【開催概要】市民講座「吸入医療イノベーション〜吸入薬で肺癌の制御を目指す研究開発の取り組み〜」

今回は、「吸入治療イノベーション〜吸入薬で肺癌の制御を目指す研究開発の取り組み〜」と題して、横浜市立大学 医学群 呼吸器病学 佐藤隆 講師が講演を行いました。
講演では、新しい治療法として肺癌免疫治療の一種である免疫チェックポイント阻害薬について解説しました。「免疫チェックポイント」は免疫に大きく関係しているT細胞が正常な細胞を攻撃するのを防ぐブレーキ装置ですが、がん細胞の中には免疫チェックポイントを作動させてT細胞からの攻撃を免れるものがあり、免疫チェックポイント阻害薬にはこの免疫チェックポイントの働きを阻害し、T細胞の働きを復活させる効果があります。この免疫チェックポイント阻害薬を用いた実際の症例を紹介するとともに、より効果的な実施を目指し、肺の病巣に薬物を直接とどける「吸入治療」を取り入れた研究や乳酸菌からバイオテクノロジーを駆使した「高機能乳酸菌」を生み出し、ナノ工学との融合によるナノバイオテクノロジーを基盤とする次世代がん治療の実用化を目指した研究を紹介し、講演を締めくくりました。

今後も当センターの研究成果情報を講座やWEBサイト、広報物等を通じて皆さまに公表していきますので
何卒よろしくお願いいたします。