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TABLE FOR TWO 横浜市立大学支部による第1回学内&学外フードドライブ実施レポート

フードドライブにもっていこう!

■日程:
・学内フードドライブ活動/5月16日(月)~20日(金)、9:00~16:30
・学外フードドライブ活動/5月21日 (土)・5月29日(日)、9:30~16:45
・配布食品検品作業/5月31日(火)、16:30~17:00
・学生に向けた食品配布/6月2日(木)、12:00~12:50

■場所:
・学内フードドライブ活動/YCUスクエア1階ボランティア支援室前、シーガル食堂前
・学外フードドライブ活動/金沢地区センター
・配布食品検品作業/YCUスクエアS27
・学生に向けた食品配布/YCUスクエアS21

■活動団体:TABLE FOR TWO 横浜市立大学支部
(活動メンバー:大津映未、平田桃夕、田中杏菜、矢澤由奈、森山沙耶)

■イベントの規模:
・学内フードドライブ活動/回収協力者合計10名ほど
・学外フードドライブ活動/回収協力者合計9組ほど
・学生に向けた食品配布/事前のGoogle Forms回答者87名、当日受け取りに来られた方40名
(内訳:1年生25名、2年生7名、3年生4名、大学院生3名)

フードドライブのSNS宣伝ポスター(左)学内用(右)学外用

◆ご自宅に眠っている、使い切れない未開封の食品を、必要としている学生に寄附する活動

 私たち、TABLE FOR TWO 横浜市立大学支部(以下「TFT」という。)は、令和3年度10月に実施した「学内フードドライブ活動」をベースに、前回の反省点を踏まえて、再度自宅に眠る食品の回収を学生と地域の方々に呼びかけ、「市大生向けフードドライブ」を行いました。一人暮らしの横市生を対象とした「食の支援」と、横市生間の「食の不均衡」の解消や健康と生活維持、フードロス問題の認知向上に繋げることが目的です。また、生活費等保護者側の負担軽減、学生の学業専念にも貢献できると考えました。

 今回は地域でも実施し、「地域全体での食の支援」というムーブメントを起こすきっかけ作りにもなればと思いました。広報活動にも力を入れ、地域の施設にもご協力をいただきました。

◆学内での「フードドライブ」活動

 5月16日(月)~20日(金)の計5日間、YCUスクエアとシーガル食堂で行ったフードドライブの経過は、以下の通りです。

・5月16日(月):食用油や備蓄用カレーなどの寄附をいただく
・5月17日(火):食品は集まらず
・5月18日(水):缶詰や蕎麦などの寄附をいただく
・5月19日(木):理事長先生を初めとする教職員の方々から袋麺など大量の食品をいただく
・5月20日(金):菓子類・エナジードリンク等の寄附をいただく

(左)理事長からの寄附(右)学内で集まった食品の一部
  今回の学内フードドライブでは、初日から食品を寄附していただき、好調なスタートを切ることができました。メンバー同士の連携をしっかりとった活動ができ、SNSを通じた情報発信を絶やさず行えたことが良かった点です。
 また、気付いた点・反省点としては、前回同様教職員の方々の協力がとても大きかったのですが、この活動の第一の目的として、横市生間の「食の不均衡」解消を掲げていたため、もう少し学生からの協力を募りたいところでした。

 事前の告知は1週間前からSNS等の発信を開始しました。しかしそもそもSNSの規模が大きくないため、多くの方に活動を認知してもらうにはあまり効果が期待できない可能性があるので、今後SNSの規模を拡大する、もしくは他の宣伝方法を考案する必要があると感じています。
 構内複数個所に掲示したポスターはできるだけ目立つ場所を選んだつもりでしたが、その効果は確かめられていません。今後「フードドライブ活動の宣伝ポスターを見たか」というアンケートを学生に実施するのもひとつの方法かもしれません。また、大学のHPを活用できるのであれば、活用したいと思います。

 前回は、YCUスクエアのみで実施して思うように集まらなかったため、今回はシーガル食堂でもお昼の時間帯に実施したのですが、残念ながら食品は集まりませんでした。実施場所の数はあまり関係なく、認知度の問題である可能性が考えられます。実施場所を増やすことはメンバーの移動も伴い負担が大きいので、今後の検討材料にしたいと思います。
 また、10分の休み時間もメンバーを配置したのですが、これも時間割の都合上厳しかったので、今後は配置時間や人数も検討しながら考えていきたいと思います。
学外で集まった食品の一部

◆学外での「フードドライブ」活動

 5月21日(土)と29日(日)の2日間実施しました。経過は以下の通りです。

・5月21日(土):地区センターの職員の皆さまと地域の方お一人にご協力いただいた
・5月29日(日):地区センター館長さん、地域の方約6組にご協力いただいた

 学外での実施は今回初の試みで、金沢地区センターへのアポイントメントなど大変なことも多かったのですが、TFT側の意見を尊重していただくとともに当日も活動が円滑にできるよう備品等のご協力をしていただきました。この活動を通して地区センターとのコネクションを作れたことは大きな収穫でした。

 
 事前の広報活動としては、作成したポスターを金沢八景キャンパス地域貢献センター(いちょうの館)のほか、金沢地区センター、六浦中学校、六浦東町内会掲示板、金沢商工会議所、金沢区社会福祉協議会に掲示していただきました。また、チラシは六浦中学校の生徒さんを通じて保護者の方や、もりのお茶の間(六浦)、金沢地区センターなどに配布・設置することができました。

