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2024ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会レポート

2024.09.17

オリンピック出場直前の選手もサポート!貴重な体験の機会に

選手を対象とした活動と、来場者を対象とした活動、それぞれに学びがあった大会

■日時:令和6年5月11日(土)、5月12日(日)
■場所:横浜市中区・山下公園周辺
■主催団体:世界トライアスロンシリーズ横浜大会組織委員会事務局
■ボランティア学生数:
・11日(土)エリート/アスリートラウンジ&フィニッシュエイド対応8名、インフォメーション5名
・12日(日)エイジ/選手受付&メダルセレモニー選手招集4名、インフォメーション3名
・延べ20名
■イベントの規模:2日間で観戦者延べ約49万人、11日のエリート大会では、37の国と地域からエリートパラ80名、エリート120名が参加、12日のエイジ大会では、全国から1,427名の方が参加

 

■昨年の33万人を大きく上回る49万人の観戦者が見守った大会

2024年の「ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会」は、2023年を大きく上回る49万人が熱い戦いを観戦しました。今大会は7月にパリ2024夏季オリンピックを控えており、その出場を目指す選手にとってはポイント獲得対象大会と位置付けられていたこともあって、トップレベルの選手による熾烈な戦いが繰り広げられました。

   日本からは、エリート男子がニナー賢治、北條巧、小田倉真ら6選手、エリート女子は高橋侑子、佐藤優香ら5選手、パラ男子は宇田秀生ら5選手、パラ女子は秦由加子、谷真海の2選手が出場し、エリート男子ではニナー賢治選手が7位と自己ベストを更新する健闘を見せました。
   その後の代表選手選考で、エリート男子はニナー賢治選手、小田倉真選手、エリート女子は高橋侑子選手がパリ・オリンピック行きを決めました。またパラトライアスロンでは、運動機能障害クラスの秦由加子選手と車いすクラスの木村潤平選手が選ばれています。

   今回ボランティアとして参加した学生にとっては、オリンピック出場枠を争う緊迫した戦いを目の当たりにすることができたことも、貴重な経験となりました。
13名の学生が活動した、11日(土)のエリート大会をレポートします。
 

■熾烈な戦いとなったエリートでは、世界で戦う選手をサポート

<アスリートラウンジ&フィニッシュエイド>
   「アスリートラウンジとフィニッシュエイド」では受付時の選手への案内やフィニッシュ後のチップの取り外しなど英語を使っての対応もあるため、募集時には「外国語対応あり」と明記し、「ぜひ英語を使ってボランティアがしたい」と希望する学生が参加しました。こういった英語を使っての通訳的な活動は、市大生にはとても人気です。

   アスリートラウンジでは、各カテゴリーのスタート前の時間帯が活動のピークとなります。海外の選手から質問を受けることも多々あり、それぞれ英語で回答・案内する場面も多く、ボランティア参加学生はそれを楽しんでいたようです。そのほかにドリンクの補充や清掃も行いました。

   フィニッシュエイドやリカバリーエリアでは、競技を終えた選手が戻って来た時に、計測用のチップを外す作業やドリンクを渡すなどの対応、また引き上げた選手の残したドリンクボトルの片付けや清掃などを行いました。
   競技が終わって引き上げてくる選手は悲喜こもごも。体力を消耗しきった選手もいるし、歓喜にあふれた選手もいます。中には一人涙する選手も。そんな選手それぞれの状況を的確に判断し、何も言わずにドリンクを渡したり、拍手をして迎え入れたりと、狭いテントの中で繰り広げられるさまざまなドラマに触れる活動でした。
 

■来場者・観覧者へのインフォメーション活動

<インフォメーション>
   「インフォメーション」に参加した学生は、主に来場者・観覧者に向けたアンケートの依頼と回収を担当しました。こちらは山下公園内と赤レンガ倉庫周辺の2か所で、それぞれ2~3名のチームになって、100名を目標に紙で記入するアンケートをお願いして、お礼の品を渡す、という活動です。学生たちからは
「なかなか回答してくれる人がいなくて大変でした。でも、みんなで協力して目標の100人には答えてもらえたので良かったです」という声もあり、競技に直接関わる活動ではなかったものの、自分たちなりの目標を定めて力を合わせ、それぞれが達成感を得られたようです。ボランティア活動では、このように現場で自分たちなりに考えて活動を楽しむ工夫も必要です。

