「地域と共に学び、未来を創る」
前編 学生が地域課題に挑む
— 企画立案型実習B(金沢区版)始動
2025.10.08
- TOPICS
- 地域
- 教育
- 国際商学部
国際商学部の学生たちが、地域の課題解決に挑んだ実践型授業「企画立案型実習B(金沢区版)」(担当教員:国際商学部 伊藤智明准教授)。この授業は、地域社会が抱える課題を理解し、その解決に向けて実践的な企画を立案・提案する力を養うことを目的としています。学生たちが行政・企業・NPOなど多様な主体と連携しながら、地域の一員として関わることで、社会課題を自分ごととして捉え、未来を描くプロジェクトに取り組みました。
住民との対話や専門家による講義やグループワークを重ねる中で、学生たちは課題の本質を見極め、解決策を構想・提案する力を磨きました。産官学連携による学びの場からは、新しい発想と地域の知恵が交わり、次世代につながる「地域(横浜市金沢区)の可能性」が生まれました。
住民との対話や専門家による講義やグループワークを重ねる中で、学生たちは課題の本質を見極め、解決策を構想・提案する力を磨きました。産官学連携による学びの場からは、新しい発想と地域の知恵が交わり、次世代につながる「地域(横浜市金沢区)の可能性」が生まれました。

授業の概要
Day1:8月25日(月)@金沢八景キャンパス
初日は、授業の趣旨や流れを確認するイントロダクションから始まり、学生同士のチームビルディングを行いました。自己紹介や意見交換を通じて互いの強みを理解し、協働の基盤を築きました。
さらに、この日は地域の金融機関や区役所の職員など、地域の実務に携わるゲスト講師を招き、地域課題や企業・行政の取り組みに関する講義が行われました。信用金庫の役割や金沢区の地域特性、住民主体のまちづくりなど多様な視点に触れ、学生たちは熱心に耳を傾けていました。グループワークでは、Day2に実施する地域住民との対話に向けて、参加者を募るためのチラシづくりや当日の進行表の作成に取り組みました。キャンパス内では真剣に意見を交わす姿とともに、初めて顔を合わせたメンバー同士が少しずつ打ち解けていく様子が見られました。
Day2:8月27日(水)@あしたタウンラボ*1
この日は、金沢シーサイドタウンの住民の方々に参加いただき、直接対話を行いました。生活者の視点から日常の課題や地域への思いを伺いながら、学生たちはメモを取りつつ積極的に質問を投げかけました。対話を通して地域が抱える複数の課題を把握し、解決に向けた仮説をグループごとに整理。さらに、その解決策をわかりやすく伝えるための「コア・メッセージ」の検討も進めました。住民の率直な声を受けて、学生たちの表情に責任感と熱意が増していく様子が印象的でした。Day2の会場となったあしたタウンラボには、PIAフェスタ2024で特定非営利活動法人Aozora Factoryの協力により地域住民や地域で働く方々と共同制作した絵画を展示しました。
PIAフェスタ2024への出展
https://www.yokohama-cu.ac.jp/Contributions/news/2024/20241109_piafes.html
Day1:8月25日(月)@金沢八景キャンパス
初日は、授業の趣旨や流れを確認するイントロダクションから始まり、学生同士のチームビルディングを行いました。自己紹介や意見交換を通じて互いの強みを理解し、協働の基盤を築きました。
さらに、この日は地域の金融機関や区役所の職員など、地域の実務に携わるゲスト講師を招き、地域課題や企業・行政の取り組みに関する講義が行われました。信用金庫の役割や金沢区の地域特性、住民主体のまちづくりなど多様な視点に触れ、学生たちは熱心に耳を傾けていました。グループワークでは、Day2に実施する地域住民との対話に向けて、参加者を募るためのチラシづくりや当日の進行表の作成に取り組みました。キャンパス内では真剣に意見を交わす姿とともに、初めて顔を合わせたメンバー同士が少しずつ打ち解けていく様子が見られました。
Day2:8月27日(水)@あしたタウンラボ*1
この日は、金沢シーサイドタウンの住民の方々に参加いただき、直接対話を行いました。生活者の視点から日常の課題や地域への思いを伺いながら、学生たちはメモを取りつつ積極的に質問を投げかけました。対話を通して地域が抱える複数の課題を把握し、解決に向けた仮説をグループごとに整理。さらに、その解決策をわかりやすく伝えるための「コア・メッセージ」の検討も進めました。住民の率直な声を受けて、学生たちの表情に責任感と熱意が増していく様子が印象的でした。Day2の会場となったあしたタウンラボには、PIAフェスタ2024で特定非営利活動法人Aozora Factoryの協力により地域住民や地域で働く方々と共同制作した絵画を展示しました。
PIAフェスタ2024への出展
https://www.yokohama-cu.ac.jp/Contributions/news/2024/20241109_piafes.html

