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地域貢献ニュース11月号(基礎看護学領域)

担当:佐藤政枝、佐藤みほ、大山裕美子、加藤美香、仁井田裕美、田中慎吾

学部生と看護職との合同授業「所属や立場の垣根を越えて対等に学ぶ」協同学習の経験

10月6日に、毎年恒例となっている学部1年生(110名)と看護職(40名)との合同授業を開講いたしました。本学では、2015年度から「保健師助産師看護師実習指導者講習会」がスタートし、この合同授業も今年で5回目となりました。COVID-19対策でしばらくオンライン開講が続いていましたが、今年度は久しぶりの対面演習となりました。
本領域では、「所属や立場の垣根を越えて対等に学ぶ」ことをコンセプトに「看護のプロフェッショナリズムを共有するワークショップ」を定期開催しています。この合同授業でも、この考え方を大切にしながら、相互に尊重し合う協同学習の機会が展開されています。

ベッドサイドでのコミュニケーション(ロールプレイ)

1限目の演習では、ベッドサイドで「患者さんから思いがけない一言を告げられる」という設定でロールプレイを実施しました。学部生と講習生の混成グループで、講習生が患者役と観察者役を、看護学生が看護師役と観察者役をそれぞれ担当します。患者役が発する「台詞」に皆で一喜一憂しながら、またその場面を一緒に振り返りながら、看護における対人関係や自己理解、他者理解について学びを深めました。

チームSTEPPSに学ぶ

2限目は、看護を問わずアルバイトや日常生活といった幅広い場面で、「チームステップス」の「SBAR(エスバー)」を活用して効果的に報告することをチームメンバーで検討しました。ファストフード店でのクレーム対応や家族への買い物の交渉など、チーム毎にユニークな発表がみられ教室が大いに湧きました。

ベッドまわりの環境:「療養の場」「作業空間」としての調整・評価

午後からの3-4限目では、ベッドまわりの環境について様々な視点からの演習に取り組みました。先ずは、メジャーや角度計を用いてベッドとその周辺の空間を測定しました。また、実際にベッドに臥床して、高さや角度の違いによる寝心地や居心地を体験しました。さらに、患者さんがベッドに寝た状態でシーツを交換する体験では、患者さんだけでなく看護師にとっての安全・安楽やケアの効率性についても考えました。
学部1年生にとって、今回が入学して初めての対面演習でしたが、生活者とケアする者の両方の立場からそれぞれに深い気づきが得られたようです。

合同授業に参加した感想を紹介します

<学部1年生>
・臨床での経験を踏まえた意見を聴かせてもらい、学生だけでは得られない気づきに繋がった
・今学んでいることが、看護の現場で役に立つことがわかり、これからも様々な知識を身につけられるようもっと頑張ろうと思った
・一見ネガティブだと思われる患者さんの発言も、その意図を確認したり深く考えてみることで、また違った感じ方になることを体験として学べてよかった
<実習指導者講習会受講者>
・学生の学びにダイレクトに触れられる貴重な体験となった
・入学してまだ半年なのに、他の科目との関連づけが上手にできていて、その学びの深さに感動した
・ロールプレイの台詞には看護師の自分でも戸惑うものもあり、学生と一緒に改めて考えてみることで初心に戻ることができた

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