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国際総合科学部 近藤佳裕さんの論文が、国際学術誌Journal of The Japanese and International Economies誌に公刊されました!

学部3年次に、就職ではなく大学院進学を決意。そこから始めた研究が結実。

国際総合科学部 経営科学系経済学コースの近藤佳裕さんが第一著者として執筆した論文が、国際学術誌Journal of The Japanese and International Economies誌に公刊されました。
Journal of The Japanese and International Economiesは、日本経済の学術的分析と他国の経済との相互依存に関する研究レポートを発行しており、その他に政策的意義と関連する理論や、経験、比較といった分析を示す記事も取り上げる国際学術誌です。 国際学術誌に学部生が第一著者である論文が公刊されるのは極めて稀なケースです。

今回は、近藤さんに執筆した論文の内容、経緯等に加え、YCUの魅力などをお聞きしました。最後に、受験生時代についても答えてもらいました。

近藤佳裕さん
国際総合科学部 経営科学系経済学コース4年生(国際マネジメント研究科早期履修生)
出身校:広島県立廿日市高等学校
指導教員:中園善行准教授(マクロ経済学)

大学院科目の早期履修をきっかけに研究活動に

—論文の内容を教えてください。
政策評価をテーマに執筆しました。
マクロ経済政策の中でも特に金融政策の政策評価について、金融政策が金融市場に与えた影響を新規性のあるデータを用いて定量的に分析しています。
この研究には実証分析という方法を用いており、理論モデルが提示する仮説の妥当性について現実に観測されたデータを用いて検証する点に実証分析の面白さがあります。

—どのような経緯でこの研究を始めたのですか?
この研究を始めたきっかけは、学部3年次に本学大学院への進学を決めたことでした。本学には大学院科目の早期履修制度(※1)があり、条件をクリアすることで学部(4年)、大学院(2年)を5年で修了できる仕組みがあります。私は学部科目を履修しながら、その制度を利用して大学院国際マネジメント研究科の科目を早期履修しています。
大学院進学について指導教員である中園先生に相談に乗っていただいていたところ、学部時代から関心の強かった金融市場についての先行研究をご紹介いただき、この研究を始めました。

自由に挑戦・多くを吸収できる環境

—論文執筆にあたって、苦労した点はありますか?
研究には、大学院に進学すると決めてからすぐに取り掛かりました。
研究を進める過程でより専門性の高い知識が必要となってきたため、日本銀行のやっていることや政策のモチベーション、統計手法や因果の識別の仕方など、先行研究や参考書を読みながら専門知識について学びました。今回が初めての論文執筆だったこともあり、執筆作業は大変苦労しましたが、先生方から多くのことを教えていただき、研究を進めることができました。

国際学術誌Journal of The Japanese and International Economies誌

—特に意識した点、工夫した点はありますか? 論文執筆にあたって、「とにかく挑戦してみる」ことと「少しでも多くのことを吸収する」ことを意識して取り組んできました。
「自由に研究を行うことのできる環境で、気になったことには何でも挑戦してみる。」というのは大学生ならではの経験だと思い、失敗を恐れずに何でも挑戦してみることを軸に研究を進めてきました。
また、先生方から少しでも多くのことを学び、それを活かせるよう努力しました。 国際総合科学部経営科学系(現:国際商学部)は、専門的かつ他分野に渡って授業が開講されており、英語や経済学、経営学や会計学などの幅広い分野について学修できたことが研究に活きてきたと感じています。

—論文が掲載された感想を聞かせてください。
このような形で取り組んできた研究が発信されることについて大変光栄に思っています。
そして、このプロジェクトに誘ってくださった先生方、ご指導くださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

—今後の抱負、その先の進路をどのように考えていますか?
現在は株式市場のアノマリー(※2)の研究と、新しく金融政策の研究を進めています。これらの研究についても力を入れていきたいです。
将来の進路については、やりたいことがたくさんあり、なかなか決まらないのですが、研究で培ってきた、そして今後培っていく能力を活かせる仕事をしたいと考えています。

