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本学教員2名が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

2016.04.21
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本学教員2名が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

本学 武部貴則准教授(学術院医学群 臓器再生医学)と丸山大輔助教(学術院国際総合科学群 植物生殖科学)が、平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。
若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示し顕著な研究業績をあげた、40歳未満の若手研究者を対象とし、表彰するものです。

表彰式は平成28年4月20日、文部科学省3階講堂にて行われました。

武部貴則

2009年米スクリプス研究所(化学科)研究員、2010年米コロンビア大学(移植外科)研修生を経て、2011年、横浜市立大学医学部医学科卒業。同年より横浜市立大学助手(臓器再生医学)に着任、電通×博報堂 ミライデザインラボ研究員を併任。2012年からは、本学先端医科学研究センター 研究開発プロジェクトリーダー、2013年より本学准教授(臓器再生医学)、独立行政法人科学技術振興機構 さきがけ「細胞機能の構成的な理解と制御」領域研究者、2015年よりシンシナティ小児病院 消化器部門・発生生物学部門 准教授、スタンフォード大学 幹細胞生物学研究所 客員准教授を兼務。専門は、再生医学・広告医学。

iPS細胞から立体的なヒト器官原基の人為的創出を可能とする独創的な4次元培養技術(器官原基法)を確立し、さらに、臨床的移植手法の最適化を図り、血管構造を有した機能的な肝臓・腎臓・膵臓など、さまざまな臓器を構築できることを発見しました。
この研究成果は「器官原基移植による臓器再生」という革新概念に基づき、次世代の再生医療の基盤技術となる。臓器移植の代替治療として多くの患者を救済する画期的な再生医療技術を実現できることが期待されます。
武部准教授は今回の受賞97名中最年少での受章者となりました。

丸山大輔

2010年に名古屋大学理学研究科で博士号(理学)を取得した後、同年に名古屋大学GCOEプレフェロー、2011年より日本学術振興会特別研究員(うち、2013年はシンガポール テマセク生命科学研究所に留学)、2014年度より 若手育成プログラム(YLC)特任助教を経て、2016年度4月より、現職に着任しました。

植物が種子を作るには、まず、受粉した花粉から花粉管とよばれる細い管が伸び始め、内部の精細胞を、雌しべ深くに存在する卵細胞にとどけることが必要です。精細胞を受け取って受精を済ませた雌組織は種子へと変化すると同時に、不必要になった花粉管がそれ以上近づかないようにすることが知られていましたが、その仕組みは明らかではありませんでした。丸山助教は名古屋大学の東山哲也教授の研究室に所属していたときにこの謎に取り組みました。その結果、卵細胞の隣で花粉管を誘引するタンパク質を分泌している助細胞が、受精した後に胚乳とよばれる巨大な細胞に取り込まれて不活性化することを発見しました。
植物が受精後に無駄に花粉管を呼び寄せないように制御する現象の実体が明らかになったことで、少ない花粉でも効率よく種をつけさせる技術の開発に繋がると期待されます。
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