小雨模様のスタート後、天候回復! 大声を出しての声援も解禁され、 ランナーもボランティアも笑顔満載の大会に!
■日時:令和5年10月29日(日)、7:50~13:00
■場所:給水/第9給水所 高速杉田上り口付近、救護/第8救護所 南部市場ブロック、給水パフォーマンス/第11給水所 首都高湾岸線杉田入口付近(応援団チアリーダ部、ピアノ会)
■主催団体:横浜マラソン組織委員会
■ボランティア学生数:給水ボランティア/28名、救護ボランティア/9名、給水パフォーマンス/21名(届け出済)
■イベントの規模:出走者2万2904人、沿道応援者47.1万人、ボランティア等スタッフ5,445人
高速上り口直前の第9給水所で、約2万2千人のランナーに「給食」を配布
新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年は大会自体が中止。2021年はオンラインマラソンという形の開催でボランティア活動はなし。2022年は感染対策をしながらの実施となり大声は出せず、拍手のみ送りながら第8給水所(南部市場給水所)で、スポーツドリンクの配布を担当しました。
4年ぶりに以前のにぎわいが戻り、約47.1 万⼈が沿道から声援を送った2023大会での本学の一般ボランティアは、折り返し直後、高速上り口直前の第9給水所での給食配布でした。28名の学生ボランティアが2グループに分かれて、声を限りの応援と給食配布で、参加ランナーの皆さん約2万2千 ⼈をサポートしました。
■学生リーダー・サブリーダーの指名
第9給水所は高速道路上り口直前ということもあり道幅も狭く、8時半の一斉交通規制前は交通量も多く、多人数での移動や準備には危険が伴うことが懸念されました。また集合場所から現地までの道順も確認できない部分が多かったのですが、事前の打ち合わせのおかげで、当日の集合から現地までの移動や会場の準備はとてもスムーズに進みました。
■山越え(高速)直前の腹ごしらえをサポート
当日開始前の準備は、トレーに11個×5列びっしり並んだ「一口おにぎり(当日現場で酢飯だということが判明)」を、そのままだと取りづらいので1個ずつ歯抜けにし、抜いたものは別のトレーに並べる、というもの。2班それぞれ大量のおにぎりの並べ替え作業のほか、おにぎり以外の給食(チョコレート、カリフォルニアレーズン、やわらか梅など)を取りやすいように箱に入れ替える作業やゴミ箱を設置する作業等、皆で協力しながら進めることができました。
■ボリュームゾーンの通過中は休む間もなく対応
また第9給水所の第2班は、ラッキー給食(※)の対応があるということが当日朝に知らされ、指定時間の11時からなくなるまでの約10分間、ラッキー給食「横濱煉瓦プチ(チョコレート菓子)」の配布に対応しました。この間は特に、2班のブースにラッキー給食を求めるランナーが集中的に集まったため、とても忙しい時間帯となりました。
※ラッキー給食…すべてのランナーに提供することを想定した定番の給食メニュー(飴、梅干しなど)に加え、ランナーの皆様に楽しみながらゴールを目指していただくため、地元横浜・神奈川の食品を中心に、どこの給水所で何が食べられるかは当日のお楽しみ!食べられたらラッキー!と思える給食。
■ランナーの皆さんとの“一瞬の交流”で得る喜びを実感
最初のランナーの到達から最終ランナーの通過まで、時間にして約2時間半の活動でしたが、その間は凝縮された濃い時間でした。参加した学生の応援のことばを拾ってみると
「この先首都高への坂になります!」
「あと半分頑張ってください!(第9給水所は折り返し直後だったため)」
「おにぎりでパワーつけてください!」
「ラッキー給食出ました!ラッキーな皆さん、ぜひお取り下さい!」
など、ランナーの方々の熱気とパワーに精一杯応えていました。
終了後には
「給食を担当していると、ランナーの方から『ありがとう』『頑張っているね』『いい笑顔だね』という言葉をいただくことも多く、こちらも嬉しくなりました。声が枯れるくらい応援し、全て終わるころには達成感と満足感を味わうことができました」
