Volunteer Support Officeボランティア支援室
search

2023ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会レポート

不安定な天候の中、多くの外国人選手をサポートし、交流を体験!

競技を見るだけではわからない、選手同士のやり取りや選手からのやさしい言葉かけなど濃密な時間を共有できる活動

■日時:令和5年5月13日(土)、5月14日(日)
■場所:横浜市中区・山下公園周辺
■主催団体:ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会組織委員会
■ボランティア学生数:
11日(木)パラバイクサポート/4名、
13日(土)エリート・アスリートラウンジ/5名、フィニッシュエイド/10名、
14日(日)エイジ・選手受付&チラシ配布/15名、延べ34名
■イベントの規模:
2日間で延べ約33万人、エリート大会/32の国と地域からエリートパラ70名(男子43名・女子27名)、エリート120名(男子60名・女子60名)、14日のエイジ大会では、約1,700人

■延べ33万人が来場した久々の大型大会

2023年の「ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会」は、2022年に続き、有観客で開催されました。新型コロナウイルス感染症が5類に移行された直後の大会ということもあり、あいにくの天候だったものの、2日間で延べ33万人の来場者があり(大会事務局発表)、にぎやかなイベントとなりました。

 13日(土)のエリート大会では、エリートパラ70名(男子43名・女子27名)、エリート120名(男子60名・女子60名)のトップアスリートが参加し、また翌14日(日)のエイジ大会では約1700名の選手が自らの限界に挑戦しました。

 本学では2015年のボランティア支援室設立の年から大会ボランティアの依頼を受けるようになり、今大会で8回目の活動となっています(中止となった2020年は除く)。

 今年は11日(木)事前練習時の「パラバイクのサポート(4名)」、13日(土)のエリートでの「アスリートラウンジでの語学対応(5名)」「フィニッシュエイド(10名)」、14日(日)のエイジでの「選手受付&チラシ配布(15名)」と、延べ34名が活動してきました。

■エリートでの活動

13日(土)のエリートは2023年世界トライアスロンシリーズの第2戦で、オリンピックを目指す世界トップクラスの選手が集まる大会です。競技は、エリートパラトライアスロン、エリート女子、エリート男子の3つが順番に行われました。早朝のパラの選手対応では、車いすの選手には目線を下げて話しかける、視覚障害のある選手にはより具体的に説明するなど、コミュニケーションにも、よりきめ細やかな対応が必要とされました。

■アスリートラウンジ

 アスリートラウンジは、世界各国から来日した選手が競技前最初に集まる場所です。ボランティアの学生は、選手の受付やさまざまな案内・質問対応、スタートに向けてウォーミングアップをする選手のサポート、ドリンクの提供や補充などを行いました。競技前ということもあり緊張している選手もいる中での活動ということで、学生も最初は少し緊張気味でしたが、さまざまな場面で選手と接する機会があり、「やりがいしかないです!参加してよかった!」と語る学生も。
 選手の動きや、サポートを必要としている人がいないか目を配り、機敏に積極的に動くことも必要とされる活動でした。

■フィニッシュエリア

 一方フィニッシュエリアでの活動は、アスリートラウンジに置かれていた、レースに出場中の選手の荷物をすべてフィニッシュエリアに移動する、という作業から始まりました。レースを終えて帰ってくる選手にタオルやドリンクを渡し、計測チップを外す役目でしたが、中には悔しさから涙する選手や、レース中にケガをした選手などもおり、悲喜こもごもの世界です。声をかけるタイミングを計ったり、体を気遣ったりと、学生にもセンシティブな対応が求められる現場でした。一方、達成感と喜びにあふれている選手とは一緒に喜び合い、ねぎらいの言葉をかける場面や、選手からも感謝の言葉をかけられる場面も多くあったようです。

 昼前には、市内の小学生サポーター(エイドキッズ)も一緒に活動する時間があり、お兄さん・お姉さんとして、子どもたちに活動内容を伝えたり、質問に答えたりと、選手相手の緊張感から少し解き放たれて、楽しくおしゃべりを楽しんでいました。

 この日は天候が不安定で、途中バケツをひっくり返したような豪雨になり、滝のような雨水がテント内の支柱を伝って流れてきて、慌てて選手の荷物を移動する場面も。そんな中でもレースを続ける選手に、ボランティアの学生は皆、驚きと称賛の声を送っていました。