   このような大きな大会ではボランティアやスタッフなど、大会を支える多くの方が関わっています。インフォメーションの活動では、おしゃべりの合間に、そういった方たちから、いろいろなボランティアの経験談などの話を聞く機会もあったようです。

   また華やかな大会の裏方として活動するスタッフの姿を間近で目にして、瞬時の状況判断や臨機応変な動きが大切であることも感じたようです。「世界トライアスロン・パラトライアスロン横浜大会」は毎年ゴールデンウィーク明けに開催されるため、1年生の参加が多いのですが、ボランティアが初めてという学生にとってはとても刺激的で、大きな学びとなったのではないでしょうか?

■学生の感想から

「海外のトップアスリートと直接お話しすることができて貴重かつとても楽しかったです。また小中学生とも一緒にボランティアすることができて、新鮮でした」

「選手ラウンジでは実際に英語を用いてコミュニケーションをとることで、英語だけできても意味がないことに気が付きました。アイコンタクトも用いて、困っていそうな人には積極的に声をかけに行くことが大事だと実感させられる体験でした。選手受付ではこれから競技を行う人の緊張を和らげるためにあいさつや会話をすることを意識しました」

「昨年に引き続き2回目の参加だったが、今回はフィニッシュ後ということで、選手によっては結果が残せず悔しい気持ちでエイドに戻って来たり、周りの選手と交流していることもあったが、臨機応変に対応することができた。困っている選手やスタッフに対して積極的に声をかけて質問対応できたことが去年よりも成長できたところだと感じた。また、同じボランティアの職員さんとの交流も通じて、ボランティアの面白さや様々なご経験について触れることができ、本大会を通じて選手を支えるだけに留まらず知見を広げることができたのがいい経験になった」

「思っていたインフォメーションの仕事とは違い、アンケート依頼が中心でした。なかなか回答してくれる人がいなくて大変でした。でも、みんなで協力して目標の100人には答えてもらえたので良かったです。また、インフォメーションには一般のボランティアの方もいらっしゃったので、東京オリンピックのボランティアのことや自身の海外経験なども聞くことができ、私も刺激をもらいました。ボランティア活動は新しい人との出会いがあるのですごく楽しいものだと改めて感じました」

「国際的な大きな大会に貢献できたことが嬉しかった。特に選手を大きな声で応援している様子を見た時は、応援される側とする側がお互いに背負い背負われているのだと感じ、人の暖かさを感じた。今回はアンケート収集で大会の中心的な運営ができなかったから、英語力を伸ばして来年は英語で案内をする班に入りたい」

「今回は、横浜で行われたワールドトライアスロンの大会会場で、大会観戦者へのアンケート調査のお願い、および観光客への大会周知のボランティアを行いました。アンケートをお願いして断られても仕方ないと考えていましたが、実際断られたときかなり食らってしまい、以降応えてくれそうな人を慎重に選ぶようになってしまいました。しかしながら、同じ場所で活動した女子の頑張りのおかげもあり思いのほか早く、目標であった50人分の回答回収を達成することができました」

<参考>オリンピックの結果について

パリ2024オリンピック・パラリンピックに出場した日本人選手の結果は以下の通りでした。

【パリ2024オリンピック/トライアスロン】
●女子個人
高橋侑子選手 40位
●男子個人
ニナー賢治選手 15位
小田倉真選手 41位

【パリ2024パラリンピック/パラトライアスロン】
●女子運動機能障害クラス(PTS2)
秦由加子選手 9位
●男子車いすクラス男子(PTWC)
木村潤平選手 8位
●男子運動機能障害クラス(PTS4)
宇田秀生選手 12位 ※招待枠、東京2020パラリンピック銀メダリスト
●男子視覚障害クラス(PTVI)
米岡聡選手 11位 ※招待枠、東京2020パラリンピック銅メダリスト
                      ボランティア支援室コーディネーター 柳本

 
    
 

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