「想像以上にランナーの方が食べてくれて嬉しかった。受け取ってくれる際に『ありがとう』『いただきます』のように一言かけてくれて、やりがいになった。応援の声にもやる気が入って楽しく活動できたので良かった」
「頑張っている人を見ていたら自分も応援したくなり、自分にとっても良い刺激となりました。改めて『ありがとう』の言葉がこんなにも嬉しいものなのかと実感することができました」
といった感想が寄せられています。
一人のランナーの方とは一瞬の交流でしたが、約2万2千人という大勢の方と間近で接するという機会はそうそうないもの。ランナーの方たちの目標に向かって挑戦する気持ちと、それを応援する観客やボランティアの皆さんの温かい気持ちにあふれた給水所での活動は、参加した皆にとってかけがえのない爽やかな達成感をもたらしてくれたようです。
■第8救護所南部市場ブロック「FR隊」活動ボランティア
「横浜マラソン2023」の救護ボランティアには、医学部の学生9名が「FR隊」として参加しました。「FR隊(First Responder=初期対応者)」とは、災害や事故が起こった時に、負傷者に対して最初に応急処置などをする人のことで、基本的には救急車などが到着するまでに救急の措置を行う救急隊員などを指します。
今回は折り返し地点の第8救護所付近の沿道に立ち、目視で要援助者や傷病者がいないか確認しながら、緊急の場合は無線連絡や胸骨圧迫などの対応をする、というもので、約2万2千人のランナーをしっかりと見守っていなければいけない、緊張感のある活動です。この活動は発動の場面がないに越したことがないので、ある意味「〇〇を成し遂げた!」という達成感を感じることは少なかったかもしれません。しかし、命を守る第一線での活動であり、スポーツ大会にはなくてはならないボランティアです。
市内唯一医学部のある本学の「救護ボランティア」は、事務局からも期待されています。ぜひ来年も、多くの医学生に参加してもらえればと思っています。
以下に、活動に参加した学生の感想を紹介しておきます。
「今回、スポーツ大会の救護ボランティアを初めて経験しました。今まで医学部で学んできた知識を活かしながら、社会に貢献できるような活動を何かしたいと考えていたところ、ちょうど横浜マラソンの救護ボランティアの募集があったので、応募しました。
当日は、必要な場面では医学生としてのスキルを発揮して適切な対応ができるように心の準備をした上で臨みました。結果的には、心肺蘇生を実施する場面には遭遇せず、コースを駆け抜けていくランナーの皆さんを温かく見守っている時間がほとんどで、自分の担当した範囲内では何事もなく、無事に活動を終えることができて良かったと思います。
今後も、医学生だからこそ務めることができるようなボランティアがあれば活動したいと思いましたし、大学卒業後もボランティアをするチャンスがあれば積極的に参加していきたいと思いました」【医学部医学科5年生】
「普段講義室で学んでいる内容と臨床の現場で必要とされる知識が必ずしも直結しないことを学びました。ランナーの方が足つりによって痛がっているとき、自分にできたのはそばによってひたすら声をかけることとチーム隊長が来るのを待つことでした。
自分がもっと勉強していれば、もっと臨床現場に即した学修方法をとっていれば、など様々なことを考えました。しかし今後どのように活かせるのか考え、次に同じ場面に遭遇した時同じ思いをしないように努力しようと決意させてくれるには、非常に有意義な経験でした。
足つりであったために、致死的な病態にはならず、問題なくその場を過ごしたものの、CPAなどの場面に遭遇したとき自分は動揺することなく行動できていただろうかと考えると、できるとは断言できないような気がします。この心持ちを忘れず、卒業時には自信を持って駆け付けられる人間になろうと強く思いました」【医学部医学科3年生】
給水所も救護所も、沿道でのボランティア活動はランナーが通過してしまえば終了となり、その後は“つわものどもが夢のあと”といった閑散とした風景に戻ります。帰路は少し物寂しく感じることがあるかもしれませんが、その分活動中は集中力が必要とされ、快い疲れを感じることができます。
来年は、どこの担当になるか、また楽しみにしたいと思います。
(ボランティア支援室コーディネーター 柳本)