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アクティブ・ラーニング推進プログラムレポート「神奈川県における外国につながりを持つ生徒の教育支援活動」(エスニシティ論)(3)

2015.06.22
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アクティブ・ラーニング推進プログラムレポート「神奈川県における外国につながりを持つ生徒の教育支援活動」(エスニシティ論)(3)

「外国につながりを持つ子どもの高校進学支援フォーラム」に参加して

国際文化コース坪谷ゼミ2年 鈴木千都
6月7日に川崎市国際交流センターで行われた多文化活動連絡協議会主催の「外国につながりを持つ子どもの高校進学支援フォーラム参加」に参加しました。当日は、学習支援室「わかば」の学習支援者、ボランティアに興味のある人、行政、私たち学生などたくさんの参加者がいて各々の学びの場となりました。私自身、各地で学習支援をしている人がいるのだと実感しただけでなく、どんな学習支援をしているのかと興味を持ち、少しお話しする機会もあり刺激をいただきました。
フォーラムでは神奈川県における外国につながりを持つこどもの学習支援の取り組みの実態や、全国とのデータによる比較、実際に学習支援を受けたこどもの支援の事例紹介、外国につながる乳幼児が多い保育園で通訳として働く人へのインタビューなど、今まで知らなかった話題や事細かなケース内容を聞くことができました。
フォーラム全体を通じて強く感じたことは、データはあくまでデータであり、私たち支援者は支援を受ける子どもひとりひとりに対してどのような支援が必要なのか逐一考えていくことが必要だということです。「このような現状のお子さんにこのように支援を進めていきました」「支援するにあたりこういうことに気をつけました」という話は実際の支援をするにあたり、経験の少ない私にとってとても参考になりました。
しかし、実際に私が支援するお子さんはフォーラムで事例として挙げられたお子さんではないし、状況も目標も違うため、あくまで伺った話は参考にしながら、支援すべきお子さんにはそのお子さんのための支援計画を立てていくことが大切だと思いました。経済状況も含む家庭の状況や、お子さんの学習到達度、将来の目標など、私的領域にまで踏み込んで支援を進めなければいけない事例もフォーラムで聞くことができました。なおさらそのような場合は慎重にかつしっかり支援を必要とする方々と向き合っていかなくてはいけないと感じました。

外国につながる子どもへの学習支援活動について

国際文化コース坪谷ゼミ2年 石月星
ゼミを通して、学習支援教室「わかば」に参加させてもらっています。「わかば」では私たちは外国につながりのある中学生、高校生たちを支援しています。そこでの経験から様々なことを考えることができました。
例えば、漢字の勉強にしても歴史の勉強にしても、子どもたちは私たちとは異なり非常に苦労します。現在の日本の一般的な教育では、日本で成長する中で自然に学んでいくことを学習の前提として考えられているためです。また、一見ことばの壁とは無縁そうな数学でも、文章問題や証明などではやはり困難があります。日本で育っていない子どもたちは学習する上で多くの困難があることが感じられました。また、子どもたちは様々な家庭環境を持っていて、来日時期も違い、うまくことばが出てこない子や毎回支援教室に参加できない子もいました。支援する側として子どもたち一人ひとりに合わせて支援していく必要性を感じました。
しかし、その中でも子どもたちは勉強しようという意欲がとても高く、積極的に質問してくれる子もいて驚きました。こうしたことは、わかばで子どもたちと実際に接して発見できたことだと思います。そして子どもたちは自分の立場を悲観する様子も見せず、自分がやりたいことのために努力をしていて、私たちも改めて子どもたちの力に少しでもなれるように支援をしていきたいと思いました。
短期の夏休みの宿題支援を行った時に、子どもたちの方から「またやりたい」と言ってくれたこともありました。活動を継続していくことで、子どもたちの意思も尊重しつつ、子どもたちとの信頼関係を築いていくことが大切だと思いました。勉強だけでなく、子どもたちとの交流を通してお互いに心を通わせていきたいと思います。そして学習支援教室「わかば」などの活動を通して学んだことを生かして、これからのゼミの活動に取り組んでいきたいと思います。また、こうした子どもたちがいること彼らがどのような環境におかれているのかということを多くの人に伝えて、支援の輪を広げ、彼らの環境を改善していけたらと思います。
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