子どもたちの心に残る「防災体験」で、まちとのつながりをつくるサポートを

- 日 時:2018(平成30)年12月10日(月)10:00~12:00
- 場 所:青葉区市が尾・泉公園
- 主 催:並木・青葉プロジェクト所属学生10名
- 参加者:保育園児・スタッフ・地域の方々55名

保育園児と、その周りで関わる大人に向けた防災ワークショップ
青葉区市が尾にある「ピッピ保育園」と協働し、保育所と地域の“つながり力”を高める支援を行っている並木・青葉プロジェクト。本プロジェクトは7年前より毎年「学生が取り組む地域貢活動支援事業」に申請・採択されており、その活動は、地元にもだいぶ認知・定着してきているようです。
今年度の課題は保育園と地域の方々が、学生による中間支援なしでもつながれるように、活動の主体を地域主導に引き継いでいくこと。そのための具体的な活動として開催した、保育園児向けの防災体験ワークショップに同行してきました。 市が尾駅から徒歩10分のところにある泉公園。すぐそばには今回参加した園児の通う荏田西保育園もあり、園児たちにとっては、いつもおさんぽで立ち寄る身近な公園です。ここを拠点として、防災スタンプラリー、荏田西連合自治会の皆さんによる防災グッズ(簡易トイレ、アルミブランケットなど)の体験、非常食の試食と、防災色満載のワークショップが実施されました。
このワークショップの目的は、園児たちにとっては日ごろ慣れ親しんでいる道で楽しく防災アイテムを見つけてもらい、『地域防災』に触れ、興味を持ってもらうこと。大人の人には実際に災害が起こったことを想定して危険個所を認識してもらい、『シェイクアウト(※)』を通して身を守る方法を考えてもらうこと、と設定しました。
このワークショップの目的は、園児たちにとっては日ごろ慣れ親しんでいる道で楽しく防災アイテムを見つけてもらい、『地域防災』に触れ、興味を持ってもらうこと。大人の人には実際に災害が起こったことを想定して危険個所を認識してもらい、『シェイクアウト(※)』を通して身を守る方法を考えてもらうこと、と設定しました。
これは、昨年度『防災体験』をテーマにしたワークショップを行ったところ、地域とのつながりが強くなり、地域の防災意識も向上したことを実感した学生たちが、今年はさらにそのつながりや意識を維持して、地域での災害時に備えてほしいとの思いから考えた企画です。
この日はピッピ保育園と荏田西保育園の園児・職員・自治会の方々など約50名のほかに、今までは参加のなかった地元民生委員の方も4~5名参加されていました。これは今までになかったあらたな動きであり、地域の方々の関心が広がったということで、今年の成果のひとつと言えるかもしれません。
まちあるきと防災グッズ体験、非常食の試食と盛りだくさん!
集合した子どもたちは、まず最初に全員で防災紙芝居を見て、「シェイクアウト」について学びました。その後3つのグループに分かれ、最初に学生からまちあるきの説明を受け、一人1枚、ルート&チェックポイントや防災アイテムの写真が印刷された、学生手作りの首からかけるスタンプラリー・ヒントカードを受け取ります。
出発直前には非常食の体験として、フリーズドライごはんの封を開けて子どもたちに中を確認してもらい、そこに水を入れて、お散歩から帰った時に食べられるように準備をしました。
準備ができたら、グループごとに出発です!

まちあるきでは、子どもたちに防災アイテムを見つけてもらいました。防災アイテムは「消火栓」「防災協力農地」「防災備蓄倉庫(荏田西小学校)」「災害用地下給水タンク(荏田西小学校)」など。各ポイントには地域の方やスタッフが立って説明をしてくださり、学生は子どもたちにスタンプを押す係です。
一まわり約40分のルートで、途中に2回、学生スタッフが「シェイクアウト!」と叫ぶ場面がありました。子どもたちはそれを聞くと、事前に学んでいたようにしゃがんで頭を抱えるポーズをとって、「シェイクアウト!」と応えてくれました。今この場で災害が起こったらどうなるか…。子どもたちにも、実践的に考えてもらう時間となりました。

公園に戻ると、今度は防災グッズの体験。一見ペラペラした軽くて薄いアルミでできたブランケットが、中にくるまるとポカポカと暖かいこと。ランタンの取っ手を数回ぐるぐる回すと、ランタンに電気がたまって明るく灯ること。簡易トイレで用を足した後“凝固剤”を振りかけるとあら不思議、液体だったものが黒い砂状にあっという間に変化することなど、自分の目で見て肌で触れて体験し、その一つひとつに、子どもたちは驚きの声を上げていました。一度体験しておくことで、実際に災害があって避難所などに行った際にもあわてず安心して過ごすことができます。今回の体験は、子どもたちにも印象深かったようで、心にしっかりと残っていることでしょう。
体験の後には、水を程よく吸って出来上がっていた防災食ごはんを、スタッフの方々がおにぎりにして準備してくれたので、グループのみんなでおいしくいただいて、この日のワークショップは終了しました。

子どもも大人も”自分ごと”として考えてほしい「防災」は、まちをつなげるキーワード
災害はもちろん起こってほしくはありませんが、もしも私たちが被災した場合、地域のつながりがとても大切になります。子どもも高齢者も、誰もが同じ境遇に置かれることになるので、事前に体験して地域の方々とお互いに顔を合わせておくだけで、安心感も増します。
今回のようなワークショップを今後も定期的に続けていくことができれば、学生が中間支援から手を引いても、地域の子どもと大人が「防災」という共通のキーワードでつながっていくことができる、良い例ではないかと感じました。
(※)シェイクアウト=地震の揺れから命を守るための「DROP!(まず低く)」「COVER!(頭を守り)」「HOLD ON!(動かない)」という3つの動作を身につけるための地震防災訓練。