■エイジの受付

 翌14日(日)は雨もやみ、折しも季節は横浜市花であるバラの見ごろの5月。公園内では「横浜ローズウィーク2023」が開催中ということもあり、約1700名のエイジの選手やその家族はもちろん、一般の市民の方々も含めて、山下公園は多くの人であふれていました。
 この日参加したボランティア15名は、エイジ選手の受付(スマホによるチェックイン)をメインに、健康チェックシートの受け取りや、競技参加の手順のお知らせなど、受付テント内に分散して立ち、活動しました。受付は朝6時から年齢ごと(第1から第10ウェーブ)に時間を分けて行われ、10時に終了しました。その後受付テント内を片づけて、ボランティアはいったん解散し、13時20分の再集合まで自由時間となりました。

 大会の2日間は、象の鼻パークで「ハマトラFES」というイベントが行われており、トライアスロン関連、その他スポーツ関連のブースやフードブース、14日(日)にはステージイベントもありました。ボランティア学生の中にはこれらのフードブースで腹ごしらえした学生もいたようです。

■午後はチラシ配布を

 再集合後の午後の活動は、当初メダルセレモニーのサポートが予定されていましたが、急遽大会アンケートのチラシ配布と来場者カウントに変更になりました。学生は少し残念な思いもあったようですが、エリアごとに数人のグループになって、公園内にいる方々に向けてチラシの配布活動及び園内の道行く人のカウント作業を行いました。
 このようにボランティアの活動では、急に予定が変更になることもあります。そんな時でもすぐに頭を切り替えて、必要とされる活動に柔軟に対応することは、ボランティアに求められる大切な行動です。特に大きなイベントでは、スタッフも各所に散らばっているので情報伝達が遅れることもありますが、時間は待ってくれず、どんどんプログラムが進んでいきます。その中で「今、何が必要でどこに人が足りないか」という状況を咄嗟に判断して、率先して動くことは、全体を俯瞰してみることにもつながり、イベント運営をスムーズに進めるためにとても大切な行動です。

 またチラシ配布ひとつをとっても、どこに行けばもらってくれるか、どのように声掛けして渡せば多くの人がもらってくれるか等、一つひとつ考えながら活動することが必要とされます。今回参加した学生は、こういった多くのことを学んだのではないでしょうか。

 この経験と学びが、彼らの今後の学生生活やキャリアの選択にも活かされていくことを願っています。
    
ボランティア支援室コーディネーター 柳本

■学生の感想・コメント

<アスリートラウンジ>

  • 普段自分は関わることがないような国の人と接することができた。
  • 午前中のパラの選手が普段見ることない特殊な車いすを使っていて(看護学科でもあるので)、それをお手伝いできたことが貴重な経験だったと思う。
  • この活動を機に、オリンピックやパラリンピックなどのスポーツを通した、英語を使った仕事にも興味を持つことができ、将来のキャリアの選択肢を広げるチャンスにもなって、とても有意義だった。

<フィニッシュエリア>

  • 選手は素晴らしかった。自分もこれからもまた、社会に貢献できること、ボランティアをやりたい。
  • 初め言葉が通じるか心配だったが、話しかけたらニコっと笑ってくれて「サンキュー!」と言ってくれたのがすごくうれしくて楽しかった。
  • 目の前に憔悴し切って落ち込んでいる選手がいた時、何も声をかけられなかったが、周りの選手やサポーターの人が肩を抱いたり、励ましたりしていたのをみて、あらためて『スポーツマンシップ』という言葉の意味を知った。試合中は競争相手でも、試合が終われば同じ競技に取り組む仲間なのだと、実際に選手たちの交流を見て感じた。
  • 海外の選手に話しかける時、日本語では簡単でもいざとなると英語が出てこなくなるため、もっと英語を勉強しようと思った。また、疲れた選手への労いの英語表現なども事前に調べておくべきだと思った。

<エイジ受付>

  • 自分の語学力の低さを痛感した。いざ海外の方を目の前にすると言葉が単語でしか出てこず、ジェスチャーで伝えることが多々あった。もっと自信をもって話すためにも、勉強を怠らずに継続していきたい。
  • 多くの外国の方が参加する大会だったので質問や要望を受けることがあったが、英語で話すことに集中し過ぎて笑顔で対応することができていなかったと思う。
  • 競技の細かい知識が必要な質問をされた時戸惑ってしまうかもしれないので、事前に渡される資料はしっかりと目を通しておくことが重要だと思った。
 

レポート一覧