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【開催概要】市民講座「腎がん研究における最新の知見」

2019.10.07
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  • 講座・セミナー

腎がん研究における最新の知見

令和元年10月7日(月)開催概要

講師:蓮見壽史(横浜市立大学 医学群 泌尿器科学 助教)

今回は、「腎がん研究における最新の知見」と題して、横浜市立大学 医学群 泌尿器科学 蓮見壽史 助教が講演を行いました。

腎がんは手術による切除以外には完全な治癒を期待できる治療法は現在のところなく、転移がある場合は血管新生阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、mTOR 阻害剤などを用いた薬物療法が行われますが、十分な治療成績が得られておらず、新たな治療法の開発が望まれています。
講演では、遺伝性腎がんの研究から、腎がんの発生・進展において直接的に重要な役割を果たす遺伝子であるドライバー遺伝子がいくつか同定されていること、代謝やクロマチン再構成遺伝子変異も重要な役割を果たしていることが示唆されていることなどを紹介しました。遺伝性腎がんは腎がん全体のわずか5%と珍しいがんですが、同定されたドライバー遺伝子の一つである VHLは一般的な腎がんでもその異常が認められており、これらの研究から得られた知見が新規治療薬開発に繋がる可能性が十分にあるとして講演を締めくくりました。

受講者からは、「基礎研究の大切さを改めて感じました」、「VHL に興味があったのでお話が聞けてよかったです」といった感想をいただきました。

今後も当センターの研究成果情報を講座やWEBサイト、広報物等を通じて皆さまに公表していきますので
何卒よろしくお願いいたします。