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国際マネジメント研究科修士1年 長尾さんが主著者の論文がJournal of the Japanese and International Economies誌で公刊決定しました

大学院国際マネジメント研究科修士1年(早期履修2年目)の長尾遼也さんが主著者となる論文が、国際的な学術誌の1つでもあるJournal of the Japanese and International Economies(※1)で公刊決定しました。 今回は長尾さんに、取り組んだ研究・論文について紹介していただくとともに、所属ゼミやYCUの魅力についてお話を伺いました。

長尾遼也さん

長尾遼也さん
大学院国際マネジメント研究科修士1年(早期履修2年目)
出身校:AICJ高校
https://aicj.ed.jp/
指導教員:中園善行客員准教授(マクロ経済学)


マクロ経済学とは・・・
景気を変化させている要因は何か?
なぜ、貧富の差が生じてしまうのか?
などといった一国の経済活動を扱う分野です。
(長尾さん解説)

※1 Journal of the Japanese and International Economies 国際的な学術誌の1つです。国際学術誌とは、研究者の研究成果をまとめた論文が掲載された刊行物です。


国際的な学術誌に論文が公刊
—今回、長尾さんが主著者の論文が公刊されるとのことですが、論文の概要を教えてください。

今回の研究は、昨年YCU大学院国際マネジメント研究科を卒業されました近藤佳裕さん(※2)と中園善行先生との共同研究です。 私たちの研究は、これまでの日本の金融政策が物価や産出量といったマクロ経済変数に影響を与えたのかについて検証しました。これまで日本銀行が行ってきた金融緩和政策が、株価や為替といった金融変数に影響を与えたという研究はありますが、GDPや物価上昇率といったマクロ経済変数に影響を与えたかどうかを検証する研究はほとんど行われてきていませんでした。そこで、アメリカの最新論文を参考にして、 日本のデータを用いて分析をした結果、金融緩和によって物価や産出量がわずかに上昇していたことがわかりました。

※2 共同研究者の近藤佳裕さん 過去にヨコ知リ!で紹介しています。
https://www.yokohama-cu.ac.jp/admissions/yokoshiri/students/2019/20200120_yoshihiro_kondo.html


書籍:中央銀行
—どのような経緯で研究を始めたのでしょう?

この研究を始めたのは、学部生の時に読んだ元日本銀行総裁白川方明さんの 『中央銀行』という本がきっかけでした。 この本を読んで、金融政策の奥深さ、 そして経済学の面白さに惹かれて研究を行うようになりました。

—主著者として論文をまとめられたとのことですが、特に苦労された点をお聞かせください。

苦労した点は、分析手法です。専門的な分析手法についてほとんどわからないところから研究が始まり、研究室の先輩に教えてもらいながら分析していましたが、大抵はミスをしていて、その点は苦労しました。

<実際に掲載された論文を見てみたい方はこちら>
https://doi.org/10.1016/j.jjie.2021.101149


所属ゼミ(中園ゼミ)ではかけがえのない仲間ができた。
-中園客員准教授のゼミではどのようなことに取り組んでいたのですか?

ゼミでは、2年生の時にマクロ経済学の洋書を輪読し、3年生の時には統計学や時系列分析を学びながら、 実際にデータを扱ってプログラミングの演習をしていました。 また、毎週ゼミ後に自分が他人に勧めたい本を紹介しあう読書会を行っていました。 専門知識とともに読書で教養を身に付けることで、学部時代には専門性と幅広い視野をバランスよく獲得できたと思っています。

研究室での様子


データ分析を通じて社会貢献を目指す。
-今後さらに深めていきたい研究と、その先の進路をどのように考えているかお聞かせください。

今後は、企業の財務データを用いて、企業の価格設定に関して研究したいと考えています。 また、来年から社会人になりますが、大学院で培った経済学と統計学を活かし、データ分析を通じて貢献していきたいと考えています。

-中園先生からのコメント

今回、国際学術誌に掲載が決まった論文は長尾さんが卒業論文として大学に提出した論文を改訂したものです。 卒業論文が国際学術誌に公刊されることは滅多にありません。 その意味で、長尾さんの論文が第一著者として国際学術誌に公刊されたことを大変喜んでいます。 長尾さんの卒業論文が公刊された背景には、長尾さんの読書経験があります。学部生時代から年間100冊ペースで濫読を続けている長尾さんは、学部3年生の時、ある一冊の本を手に取りました。 元日本銀行総裁・白川方明氏の著書『中央銀行:セントラルバンカーの経験した39年』です。大学院生でも読み進めることが難しく、また767ページに及ぶこの重厚な著作を学部時代に読了した長尾さんは、マクロ経済学と金融政策について研究するため大学院への進学を決めました。情熱を傾けることができる研究分野と出会った長尾さんの学ぶ意欲は、大学院レベルの経済理論の体得、複数のプログラミング言語の修得、そして大量のデータを手早く分析するデータ分析力へと結実し、論文が公刊される運びとなりました。経済学に深い関心を寄せ、ご自身が読み込んだ英語論文の内容を連日slackで研究室の仲間に共有し続ける長尾さんの卒業論文が国際学術誌で公刊されたのは、必然だったといえます。 修士1年とは思えない研究スキルの高さは、長尾さんの卒業後の活躍を確信させるものです。指導教員として長尾さんのような優秀でかつ情熱的な学生に出会えたことをとても嬉しく思います。 これからも共同研究者として長尾さんと一緒に研究できることを楽しみにしています。論文の公刊、おめでとうございました。


YCUを目指す受験生に向けてのメッセージ
文科系研究棟前で

僕が思う横浜市立大学の魅力は、授業や関心のある学問を選択できる幅が広いことです。
僕の高校時代はサッカーにしか関心がなく、体育大学を受験しましたが、受験に失敗して浪人してしまいました。浪人を経て横浜市立大学に入学後、僕は入学前に関心がなかった経済学、特にマクロ経済学に出会い、大学院進学までに至りました。横浜市立大学では複数の学部が開講する講義を自由に履修することができます。将来こういうところで働きたい!こういう関心を持っていて、この勉強をしたい!という明確な目標がない方でも、楽しい大学生活を送れる環境が整っていると思います!


ヨコ知り!1問1答
-長尾さんも数年前は受験生。受験生時代のことを1問1答でお聞きしました。

①YCUをいつ知った?
センター試験後

②なぜYCUを選んだ?
入学後に専攻を選べたから

③試験前日の過ごし方は?
友達と一緒にご飯を食べてました

④センター試験の結果はどうだった?
ぼちぼちでした

⑤試験当日のマストアイテムは?
カイロ

⑥おすすめ参考書
システム英単語

⑦1番勉強した場所・時間帯
朝の予備校の自習室

⑧試験当日の失敗談
おなかこわしました(笑

⑨受験勉強中のリラックス方法は?
大音量で音楽を聴きながら、よくランニングしていました

⑩受験勉強中、よく聴いた曲は?
ワンオクロックのキミシダイ列車をよく聞いていました

⑪その当時の将来の夢は?
決まってなかったです


(2021/6/1)

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