フードロスについて考えてみる~もったいないを分かち合い「ありがとう」へ~
フードロス解消の取り組みの一環であるフードドライブに関わり、周囲の食糧問題について改めて考えよう
■日時:令和5年8月1日(火)、9月14日(木)、9:00~12:00
■場所:フードバンクかながわ 事業所
■主催団体:公益社団法人フードバンクかながわ
■ボランティア学生数延べ12名/8月1日:一般学生2名・Volunch3名(大塚、藤森、園川)、9月14日:一般学生5名・Volunch2名(横井、伊藤)
【ボラツアーについて】 ~学生たちへ気軽なボランティアの場を提供~
ボランティアに初めて参加する学生の不安を減らすためにVolunchが一緒にボランティア活動に参加する企画です。事前交流会と事後交流会を実施し、事前準備・振り返りといった一連のサポートを行うことでボランティア経験が少ない学生も安心してボランティア活動に取り組むことができるプログラムです。
【フードバンクかながわについて】
フードバンクとは、消費されるには十分安全であるにも関わらず廃棄されてしまう食料を個人や団体・企業から引き取り、支援を必要としている人々に配布する仕組みのことです。
■フードロスについて ~まだ食べられるのに捨ててしまう、そんな食品の有効活用~
まずはじめに職員の方から、神奈川県を中心にしたフードロスの現状についてレクチャーを受けました。日本のフードロスは非常に深刻で、令和2年のロス量は約522万tに及びました。そんな中、フードバンクかながわでは、この中から問題なく食べられるのに廃棄されてしまうような食品を有効活用し、困窮している人々へ支援を行っています。
実際に段ボールに詰められて運ばれてくる食品を見ると、一見お店で売っているものと殆ど遜色のないものばかりで、それらが廃棄されているという現状に心が痛むほどでした。
■作業体験へ ~私たちができること~
次に、食品の仕分け作業を行いました。フードバンクかながわへは、フードドライブなどを通じて、様々な種類の食品が運ばれてきます。その食品を、賞味期限が問題ないか確認したのち、「主食」「副食」「嗜好品」「飲み物」に分別し、重さと数量を記録して、賞味期限毎に棚に置いていきます。時々職員さんでもどのジャンルか迷ってしまうような食品が紛れていることがあったり、食品が重く肉体的に辛い場面があったりと、単純作業のひとことでは片づけられない仕事でした。また、届けられたお米を再精米し、計量器を使って袋詰めする作業も行いました。
■レクチャーと作業体験を通して~フードロスと私たちの生活について考える~
今回のボラツアーを通してフードロスの現状を改めて学ぶとともに、フードロスを削減して食支援につなげる取り組みを知ることができました。ただ言われた通りに作業するのではなく問題についての現状を知り、その後にそれに携わることができるこのボランティア体験は、非常に貴重な体験になりました。
そして、想像よりも多くの食品が寄附されており、特に毎日菓子パンが運ばれてくることに驚きました。精米機や冷凍庫など寄附による設備が多くあることを知り、多くの支えやつながりがあって必要としている人への食支援の仕組みが成り立っていることもわかりました。食品の仕分けや米の袋詰めの説明を聞くなかで、フードバンクかながわさんが食品を受け取る側の人々のことを考えているのを感じました。
普通に暮らしているだけではなかなか意識する機会の少ないフードロスについて、このボランティアを行うことで改めて見つめ直すことができるようになりました。ただ仕分け作業をして終わるのではなく、今後の自分の生活を正すきっかけになりうるボランティアでした。
(Voluinch3年 横井日向、1年 園川小寿恵)
■学生の感想・コメント
・もともとフードロスのことには興味があり知識も持っていると思っていたが、実際のフードバンクの現場を見てみると、食品の仕分け作業など自分のイメージとは違った部分が多くあり驚いた。そうした生の現場の様子を知ることができてよかった。
・初めてのボランティアだったが、やってみてよかったと思った。
・フードロスについて、自分の目で見て問題を認識することのできる貴重な機会だった。実際に食品を仕分けしてロス品の多さに驚き、大変な作業だと感じた。
・今までは自分が食べ残しをしなければフードロスは発生しないと考えていたが、それだけでは考えが甘いことに気付かされた。日本の物流の仕組みにより、海外と比べてフードロスが発生しやすくなっており、消費者が知らないだけで、未着手の食品がたくさん捨てられている。知らないというだけでフードロスがないとみなしがちだが、現状を知らないことは、フードロスがないというわけではないと学んだ。
・普段は大学のフードロス品をもらう立場だったが、その裏側を垣間見たことによって、視野が広がったと思う。これからも食品は無駄にしないように気を付けるとともに、フードロスについて関心を持ち続けたい。
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