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令和2年度 横浜市立大学卒業式  学長式辞

2021.03.31
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令和2年度 横浜市立大学卒業式  学長式辞

本日は、ご卒業おめでとうございます。

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
これまで皆さんを支えてこられたご家族の皆様にも、心よりお慶び申し上げます。
今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、出席者を絞っての開催となりました。ご家族の皆さまと、この会場で共に卒業生を祝うことが出来ないことは大変残念ですが、その喜びに満ちたお心は卒業生の皆さんに届いていることと思います。

入学から今日まで、卒業生の皆さんが本学で過ごされた日々は楽しいことばかりでなく、苦しいこともあったと思います。特に、最終学年は未曾有の災害である新型コロナウイルス感染症の拡大により、大学および社会における活動の自由度が大幅に制限された1年となりました。昨年5月から講義の多くはリモートで行われ、実験や実習も感染対策をとりつつ行うという、従来とは異なるものとなりました。同級生や下級生との交流も、就職活動も大きく様変わりしました。それらを乗り越え、皆さんが本日の卒業を迎えられたことを心からうれしく、また誇らしく思います。

さて、皆さんは、卒業までの年月を横浜市立大学のYCUミッションのもとに過ごしてきました。そのミッションとは「国際都市横浜と共に歩み、教育・研究・医療分野をリードする役割を果たすことをその使命とし、社会の発展に寄与する市民の誇りとなる大学を目指す。」です。皆さんは共通教養教育、研究室やゼミでの専門的な学修、海外フィールドワークや医学科のリサーチクラークシップ、病院での臨床実習、そして課外活動を通して、「異なる価値観と多様性を理解することが出来る豊かな教養」、「課題を見つけ、解決する力」、「コミュニケーション力」、そして、それぞれの分野の「高い専門性」をしっかり身に付ける努力をしたと信じます。また、その過程においては、喜びだけでなく、失敗も後悔もたくさんあったと思います。その経験のすべてが、皆さんの人生において、大きな財産となり、前に進む力となることを願っています。

その一方で、皆さんがこれから出て行く社会では、世界的な感染症の拡大を契機として、これまでの考え方や手法では乗り越えられない課題がたくさん明らかになりました。常識と信じられていたことの見直しも始まりました。それは、若い人たちにとって試練の多い時代ではありますが、多くのチャンスを与えてくれる時代でもあります。様々な分野で改革が求められる社会は、若者が「自分たちの手で新しい社会を作っていく」ためのチャレンジがこれまで以上に可能な社会です。卒業生の皆さんが、本学で学んだことを力として、これからの社会生活で自分を磨きながら「社会を支える存在」として、さらには「新たな社会の創造をリードする人材」として活躍することを大いに期待しています。

また、医学部の皆さんは、感染対策のために患者さんに直接触れることが少ない実習を余儀なくされましたが、附属2病院のスタッフがコロナウイルスと全力で闘う緊張感を肌で感じたことと思います。これからは医師として、看護師として、臨床研修の場で人の命と直接向き合うことになります。その重さをかみしめながら、また、人にはそれぞれ生きてきた歴史や価値観があり、医療において正解は必ずしも一つではないことを学びながら、医療者として、また医療・医学の研究者として成長することを願っています。

さて、本学は、2028年に横浜市立横浜商業専門学校創設から数えて創立100周年を迎えます。また、横浜市立大学附属病院は、その前身である横浜仮病院から数えて本年で150周年を迎えます。将来に向けて根岸の高台に新しい附属病院および医学部の建設も計画されています。卒業生の皆さんは、この伝統ある大学の「大切な一員」であり、私たちはいつまでも皆さんを心から応援しています。そして皆さんがこれからぶつかるであろう様々な困難にひるむことなく立ち向かい、新時代を強く、そしてしなやかに生きる姿をいつまでも見守っています。

最後に、感染症の拡大阻止のために、一人一人が今できる最善を尽くすことが求められています。皆さんが社会人として恥ずかしくない行動を取ることを望みます。

卒業生の皆さんのこれからの素晴らしき人生と社会でのご活躍を心より祈念し、私の式辞と致します。
令和3年3月25日
横浜市立大学 学長
    相原 道子

令和2年度 横浜市立大学卒業式を挙行しました。

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