【開催概要】市民講座「遺伝子発現のスピード違反が引き起こすガン発症メカニズム」
2019.12.22
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遺伝子発現のスピード違反が引き起こすガン発症メカニズム
令和元年12月22日(日)開催概要
講師:高橋 秀尚(横浜市立大学 医学群 分子生物学 教授)
今回は、「遺伝子発現のスピード違反が引き起こすガン発症メカニズム」と題して、横浜市立大学 医学群 分子生物学高橋秀尚 教授が講演を行いました。
講演では、がん細胞では、1)細胞増殖のアクセルの役割とする因子の産生過剰・活性化、2)細胞増殖を停止させるブレーキとなる因子の産生低下・不活性化が起っていることを示し、細胞増殖の制御が破綻するメカニズムについて注目しました。
非常に多くのがんに関連する遺伝子領域でDNAの塩基配列を読み取りRNAを合成する酵素であるRNAポリメラーゼⅡ(PolⅡ)が一時停止しており、このPolⅡの一時停止を転写伸長因子が過剰に解除することによりがんが発症すると考えられますが、転写伸長因子はどのようにして数万個の遺伝子の中からがんのアクセル因子のPolⅡを見つけるのでしょうか?
PolⅡのメディエーターに着目して解析を行ったところ、Med26を含むメディエーターが2種類の転写伸長因子複合体SECとLECをそれぞれ異なる遺伝子領域に呼び込み、がんのアクセル因子のPolⅡの一時停止を解除することがわかりました。今後、メディエーターによる転写制御の仕組みを明らかにすることでさまざまな疾患メカニズムの解明につながるとともに、Med26(メディエーター)を標的とした抗がん剤の開発が期待されることを述べ、講演を締めくくりました。
講演では、がん細胞では、1)細胞増殖のアクセルの役割とする因子の産生過剰・活性化、2)細胞増殖を停止させるブレーキとなる因子の産生低下・不活性化が起っていることを示し、細胞増殖の制御が破綻するメカニズムについて注目しました。
非常に多くのがんに関連する遺伝子領域でDNAの塩基配列を読み取りRNAを合成する酵素であるRNAポリメラーゼⅡ(PolⅡ)が一時停止しており、このPolⅡの一時停止を転写伸長因子が過剰に解除することによりがんが発症すると考えられますが、転写伸長因子はどのようにして数万個の遺伝子の中からがんのアクセル因子のPolⅡを見つけるのでしょうか?
PolⅡのメディエーターに着目して解析を行ったところ、Med26を含むメディエーターが2種類の転写伸長因子複合体SECとLECをそれぞれ異なる遺伝子領域に呼び込み、がんのアクセル因子のPolⅡの一時停止を解除することがわかりました。今後、メディエーターによる転写制御の仕組みを明らかにすることでさまざまな疾患メカニズムの解明につながるとともに、Med26(メディエーター)を標的とした抗がん剤の開発が期待されることを述べ、講演を締めくくりました。

今後も当センターの研究成果情報を講座やWEBサイト、広報物等を通じて皆さまに公表していきますので
何卒よろしくお願いいたします。
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