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「2020年度キャンパスタウン金沢」採択団体活動レポート

【ちちんぷいぷい】病気と闘う子どもやきょうだい児への、オンライン工作&遊びの提供 ~小児入院患者へ届けるおもちゃ作り~

2020年度活動レポート

【活動の趣旨・目的】
 COVID19により子どもが遊ぶ場所や機会が制限され、また入院児においては家族との面会制限が課題になっている。
 そこで、金沢区内の病気や障害があり在宅支援が必要な子どもやきょうだい児、あるいは横浜市立大学付属病院小児科病棟に入院中の、さみしい思いをしている病児に対して、2021年秋に金沢区に設立予定の『横浜こどもホスピス』と協働して、工作キットを作り届け、行動に制限を受けている子どもたちとオンラインで遊び、入院児の精神的苦痛を和らげ、在宅療養児やきょうだい児が両親と交流できるきっかけを作ることを目的とする。
 
【活動概要】
1.2020年11月14日(土)、21日(土)
  横浜こどもホスピスプロジェクトの「遊びの講義」
2.2020年12月19日(土)10:00~12:00
  横浜市立大学附属病院に届けるおもちゃ作り
3.2020年12月19日(土)13:00
  制作したおもちゃを直接病棟へお届け

1.横浜こどもホスピスプロジェクト実施の「遊びの講義(無料)」

日 時:11月14日
場 所:mass×mass 関内フューチャーセンター1F イベントラウンジ または オンライン
参加者:14名(オンライン参加/2名、動画受講/12名)

(1)
ゆいちゃんが教えてくれたこと~わが家の闘病生活」
当事者・ご家族のお話/當間 恭雄さん

(2)
「End-of-Lifeにおける子どもと家族にとっての遊びの持つ意味」
※手作りおもちゃのワークあり:身近な素材でMagic Wandaを作ろう!
講師/米道宏子さん(国立成育医療研究センター 認定チャイルド・ライフ・スペシャリスト)
 
日 時:11月21日
場 所:mass×mass 関内フューチャーセンター1F イベントラウンジ または オンライン
参加者:10名(オンライン参加/1名、動画受講/9名)

(1)「世界から託されたバトン:横浜のこどもホスピス」
講師/田川尚登さん(NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト)

(2)「Withコロナの遊び支援~オンラインの可能性」
※手作りおもちゃワークあり
講師/安田伸枝さん(笑顔の向こうに繋がる未来プロジェクト 共同代表)

2. おもちゃ作り

日 時:2020年12月19日(土)10:00~12:00
場 所:金沢八景キャンパス本校舎101
参加者:3年生/2名、2年生/2名、1年生/1名、計5名
 
 ボランティアとしておもちゃを作成して入院児に届ける活動を計画し、顧問を通して看護部長に交渉し、許可を得た。
 おもちゃは化粧水用ボトルに水と洗濯糊を混ぜた液体とビーズを入れた「マジックワンド(※1)」を28人分と、書類ケースにビーズを入れてシールなどでデコレーションした「オーシャンドラム(※2)」を5個作成した。
 子どもへの安全性を確認するため、ビーズや液体を飲み込まないよう、蓋はボンドやテープで止めて開けられないようにし、子どもたちへの配付をお願いする病棟看護師長さんにも、子どもたちが蓋を開けないよう注意事項をお伝えした。
 
※1「マジックワンド(magic wand)」=魔法の杖
※2「オーシャンドラム」=手に持ち傾けて、波のような音を出す楽器。吹奏楽や部隊の効果音などでも使われる。

3.おもちゃの配布

 横浜市立大学附属病院の6₋2病棟に、おもちゃ「マジックワンド」28人分と、プレイルーム用のおもちゃ「オーシャンドラム」5個をお届けした。感染予防のため看護学生でも病棟には入れず、病棟前での受け渡しとなった。また、顧問の佐藤先生に付き添いいただいた。直接配布はできなかったが病棟より「サンタクロースから子どもに配布した(ことにした)」との報告があった。
 子どもたちは寝ころびながら、眺めたり、遊んだりしていたとのこと。中学生のお子さんにも配っていただき「2種類作ってくださったのがとてもよかった」という報告があった。何人かの看護師さんやCLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)さんからは「子どもたちはとても喜んでいましたよ」とお礼を言われた。

感想と課題

 おもちゃ作成中は感染対策を行いながら、黙々と作業した。少しおしゃべりをしながら学年間の交流もできた。今年度初めての活動だったので、1・2年生に楽しんでもらうことができてよかった。一度だけでも活動することができたことはよかったと思う。
 また、病棟看護師さんに渡した際にも、喜んで受け取っていただけた。
 
一方、以下のような課題もある。
 
  • 予定していた活動時間をオーバーしてしまったのでもっと時間を取ることが必要。
  • ビーズが想定よりも足りなかったため、より多くのビーズ類を確保しておく必要がある。
  • 子どもたちの、おもちゃに対する反応が直接得ることが出来ないので、リフレクションが難しい。
  • 現在は緊急事態宣言中のため、今後の活動が難しい。緊急事態宣言が解除された後でも完成したおもちゃのお届けのみになると思われる。また、訪問看護ステーションで、オンラインによる遊びの対象候補を挙げていただいたが、同じ理由により中止になった。
レポート:ちちんぷいぷい 医学部看護学科3年 根本 佳澄

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