積極的に声をかけて楽しく活動することを意識して3日目を迎えた。この意識を忘れることなく、積極的に声をかけ、休憩時間中の鬼ごっこにも参加することで、紙飛行機の遊びに小学生が誘ってくれたのだと思う。ボランティア活動では積極的な声掛けが不可欠であると感じた。(Volunch1年 O)

・普段は大学やバイト先で、同じような年代の人や自分よりも年上の人と関わる機会はあっても、自分より年の若い子どもたちと関わる機会はないのでどのように接すればよいか、どんな話をすればよいかとても悩みました。小学生のみんなは本当に元気で寺子屋の間中楽しそうに友達と遊んでいました。その姿にすごくパワーをもらい私が元気づけられました。来年も行ける機会があるのならば行きたいです。(Volunch1年 N) 

(ボランティア支援室コーディネーター 柳本 薫)  

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