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【開催概要】市民講座「自己免疫疾患 全身性エリテマトーデスの治療法開発に向けての研究最前線」

2017.07.11
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「自己免疫疾患 全身性エリテマトーデスの治療法開発に向けての研究最前線」

平成29年4月20日(木)開催概要

講師 :田村 智彦(横浜市立大学 免疫学 教授)

今回は、「自己免疫疾患 全身性エリテマトーデスの治療法開発に向けての研究最前線」と題して、横浜市立大学 免疫学 田村 智彦教授が講演を行いました。

講演では、まず全身性エリテマトーデス(SLE)について、その症状や現在の治療法等の概要を説明しました。SLEは難治性の自己免疫疾患であり、様々な薬が研究・開発されていますが、現状では特効薬となる薬が開発されていません。そのため、QOL(生活の質)や長期に渡る予後を改善できる、新たな治療法が求められています。
SLEには遺伝的要因と環境的要因があると考えられていますが、遺伝的要因に着目したところ、IRF5と呼ばれる転写因子が過剰に活性化することで、SLEの発症を引き起こす可能性があることが分かりました。そこで、IRF5の機能を制御する分子のスクリーニングや、細胞などの解析を行った結果、IRF5の活性を選択的に抑制することができれば、副作用が少なく有効な治療法となる可能性を発見しました。現在、この研究の結果を元に、IRF5の働きを阻害する薬の開発をエーザイ株式会社と進めています。創薬にはこの先10年以上の時間がかかると想定されますが、この期間をなるべく短くして、患者さんにいち早く新しい治療法を届けたいと締めくくりました。

質疑応答では、非常に多くの質問が寄せられました。受講者の方からは「最新の研究をご講義いただき大変ありがたい」「10年前に比べ、遺伝子解析ができるようになったなど進歩を感じました」「SLE治療中です。一日でも早く新薬が完成しますように、期待しています」「ステロイドによる治療しか望みがないと思っていたため朗報でした」と感想をいただきました。
今後も当センターの研究成果情報を講座やWEBサイト、広報物等を通じて皆さまに公表していきますので
何卒よろしくお願いいたします。
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