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YCU大学院修了生が学生講演賞を受賞!

2022.07.29
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  • 学生の活躍

生命ナノシステム科学研究科 修了生の石井桐子さんが、日本化学会 第102春季年会学生講演賞で学生講演賞を受賞。

2022年3月に生命ナノシステム科学研究科で博士後期課程を修了した石井桐子さんが、3月23日(水)~26日(土)にオンラインで開催された日本化学会 第102春季年会学生講演賞において、「Backflow変換を用いた新規振動座標による非調和振動状態理論の開発」について発表し、発表内容・プレゼンテーション・質疑応答などにおいて優れた講演であると評価され、学生講演賞を受賞しました。

受賞者

生命ナノシステム科学研究科 博士後期課程 3年(受賞当時)
石井いしい  桐子   きりこ さん

指導教員: 立川 仁典 教授、北 幸海 准教授、島崎 智実 准教授、石元 孝佳 准教授

発表内容

Development of anharmonic vibrational structure theory using backflow transformation
(Backflow変換を用いた新規振動座標による非調和振動状態理論の開発)

発表内容

—今回論文掲載に至った研究内容について石井さんに解説していただきました。

私たちの体や目の前にあるもの、そして目には見えない空気も様々な物質からできています。そして、その物質はさらに小さく、人の目では見ることができないほど小さい、原子・分子という粒が結びついてできています。
では、この目には見えないほど小さな原子・分子の種類や結びつき方をどのように判断するのでしょうか?
実は、この原子や分子はその種類、結びつき方によって”振動”という特徴を持っています。この“振動”を実験で観測し、その値を“振動状態計算”という計算で予測した値と比較することにより、私たちの目には見えない原子・分子の種類、結びつき方を判断しています。
しかし、“振動状態計算”での予測はまだまだ精度が良くない面もあり、実験で観測した“振動”と計算で求めた値が一致しないこともしばしばあります。
本研究では、“振動状態理論”という計算方法に対し、backflow変換という新たな考え方を導入することにより、従来の方法よりも高精度な“振動状態理論”の開発を目指しました。
結果として、小さな分子に対し、従来の方法よりも高精度な計算を可能にする方法を開発することに成功しました。まだまだ課題もありますが、より高精度な予測計算のための、大きな一歩となる研究ができたと考えています。

石井さんのコメント

今回、このような素晴らしい賞をいただくことができ、大変光栄に思っております。今回の研究発表は、私が大学4年生の卒業研究から修士・博士と6年間取り組んできた研究の集大成でした。このような評価をいただけたのは、学部・修士時代の指導教員であった北 幸海先生、そして博士時代の指導教員であった、立川 仁典先生、島崎 智実先生、石元 孝佳先生 の手厚い指導、そして研究室の多くの先輩・後輩たちの支えのおかげだと感じております。心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

指導教員のコメント

分子の振動状態を高精度に解析することは、分子の性質を明らかにするために欠かすことができません。石井さんは、この問題に取り組むために、backflow変換を用いた新たな解析手法の開発・応用に取り組みました。その成果により日本化学会より素晴らしい賞を受賞されたことを教員一同大変喜ばしく思っております。石井さんは博士号も取得し、現在は材料メーカーで研究員として働いています。新しい研究の場でも、さらなる活躍を期待しています。石井さん、おめでとうございます!! (北、島崎、石元、立川)
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