学会発表・講演など
IFFS World Congress 2025
Centre for Trophoblast Research 17th annual meeting 2024 /
欧州生殖医学会 ESHRE 2024 学術集会


2024年7月1日から2日に英国ケンブリッジで行われた胎盤系発生研究センター会議17thCTR(17th annual meeting of the Centre for Trophoblast Research)および2024年7月7日から10日にオランダ、アムステルダムで行われた欧州生殖医学会ESHRE2024学術集会にて、当院の生殖医療センターの伊集院昌郁助教が、先日、村瀬教授らが特許を取得したCD163に関する研究で講演しました。
この研究で、卵子を採取する際に得られる卵胞液に含まれる「CD163」という物質の濃度が、妊娠に至った卵子が入った卵胞液では濃度が高いことを発見しました。更なる研究によって、このCD163の濃度を測ることでどの卵子を使うべきか、あるいは追加の採卵をすべきか判断できるかもしれません。そしてより効率的かつ客観的な治療戦略の立案につながる可能性があります。
欧州生殖医学会 ESHRE 2024 学術集会


2024年7月7日から10日にオランダ、アムステルダムで行われた欧州生殖医学会ESHRE2024学術集会にて、横浜市立大学大学院生で生殖医療センターの末吉寿実鼓先生(指導教員:村瀬真理子診療教授)が精子核型解析の研究について講演しました。
無精子症患者の精子を使った顕微授精では流産率が高いことが知られており、欧州では無精子症は着床前診断の適応となっています。この研究では、無精子症患者精子のうち臨床で使用可能な形態のものを単離して、染色体の異常の有無を解析しました。解析によって、非閉塞性無精子症患者精子の方が、閉塞性無精子症患者精子よりも染色体異常が多く、また非閉塞性無精子症患者の中でも染色体異常の頻度に個人差があるという結果を得ました。今後、無精子症患者の精子をICSI前に解析しておくことで、将来のPGT-Aの必要度の判断材料にできる可能性があります。この学会の口頭発表は、非常にハードルが高く、大学院生が選ばれたり、同じ年に2名が口頭発表に選ばれることは前例がなく、当センターの研究の発展が伺われます。