腰部脊柱管狭窄症と治療法について

腰部脊柱管狭窄症の疾患情報

腰椎部の脊柱管や椎間孔が加齢に伴う変性などによって狭くなり、神経への物理的な圧迫や血流障害が生じるために症状を呈する疾患です。国内における椎低患者数は約250万人と言われています。

主な症状は間欠性跛行(歩行時に下肢に痛みや痺れが出現して歩けなくなり、立ち止まって休むと症状が改善する)です。脊柱管の狭窄が強くなったり椎間孔の狭窄を伴うようになると持続的な下肢痛・痺れを呈するようになります。さらに進行すると膀胱直腸障害(尿が出しにくい、尿失禁や便失禁などの症状)を生じることもあります。

正常な腰椎MRIと腰部脊柱管狭窄症の腰椎MRI正常な腰椎MRIと腰部脊柱管狭窄症の腰椎MRI

腰部脊柱管狭窄症の検査

腰椎X線検査、腰椎MRI、脊髄造影検査(ミエログラフィー)・ミエロCT

腰部脊柱管狭窄症の治療法

棘突起縦割式腰椎椎弓形成術

変性した椎間関節や椎弓を削り肥厚した黄色靱帯を切除して狭くなった脊柱管を拡大する手術です。極力筋肉への侵襲を減らすために棘突起縦割式での手術を行っています。

腰椎椎体間固定術

もともと腰椎に不安定性(異常可動性や腰椎すべり症)がある場合や神経の除圧を行うために広範な骨の切除が必要となるため術後に不安定性が生じることが予想される場合に行われる手術です。神経の除圧を行った後に、椎間板を切除した部分に自家骨を充填した人工骨(ケージ)を挿入して椎弓根スクリューを挿入して固定する手術です。背部からのアプローチで手技を行うのが一般的ですが、多椎間狭窄の場合や腰椎に高度の変形がある場合にはケージを側方から挿入して、その後に後方から除圧操作とスクリューの挿入を行う場合もあります。

  • 腰椎椎体間固定術(1椎間固定)

    腰椎椎体間固定術(1椎間固定)

  • 腰椎椎体間固定術(2椎間固定)

    腰椎椎体間固定術(2椎間固定)