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国際商学部3年 矢野 律さんと大学院生 丹後 健人さんの論文が、Journal of the Japanese and International Economiesに掲載されました

2025.01.07
  • TOPICS
  • 学生の活躍
  • 国際商学部

日本における金融政策の効果を分析

国際商学部3年の矢野律さんと国際マネジメント研究科 博士後期課程3年の丹後健人さんの論文が、「Journal of the Japanese and International Economies」に掲載されました。

筆頭著者
国際商学部 3年 

矢野   律 や の      りつさん

共著者
国際マネジメント研究科 
博士後期課程 3年

丹後 健人たんご けんとさん

      
                                                                                   

指導教員
国際マネジメント研究科 
中園 善行 教授(マクロ経済学)
 

論文タイトル
The Transmission of Monetary Policy Shocks: Evidence from Japan
(日本語訳:金融政策の波及経路に関する実証分析)
掲載雑誌
Journal of the Japanese and International Economies
DOI:10.1016/j.jjie.2024.101349
今回の研究内容について矢野さんに解説していただきました。
本研究では、日本銀行の金融政策が日本経済に与える影響を分析しました。特に、金利の変化や景気見通しが、産出量や物価、株価、為替レートにどのような影響を及ぼすかを分析しました。分析の結果、予期せぬ金利引き上げが産出量と物価を押し下げる効果を持つことを明らかにしました。また、分析手法を洗練させることで、金融政策の効果は既存研究が報告している効果よりも大きくなることが分かりました。さらに、日本銀行の景気見通しが楽観的になると、産出量が増加し、物価と株価が上昇する一方で、円の価値は減価することを発見しました。この発見は、日本の金融政策において金利操作だけでなく、日本銀行の情報発信も重要であることを示唆しています。

矢野律さんのコメント
中園先生や丹後さんをはじめとした中園研究室の皆さんのおかげで、論文を掲載することができ、身に余る光栄です。誠にありがとうございました。学部卒業後は、大学院国際マネジメント研究科に進学し、YCU EconMastersプログラム*1のもと、金融政策を中心とした経済学の研究を深めていきたいと思います。

丹後健人さんのコメント
この度、論文が採択され、大変光栄に存じます。本研究は、筆頭著者である矢野さんを中心に、試行錯誤を重ねながら議論を深めることで進めてまいりました。このような成果を得ることができたのは、SPRING事業*2のご支援、並びに指導教員の中園先生をはじめとする国際マネジメント研究科の先生方のご指導の賜物です。心より感謝申し上げます。
今後とも、より一層努力し、研究活動にまい進してまいります。

指導教員 中園 善行教授のコメント
知識と忍耐。研究遂行に必要なのは知識だけではありません。泥臭い作業をいとわない粘り強さも必要です。幸運にも矢野さんにはこの両方が備わっていました。矢野さんは学年トップの成績優秀者として表彰された学生です(令和5年度伊藤雅俊奨学金奨学生)。同時に地味な仕事にも根気よく取り組む忍耐力も持っています。聞けば、高校時代に硬式野球部(神奈川県立横浜平沼高等学校)に所属していたとのこと。元高校球児は週末も研究室に通いつめコツコツと分析を進めてくれました。研究成果は2024年度統計関連学会連合大会での報告を経て、この度、国際学術誌に掲載されました。学部3年生ながら、矢野さんの努力が結実し、論文掲載に至ったことを嬉しく思います。おめでとうございました。
また、論文掲載においては、大学院生である丹後さんの尽力が非常に大きかったことも申し添えます。丹後さん、ありがとうございました。

*1 YCU EconMastersプログラム: 国際マネジメント研究科の経済学分野(博士前期課程)に、経済理論とデータ分析スキルの双方を備える人材=デジタル人材を育成する新しいプログラム「YCU EconMastersプログラム」を2024年4月に新設。学部からの一貫教育によって、好調な就職(シンクタンク研究職、国立大学研究職など)や学会賞受賞などの成果につなげていくプログラム。

*2 SPRING事業:「データ思考イノベーティブ人材育成プログラム(SPRING)事業(JPMJSP2179)」として博士後期課程の学生を支援する事業
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