国際商学部の学生が通う金沢八景キャンパス
YCUを目指す受験生へのメッセージ

—受験生へメッセージをお願いします。
横浜市立大学の魅力は大きく分けて3点だと感じています。

1点目は、自分がしたい勉強に身を入れることができる点です。国際商学部では多分野に渡って授業が開講されており、図書館も充実している為、自身の関心のあることについて積極的に学べる環境があると感じています。

2点目は、留学生としてYCUに来ている留学生や留学に行く学生が多い点です。僕自身は行っていませんが、留学に行った友達が多く、海外での出来事や感じたことなどについていろいろな話を聞かせてもらったりしています。

3点目は、先生方が本当に熱心に教えて下さる点です。YCUは学生の人数に対して先生方の人数が多く、質問をしたり、研究や勉強等について相談したりすることができます。

受験生の皆さん、たくさんの魅力のある横浜市立大学で一緒に勉強しましょう!

指導教員の中園善行准教授からのコメント

学部生が第一著者である論文が国際学術誌に公刊されることは滅多にあることではありません。その意味で学部4年生の近藤さんの論文が第一著者として国際学術誌に公刊されたことを大変喜んでいます。

近藤さんのこの業績は、近藤さんの学ぶ意欲と獲得したスキルに関係があります。近藤さんは学部の講義や演習(ゼミ)に真面目に取り組んできました。講義や演習で経済や金融、会計の知識を修得した近藤さんは証券アナリスト資格(※3)1次試験に合格しています。また大学で統計関連の講義を複数受講し、統計検定(※4)2級にも合格しました。学びに対してひたむきな姿勢が研究成果として現れたことは、ひとえに近藤さんが本学在学中に積み上げてきた努力のたまものです。
また論文が公刊された背景には、近藤さんの高い研究スキルを挙げることができます。近藤さんはStataやEViewsといった統計パッケージソフト(※5)のみならず、RやPythonといったプログラミング言語(※6)を操ることで、大量のデータを手早く分析してきました。学部4年生とは思えないこのスキルの高さは、近藤さんの進学後、就職後の活躍を確信させるものです。共同研究者として近藤さんと仕事をともにできたことを喜んでいるところであり、また指導教員として近藤さんのような優秀な学生に出会えたことをとても嬉しく思います。

※1 大学院科目の早期履修制度
3年次を終了した時点で、研究科が定める要件を満たした学生が博士前期課程の開講科目を履修できる制度。早期履修する期間は、学部4年次となる。 この制度により、学部卒業後1年で修士号を修得できる可能性がある。

※2 アノマリー
英語では、anomaly「異常、変則」の意味。株式市場においては、理論に基づく説明ができない市場の変化のことを指す。投資手法として用いられることがある。

※3 証券アナリスト資格
一定の学習、訓練、経験を通じて、証券アナリストとして必要なスタンダードに達したことを認定する資格(証券アナリストとは、証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルのこと)

※4 統計検定
統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験のこと。 データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められている。

※5 統計パッケージソフト
パソコンや大型計算機上で動くアプリケーションの1種で、統計計算(データの入出力や、データの変換、各種の統計的仮説検定など)を専用に行なうことを目的として作られたアプリケーションのこと。Stata、EViewsも統計ソフトの一つ。

※6 プログラミング言語
人間がコンピュータに命令を指示するときにコンピュータプログラムを記述する形式言語で、コンピュータが曖昧さなく解析できるように設計されている言語のこと。RやPythonもその一つ。

ヨコ知り!1問1答

近藤さんも数年前は受験生。受験生時代のことを1問1答でお聞きしました。

1.YCUをいつ知った?
高校3年生の秋

2.なぜYCUを選んだ?
自分のしたい勉強ができると思ったから

3.試験前日の過ごし方は?
二次試験の過去問を読んでいました。

4.センター試験の結果はどうだった?
今までで一番いい結果でした。

5.試験当日のマストアイテムは?
iPod

6.おすすめ参考書
問題精講シリーズの英語

7.1番勉強した場所・時間帯
放課後の教室。

8.受験勉強中のリラックス方法は?
友達と話す、散歩する。

9.受験勉強中、よく聴いた曲は?
RANCIDのLife Won’t Waitというアルバム

10.その当時の将来の夢は?
通訳だったと思います。

(2020/01/20)

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