Volunteer Support Officeボランティア支援室
search

医学部YDCによる「横浜市立南高等学校附属中学校訪問授業」レポート

中学生に向けた医療教育と、医学部生の日常を伝える授業

■日時:令和7年12月22日(月)
■場所:横浜市立南高等学校附属中学校
■主催団体:医学部YDC(Yokohama Dream Catchers)
■ボランティア学生数:医学部YDCメンバー11名
■イベントの規模:中学2年生4クラス対象(各クラス40名)
 

■YDCが長年にわたり行っている活動

  2010年から横浜市内の小中学校で訪問授業を行い、正しい医療知識を広める活動を続けている医学部の学生団体「医学部YDC(Yokohama Dream Catchers)」。2025年度は、3つの小中学校での訪問授業のほか、金沢消防署と連携して2回実施した「医療体験教室」や、本学主催のエクステンション講座「一日医学部体験」、また高齢者向けの防災・健康講座なども行い、対象年齢も活動内容も広がっています。
    現在メンバーは80名ほどいるものの、医学部生は授業時間も多く実習等があるため、小中学校の授業期間に合わせて日程調整をするのがなかなか難しいという課題があります。その中で長年継続して活動を続けてこられたのは、学生たちの強い目的意識によるもので、2025年3月には厚生労働省より「第6回上手な医療のかかり方アワード 厚生労働大臣賞 最優秀賞」を受賞しました。

■今年度3校目となった横浜市立南高等学校附属中学校への訪問授業

 2025年12月22日(月)は、横浜市立南高等学校附属中学校で訪問授業を行いました。今年度の授業は横浜市立永谷小学校、フェリス女学院大学附属中学校に続き3校目です。対象は2年生の4クラス(各クラス40人)。メンバーは2グループに分かれて1限目に2クラス、2限目にも2クラスを同時進行で進めました。
    もともとは2010年に小学生を対象に活動を始めましたが、年々活動が広がって最近は中学校での授業も多くなったため、小学生向けのプログラムを中学生向けにブラッシュアップしてきました。また、学校によって入る授業が総合の時間、理科、保健と様々なため、それぞれの学校の希望や季節に合わせた内容に変更しながら実施しています。
 

■医療従事者を目指す子どもたちを増やしたい!

 毎回、医療に関する授業の前にYDCが必ず行っているのは「なぜ自分が医学部を目指したか?」という内容でメンバーが語る、医療職をめざす自己紹介や、実際に医学部で何を学んでいるかを伝えるキャリア教育のプログラムです。この部分は児童や生徒が毎回とても興味を持って聞いてくれる内容です。「はたらく細胞という漫画を見て生物に関心をもち、そこから医療に興味を持った」という例や、「医学部では、新しい治療法についての研究や、どんな異常があると人はどうなるのか、などを知る勉強をしている」等々、さまざまな思いや実体験を紹介すると、生徒たちはみな食い入るように話に耳を傾けていました。実際、終了後のアンケートでは、必ず1クラスに3~4名は「医学部を目指したい」という児童や生徒がいるそうです。そんな子どもたちのために「医学部を目指すために中学校ではこんな勉強や生活をしておくといい」といったアドバイスを話すメンバーもいました。

■「体験」を取り入れて、いざというとき現場で“使える”医療知識を!

 YDCの授業の大きな特徴は、プログラムの中に必ず「体験」の時間を取り入れていることです。血圧測定だったり聴診、心肺蘇生法としての胸骨圧迫やAEDの使用法だったり様々ですが、授業が一番盛り上がる時間です。40分授業だったこの日は、問診のロールプレイングを通して「医師の仕事を体験してみよう!」という内容で、体験学習をしてもらいました。「問診」は、医師の仕事の重要な部分を占めます。医師は患者さんに何を聞かないといけないか、患者は医師に何を伝えなければいけないかを確認してから、2人1組で医師と患者になって、ロールプレイングを行いました。
 医師は問診を通して、患者の“主訴”を把握していきますが、そのための方法として「OPQRST」(※)を確認しなければいけないことが、生徒たちにわかりやすい言葉で伝えられました。この6つが聞けたら、次は「かきくけこ・さしすせそ」に従って、家族と自分の既往症歴、飲んでいる薬や健康診断の結果、海外渡航経験、酒やタバコなどの食生活の習慣、仕事、アレルギーなどを聞きとります。
 こういったマニュアルをもとに、お互いに患者と医師の役を交代しながらロールプレイし、その間学生はグループを回って、声がけを行いました。
 最後に「問診」の大切さを改めてまとめ、生徒たちには、患者として自分の症状や状況を分かりやすい言葉で医師に伝えることが、より正確な診察につながるということをしっかりと伝えて、この日の授業は終わりました。
 短い時間でしたが、終了後には質問に来る生徒もおり、一人ひとりに丁寧に対応している姿が印象的でした。

(コーディネーター・柳本 薫)


※「OPQRST」:「O=onset(いつから、どのように始まったのか)」「P=Provocative/Palliative(悪化させる要因や和らげる要因)」「Q=Quality(痛みの感じかた)」「R=Region/Radiation(患者は最初に訴えない症状だが疑っている病気がある場合には、その病気で想定される症状)」「S=Severity(痛みの強さ)」「T=Time course(良くなってきている、悪くなっているなど病状の大きな流れ)」
 

レポート一覧