ゲスト講師による講義

中西正彦先生(国際教養学部/一般社団法人金沢シーサイドあしたタウン代表理事)
金沢シーサイドタウンにおける地域活動や住民主体のまちづくりについて講義しました。人口減少や高齢化といった課題に直面する一方で、地域には住民同士のつながりや新しい交流の可能性があることを指摘。地域課題の解決には、行政や大学が一方的に関わるのではなく、住民自らが主体的に動き、多様な立場の人々と協働することが重要であると強調しました。学生にとって、現場での実際の取り組みを知る貴重な機会となりました。
金沢シーサイドタウンにおける地域活動や住民主体のまちづくりについて講義しました。人口減少や高齢化といった課題に直面する一方で、地域には住民同士のつながりや新しい交流の可能性があることを指摘。地域課題の解決には、行政や大学が一方的に関わるのではなく、住民自らが主体的に動き、多様な立場の人々と協働することが重要であると強調しました。学生にとって、現場での実際の取り組みを知る貴重な機会となりました。

塚越貴浩氏(横浜信用金庫 執行役員)
「信用金庫のあるべき姿と共通価値の創造」をテーマに講義しました。信用金庫法に基づく使命は中小企業の支援であり、地域経済を支えることだと説明。特に「曇りの時に傘を貸す」という比喩を用い、企業の経営状況が悪化する前に伴走し、改善策を共に考える重要性を語りました。また、リレーションシップバンキングや「先義後利」の精神を紹介し、地域と共に成長するビジネスモデルの必要性を提示。横浜信用金庫の具体的な取り組み事例も交え、地域に根差す金融機関の役割を強調しました。
「信用金庫のあるべき姿と共通価値の創造」をテーマに講義しました。信用金庫法に基づく使命は中小企業の支援であり、地域経済を支えることだと説明。特に「曇りの時に傘を貸す」という比喩を用い、企業の経営状況が悪化する前に伴走し、改善策を共に考える重要性を語りました。また、リレーションシップバンキングや「先義後利」の精神を紹介し、地域と共に成長するビジネスモデルの必要性を提示。横浜信用金庫の具体的な取り組み事例も交え、地域に根差す金融機関の役割を強調しました。

金子惣一氏(横浜信用金庫 福浦支店長)
「地域企業の特性と当金庫の取り組み」について講義しました。金沢区の強みは製造業の立地と大学が2つあり教育学習支援があることと解説。人口減少や後継者不足など金沢区が抱える課題に対し、地域金融機関として柔軟な融資、DX推進、事業承継支援など多面的に伴走していることを紹介しました。金融を超えて「経営者の相談役」となり、企業価値を高めることで持続可能な地域社会を共に築いていく重要性を強調しました。
「地域企業の特性と当金庫の取り組み」について講義しました。金沢区の強みは製造業の立地と大学が2つあり教育学習支援があることと解説。人口減少や後継者不足など金沢区が抱える課題に対し、地域金融機関として柔軟な融資、DX推進、事業承継支援など多面的に伴走していることを紹介しました。金融を超えて「経営者の相談役」となり、企業価値を高めることで持続可能な地域社会を共に築いていく重要性を強調しました。

木村厚朗氏(横浜市金沢区役所 区政推進課長)
「金沢区とLINKAI横浜金沢」をテーマに、行政の視点から地域の取り組みを解説しました。金沢区は、横浜市内有数の工業集積地である「LINKAI横浜金沢」を擁し、これまで産業とまちづくりを両輪として発展してきました。一方で、区としては少子高齢化の進展や地域コミュニティの希薄化といった課題に直面しています。こうした状況の中、行政は自らの持つ資源やネットワークを活かしつつ、大学や地域住民等と協働し、課題解決の糸口を探る取り組みを進めています。産業の強みと地域社会をつなげながら、持続可能で魅力ある未来を築いていくことの重要性が講義で強調されました。
「金沢区とLINKAI横浜金沢」をテーマに、行政の視点から地域の取り組みを解説しました。金沢区は、横浜市内有数の工業集積地である「LINKAI横浜金沢」を擁し、これまで産業とまちづくりを両輪として発展してきました。一方で、区としては少子高齢化の進展や地域コミュニティの希薄化といった課題に直面しています。こうした状況の中、行政は自らの持つ資源やネットワークを活かしつつ、大学や地域住民等と協働し、課題解決の糸口を探る取り組みを進めています。産業の強みと地域社会をつなげながら、持続可能で魅力ある未来を築いていくことの重要性が講義で強調されました。
▶ 後編はこちら:https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2025/20251009ito2.html
後編「未来を共に描く — 学生が地域に提案した解決策と学び」では、学生たちがまとめ上げた提案や最終プレゼンテーションの様子をご紹介します。
用語説明
*1 あしたタウンラボ
金沢シーサイドタウン内にある地域住民のための開放的な集会所。2018年(平成30年)7月14日のオープン以来、並木エリアに暮らす人々の憩いの場となっている。
後編「未来を共に描く — 学生が地域に提案した解決策と学び」では、学生たちがまとめ上げた提案や最終プレゼンテーションの様子をご紹介します。
用語説明
*1 あしたタウンラボ
金沢シーサイドタウン内にある地域住民のための開放的な集会所。2018年(平成30年)7月14日のオープン以来、並木エリアに暮らす人々の憩いの場となっている。