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「エッセンシャルズ オブ グライコバイオロジー 第4版」の31章 「R-型レクチン」の執筆を行いました

2022.11.16
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大学院生命ナノシステム科学研究科 糖鎖生物学研究室 教員が「エッセンシャルズ オブ グライコバイオロジー 第4版」の31章 「R-型レクチン」の執筆を行いました

横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科および理学部 糖鎖生物学研究室 大関 泰裕 教授が、米国ハーバード医科大学 リチャード D. カミングス 教授、同ジョンズホプキンス大学医学部 ロナルド L. シュナール 教授と共に、世界で最も広く使われる大学院レベルの糖鎖生物学の教科書である「エッセンシャルズ オブ グライコバイオロジー第4版」*1 の改訂において、新たな著者として執筆に参加しました。

担当した31章 「R-型レクチン」*2 では、ウイルスからヒトまで広く存在するR-型レクチンについて、その構造、機能、進化、多様性、および大学院生命ナノシステム科学研究科と生命医科学研究科博士課程の院生や理学部学生と行なってきたムール貝R-型レクチンの研究成果を加え、改訂しました。第4版で新たに加えた図(Fig 31.4.*3)は、鶴見キャンパスでR-型レクチンの構造研究を行い、2021年に博士号(理学)の学位を得た鎌田 健一 博士(現 KUレーヴェン大学博士研究員、在ベルギー共和国)と協力して作成しました。

糖鎖生物学の教科書である「エッセンシャルズ オブ グライコバイオロジー (Essentials of Glycobiology)」は、第3版(2017年刊)から3年を経た2020年、この分野の急速な進歩に応え、責任編集者であるカリフォルニア大学サンディエゴ校アジット ヴァルキー教授が世界中の131人の糖鎖研究者 (女性比率39%、米国人以外の著者56%、若手著者多数)へ呼びかけ、大幅な改訂作業が始まりました。そして2022年には全60章、926頁からなる第4版が完成し、同年5月に刊行されました。11名のノーベル賞受賞者が推薦文を寄せた本書は、糖鎖生物学の世界標準教科書として、誰もがいつどこででも学べるよう、スマ—トフォンやインターネットからも全文を読むことができます。

本学では、理学部2年開講科目「糖鎖生物学」および大学院生命ナノシステム科学研究科開講科目「バイオプロダクト科学特論Ⅰ」「バイオプロダクト科学講究Ⅰ」で、本書を用いて講義し、糖鎖とレクチンの最新の知見を受講者に伝えます。



【参照】

*1 エッセンシャルズ オブ グライコバイオロジー 第4版 (ヴァルキーら 編)
Essentials of Glycobiology - NCBI Bookshelf (nih.gov)
1999年、13人の著者により本書の初版が編さんされ、米国の非営利出版団体コールドスプリングハーバーラボラトリープレスより出版された。UCサンディエゴ校医学部 糖鎖生物学研究トレーニングセンターのテキストでもある本書は、2008年と2017年に第2および第3版の改訂が行われ、糖記号の世界標準化にも貢献した。2022年ノーベル化学賞を受賞したスタンフォード大学 キャロライン ベルトッツイ教授も、初版の編さん者の一人および第4版55章の執筆者として名を連ねる。

*2 31章 「R-型レクチン」(Chapter 31 R-Type Lectins)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK579951/

*3 31章 Fig 31.4.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK579951/figure/CSHLP5087CH31F4/?report=objectonly

問い合わせ先

 横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp
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