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国際教養学部 高橋力也 准教授が国際法に関する著書を出版

2023.06.23
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  • 国際教養学部

国際法を編む ー 国際連盟の法典化事業と日本 ー

国際連合日本政府代表部の法務担当として国際法に関する業務に従事されていた国際教養学部 髙橋力也 准教授が著書「国際法を編む」を出版しました。
国際機構史、国際法史、日本外交史の3分野にまたがる学際的テーマを扱い、国際連盟の法典化作業の中で、熱心に役割を果たした日本外交官や専門家についての実像が描き出されています。
国際連盟と日本の関わりに関心がある方に読んでいただきたい1冊です。
 

髙橋力也 准教授より出版に際してコメントをいただきました。

昨今、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻を契機に、国際連合の存在意義に注目が集まっています。ロシアによる明白な国際法違反に国際連合は為す術がないのか。「国際の平和及び安全」の維持を目的とした国際連合が、機能不全に陥っているのではないのか、ということが世論において広く問われるようになりました。実は100年ほど前に設立された国際連盟も、ある事件を機に今の国際連合と同じような苦境に立たされていました。1931年の満洲事変です。様々な手段を講じながらも最終的に有効な対応ができず、日中間の紛争の拡大を抑えることができませんでした。
今も昔も国際機関というものは、肝心なときに「役に立たない」ように思えます。しかしながら、実際の国際機関の果たす役割は、必ずしもこうした危機的状況への対応だけではありません。平時において、国際会議を通じて国家間の相互理解を醸成し、世界中の知識人を集めて国境を超えた文化的な交流を促進する。そして、国際関係を円滑にし、国家間対立を未然に防ぐために、様々な分野における国際法の整備を進める。確かに、戦争を一挙に解決するような、快刀乱麻を断つ力は国際連合や国際連盟にはありませんが、日頃から国際平和に不可欠な取り組みを目立たないところで着実に行っています。
本書では、1920年代に国際連盟が国際法を充実化するために行った法典化事業を題材に、そうした国際機関の地道な活動を明らかにした上で、この事業の発展に実は当時の日本が大きな貢献を果たしと論じました。国際法秩序への挑戦者としてのイメージで語られがちな戦前の日本ですが、その一方で、国際法の形成にも力を入れていたことはあまり知られていません。国際機構論史・国際法史・日本外交史の3つの角度から光を当て、戦前期日本外交の多面的な姿を浮かび上がらせる試みとして、本学の学生を含め一人でも多くの方に読んでもらえるよう願っています。
著者     髙橋        たかはし 力也  りきや
発行所     一般財団法人 名古屋大学出版会
発行日     2023/01/25 
 <目次>
序 章  国際法の受け手から「つくり手」へ
第1章 エリヒュー・ルートと戦間期国際法の法典化の端緒
第2章 国際連盟による法典化事業の始動
第3章 「ムッシュー・マツダ」の海賊条約草案
第4章 日本国際法学会の国際法典案
第5章 「事実上の」法律顧問たち
第6章 国際法を編む
第7章 立作太郎以後
終 章  「真正なる意義に於ける国際法」を求めて
<著者略歴>
高橋 力也
2008年     慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了
2009年     イリノイ大学ロースクール修士課程修了
2010年     ロンドン大学キングス・カレッジ大学院戦争学科修士課程修了
2016年     早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程中退
2023年現在   横浜市立大学国際教養学部准教授、博士(国際関係)
 

問合せ先

横浜市立大学 広報担当
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp
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