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腎がんに対する凍結療法

凍結療法とは

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凍結治療機器

凍結療法とは画像を見ながら体表から先端が-100度になる専用の針を刺すことで腎がんを凍結させ死滅させる治療法です。手術と違って全身麻酔をせずに局所麻酔で行えるのが特徴で、比較的小さな腎がんがよい適応と言われています。
当院では泌尿器科と放射線科が連携して2018年に治療を開始しており、現在神奈川県で唯一凍結療法が行える施設として数多くの施設から紹介された患者さんの治療を行っています。

このような方が対象になります

腎がんの治療の原則は外科的切除です。当院では比較的小さな腎がんであれば根治性と安全性の高いダヴィンチによるロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術をお勧めしています。
しかし、心臓などに重い病気があるために全身麻酔をかけられないような患者さんもいらっしゃいます。凍結療法は局所麻酔で行えるため、そのような方でも治療が可能です。
一般的には以下のような方がよい適応になるとされています。
  • ご高齢のため、または他に大きな病気を抱えていて全身麻酔が難しい方
  • 遺伝性腎がんのため繰り返し治療が必要な方

凍結療法の流れ

当院ではCTスキャンを使用しながら凍結療法を行っています。手術とは違い、全身麻酔はせずに局所麻酔で治療を行います。検査室で、うつぶせや横向きなどの姿勢になってCTスキャンで位置を確認しながら、体表から腎がんに向かって凍結療法専用の針を刺します。この針の内部にアルゴンガスを流すと先端が-100度以下になるため、腎がんは凍結し死滅します。がんを凍結させる時間は20分程度ですが、正しい姿勢をとり正確に腫瘍の位置を観察したりするために実際に検査室にいる時間は1-2時間程度です。

凍結療法の流れイメージ凍結療法の流れイメージ
凍結療法画像凍結療法画像
CTスキャンで位置を確認しながら腫瘍を穿刺します。

凍結療法の効果・特徴

凍結療法によって多くの腎がんはコントロール可能ですが、5から20%の腎がんは治療後しばらく経過をみているとまた大きくなってしまう(再発)と言われています。これは手術を選んだ場合の再発率が5%未満であるのに比べると明らかに劣ります。ただし、凍結療法を繰り返し行うことでコントロールしていくことは可能です。
この治療の一番の特徴は全身麻酔をせずにできるという点ですが、治療効果の限界を十分に理解して選択する必要があります。

凍結療法の合併症

凍結療法には以下のような合併症の報告があります。
  1. 出血
  2. 気胸
  3. 消化管・臓器・尿管損傷
  4. 仮性動脈瘤
  5. 皮膚の凍傷
そのため、治療の後2-3日入院でこのような合併症がおきないことを注意深く観察します。

お問い合わせ

ご関心のある方はまずは当院の泌尿器科に相談にいらしてください。
当院の泌尿器科外来は紹介制ですので、主治医の先生から画像情報を含めた紹介状を持って受診することをお勧めします。また、初診時から外来の予約も行っていますので、かかりつけの病院で確認してください。