オリンピック・パラリンピック等の現場で想定されるリスクへの対策を知る講習会
- 日 時:2019(令和元)年1月12日(土)14:00~17:00
- 場 所:横浜市立大学金沢八景キャンパス YCUスクエア ピオニーホール
- 主 催:医学部YDC、ボランティア支援室学生スタッフVolunch
- 参加した学生スタッフ名:Volunch6名(北田、加藤、桑野、佐野、深井、野間)、YDC10名
- 参加者:市大生、地域の方々、他大学生など17名
ボランティアの現場で起こるリスクを見据えた講習会
今回の講習会では、横浜市立大学ボランティア支援室学生スタッフ「Volunch」と横浜市立大学医学部学生団体「YDC」が協力して、オリンピック・パラリンピックをはじめとするスポーツ大会で起こる医療に関するリスクを想定した対策講座を行いました。
東京オリンピック・パラリンピックの開催が1年後に迫り、どのような危険が現場で起こりうるのか、またその危険にどう対処するのかを学ぶため、1部ではYDCによるスポーツ大会等の現場で起きるリスクに対する医療・健康対策に関しての講義を行い、2部では実際に必要となる対処法を、ケースワークを通して、実際に講習会参加者にも体験・実践していただきました。
東京オリンピック・パラリンピックの開催が1年後に迫り、どのような危険が現場で起こりうるのか、またその危険にどう対処するのかを学ぶため、1部ではYDCによるスポーツ大会等の現場で起きるリスクに対する医療・健康対策に関しての講義を行い、2部では実際に必要となる対処法を、ケースワークを通して、実際に講習会参加者にも体験・実践していただきました。
大事なことは、まず自分の身の安全を守ること
1部では、YDCによる現場で起こるリスクに対しての対策講義が行われました。講義の中では、ボランティアとして参加する際の医療との関わり方、夏に開催されるオリンピック・パラリンピックでの脱水症状等の危険性とその対処法、多くの人が集まる場所で発生する可能性の高くなる人災やパンデミック(感染症の集団発生)の危険性などについて、参加者との意見交換等を行いながら考えていきました。参加者の方々にも自身の考えを他の参加者の方と共有したり、意見を発表したりと、積極的に取り組んでいただきました。
勿論自分にとっても、大変勉強になりました。スポーツ大会に携わるボランティアの人は、観客や選手と近くで接することが多いと思うのですが、そのような場所でもし誰かが倒れてしまったりしたら、どうすべきなのかというのは自分も疑問に思っていました。今回の講義では、自分の身の安全を守ることの大切さというのを学ぶことができました。倒れた人の安全を確保するのはもちろんですが、自分の身の安全も確保して、集団災害の危険性を減らしていくことも意識しておかなければならないことだと感じました。また、自分一人で対処しようとするのではなく、周囲の人に助けを呼んで一緒に応急手当を行ったり、できるだけ早く救急車を呼んだりと、周りをしっかり見て、冷静に対処することも大事だと分かりました。
ボランティアの現場を想定した実践的な知識を身につける
2部では、グループに分かれて、実際に怪我人・病人が出た場合を想定したケースワークを行いました。怪我人・病人役をVolunchのメンバーが行い、参加者の方々には、どのような対処を行うのかをグループで考えながら実践してもらい、YDCのメンバーには評価・解説を行ってもらって、正しい応急手当の方法や、AEDの使い方等を学んでいきました。今回のケースワークでは、「電車内で倒れた45歳の男性」、「試合観戦中に倒れた23歳の観客の女性」、「頭痛と吐き気を訴える18歳のボランティアの女性」、「屋内で嘔吐した67歳の男性」、「改札口で心肺停止して倒れた56歳の女性」、「階段から転げ落ちて怪我をした34歳の女性」の6つの場合を想定して行いました。6つのケースを具体的に想定して行ったので、参加者の方々からも「実践的でとてもためになった」、「細かいケース別のグループワークはとても勉強になった」等のお声をいただくことができました。
自分は「屋内で嘔吐した67歳の男性」のケースの、嘔吐した患者役(実は食中毒)として参加していたのですが、準備をしていく中で、患者にどのような体勢をとらせればよいのか、脱水症状を防ぐためにどのタイミングで水を飲んでもらえばよいのか等、知らないことが多くありました。嘔吐してしまった人には楽な姿勢になってもらうため、体の右側を下にし、膝を深く曲げる回復体位になってもらいます。頭を横に向けた体勢をとることで、口内に上がってきた嘔吐物が気道に入ってしまう危険性を減らすことができます。また、嘔吐後すぐに水を飲ませてしまうと、嘔吐の再発につながってしまうことがあるので、吐き気が収まった後に、水を飲んでもらうことが必要だとのことでした。
このケースワークを通して、実践的な知識を身につけておくことの大切さを改めて感じました。また、参加者の皆さんの、正しい応急手当について意欲的に考え、学ぼうとする姿勢を見て、とても感銘を受けました。私も、オリンピック・パラリンピックにボランティアとして参加したいと思っているので、実際にボランティアに参加した時には、今回の経験を生かして、率先して動くことができるようにしたいと思います。
リスクに対処するための知識を広げていくために
今回の講習会では、YDCとVolunchが一体となって、ボランティアの現場でしっかりと通用する知識を身につけることのできる素晴らしい講習会を開催することができたと思います。ボランティアが、怪我人・病人のためにどのような役割を果たすべきか、参加者の方々にもしっかりと学んでいただけたのではないかと思います。自分にとっても、大変身になる講義や、応急手当等の方法を学ぶことができ、今後につなげることのできる講習会となりました。そして、参加した皆さんの知識に対する意欲を身に染みて感じたので、今回の講習会を生かし、今後もこういった機会を提供できるようにしていきたいと強く思いました。
ボランティア支援室学生スタッフ 1年 野間駿佑