 当日は、午前と午後に分け、各2名ずつ学生を配置しました。2階のロビーの区画をお借りして一人が回収に立ち会い、一人が施設入口に立って協力の呼びかけを行いました。
 実際に食品の寄附にご協力いただいた人数は少なかったのですが、一人当たり持ってきてくださる食品数が多く、2日間でかなりの食品を回収することができました。

 地区センターでは、地域の方々のスポーツ関連の行事などが行われており、金沢図書館が併設されていることもあって、利用者数はかなり多いという印象を受けました。年齢層も様々でした。また、今回地区センターの方々から「学外活動においては事前の宣伝が少し甘かった」とアドバイスをいただき、それも反省点です。今後学外で活動する場合は、もっと早めに動き、また金沢区役所など公的な機関にも広報のご協力をいただくことも検討していこうと思います。

◆地域の方々からのご意見

 当日地域の方からいただいたご意見は、以下になります。

・そもそもフードドライブとは何?
→特にご高齢の方には、カタカナが理解しにくかったようです。ポスターの表記で「フードドライブ」を目立つように書いてしまったので、「食の支援」や「自宅に眠る食品をお持ちください」など日本語で表記する必要があるかもしれません。

・5月21日(土)~29日(日)この間ずっとやっているの?
→今回施設予約との兼ね合いもあって2日間のみという限定的な活動になってしまい「その日地区センターに来館して活動をやっていることを知っても、家にある食品を持って来ることができない」という意見もありました。このご意見で、事前の周知が不足していることを実感したとともに、ある程度中長期の期間を設ける、もしくは定期的に開催することで、もっと地域の方から食品を集められるのではないか、と思いました。

・「賞味期限が1カ月以上ある食品」は家にはない。
→近年のフードロス問題への意識の向上も相まってか、必要以上にものを買わない家庭が増えている可能性があります。それでも、食べない食品が家庭にある方は多いと思うので、そのような方たちにフードドライブ活動を知っていただけるように活動する必要があります。

・自分たちは集まった食品を受け取れないのか?
→今回は「地域から学生へ」というフローを取ったため、集めた食品が地域に還元されないことに不満を持つ方もいらっしゃいました。事前に検討していた通り、次回以降の実施時に、地域への還元を考慮する必要があると思っています。

 また、ポスターを掲示していただいた横浜市金沢区社会福祉協議会の方とのお話では、社協さんでも地域の方向けに食の支援等を実施しているとのことでした。学生だけでの活動は限界があるので、今後は地域の団体と連携することも検討したいと思います。
 総じて、学内と同様のやり方では、厳しいところもあることがわかりました。学内と学外で臨機応変に内容を変えていく必要があるのではないでしょうか。

◆横市生への食品配布

 今回のフードドライブで集まった食品は、5月31日(火) にS27にて、大津・平田・田中の3名で検品作業を実施し、その後6月2日(木)12:00~12:50のお昼休みの時間帯に、S21にて学生向けの配布を実施しました(受付:大津・平田)。

 事前のGoogle Formsでの申込受付では、87名の方にご登録をいただいていました。横市生の「食の不均衡」の存在を再認識するとともに、そこまで大量の食品を回収できたわけではなかったため、需要と供給の不均衡から不安のスタートとなりました。当日は11時50分過ぎから学生さんたちが並び始め、室内に一度に入れる人数の制限等も加味して、5分ほど早めて配布を開始しました。

 今回は「一人○点まで」「賞味期限の早いものからとっていく」等の制限を設けなかったため、配布開始10分ほどで多くの食品が学生のもとに引き渡されました。終盤にはほとんど残っておらず、あとから来た方々は選ぶ余地がない、という状況でした。仕方のないことですが、学生の皆さんに平等に食品を循環させるためには「一人○点まで」という制限を設けてもよいかもしれません。結果として、全ての食品を時間内に学生さんに渡すことができたので、その点では有意義な活動となりました。

食品配布の様子(左)室内(右)室外受付

◆次回実施に向けて

 今回の活動では、昨年度初めて実施した時よりも多くの食品を集めることができ、フードドライブやフードロス問題への意識が向上していることを実感しました。しかし、先述の通り、学生からの回収はなかなか難しく、大人の方々からの回収に頼ってしまうことが否めません。今後も活動を継続していくうえで、学生に向けたアプローチをより強化していくべきだと感じています。
 加えて今回は「地域を巻き込んだ食の支援」のきっかけとして、学外でも実施し、様々なご指摘もいただきましたが「回収してくれてありがとうございます」というお言葉もいただいたので、今後も地域で実施する意義はあると考えます。今後はもう少し時間的余裕を持ち準備を進めることで、規模を大きくして活動できたら、と考えています。

 また規模の大小にかかわらず、フードドライブ活動にはメンバーの協力が必須になるので、皆が同じ課題意識を持ち、維持し続け、活動の負担や意識に偏りがないようにしていくことも重要です。
 次回実施の日程等は未定ですが、今回とは反対に、ご協力いただいた地域の方々への還元をメインに考えていきたいと思います。また、ボランティア支援室学生スタッフ「Volunch」との連携も含めて、今回得られた気付きや反省をもとに、より良い活動にできるよう努めていきたと思います。

レポート TFT 3年 大津映未

 

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