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大学院生の飯沼 卓也さんが行動経済学会でポスター報告奨励賞を受賞!

2025.01.08
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国際マネジメント研究科博士後期課程1年(中園善行研究室所属)の飯沼 卓也さんが、2024 年12月6日~12月8日に立命館大学いばらきキャンパスで開催された「行動経済学会第18回大会」において、ポスター報告奨励賞 を受賞しました。
飯沼 卓也さん
受賞者
国際マネジメント研究科 
博士後期課程1年

飯沼 卓也いいぬま たくやさん

丹後 健人さん
共著者
国際マネジメント研究科 
博士後期課程3年

丹後 健人たんご けんとさん

指導教員
国際マネジメント研究科
中園 善行 教授(マクロ経済学)
受賞内容
行動経済学第18回大会 ポスター報告奨励賞
発表題目
Monetary Policy Communication and Social Identity: Evidence from a Randomized Control Trial
(日本語訳:金融政策のコミュニケーションと社会的アイデンティティ)

今回の発表内容について飯沼さんに解説していただきました
中央銀行は、総裁の記者会見や景気見通しの公表等の情報発信を通じて、家計や企業の予想インフレ率*1の安定化に努めています。過去の研究では、人々の間で予想インフレ率にばらつきがあると、中央銀行が行う金融政策の効果が弱まることが指摘されています。本研究では、情報の受け手の社会的アイデンティ(性別、居住地、内閣支持率)が、予想インフレ率にどのような影響を与えるのかを情報介入実験で検証しました。実験では、中央銀行が予測したインフレ率を音声で伝え、その情報を聞く前後で、情報の受け手の予想インフレ率がどのように変化したのかを比較しました。結論は、情報の発信者と受信者の社会的アイデンティティが近い人ほど、情報受信者の経済見通しが中央銀行の見通しと整合的になるため、消費者のインフレ率予想が大きく改訂されることが分かりました。この結果は、中央銀行の情報発信においては、何を発信するかとともに、誰が発信するかが重要である可能性を示唆しています。本研究は、中央銀行による情報発信の在り方に、一石を投じる研究と言えます。

飯沼 卓也さんのコメント
素晴らしい賞を頂くことができて大変光栄に思います。このような評価を頂くことができたのは、指導教員の中園先生や、研究室の方々のおかげです。また学会で沢山の先生方からコメントを頂けたことに感謝しています。

丹後 健人さんのコメント
この度は賞を頂くことができて大変光栄に存じます。受賞できたのは筆頭著者である飯沼さんの発表のおかげです。飯沼さん、ご受章おめでとうございました。

指導教員 中園 善行教授のコメント
「会社員として働きながら博士号を取りたいのですが可能でしょうか」。飯沼さんが研究を始められたのは、ゼミの同窓会で相談を受けたことがきっかけでした。飯沼さんは10年以上前に本学の国際総合科学部(現・国際商学部)に入学しました。留学経験や海外の有力大学でのサマースクール経験等を経て、本学を卒業し、国立大学で修士号(経済学)を取得しました。その後はアセットマネジメント会社においてデータサイエンティストとして活躍していましたが、日々業務を遂行する中で、高度専門職業人として更にスキルアップを目指したいという強い気持ちを抱えていたようです。覚悟を決めた飯沼さんは、2024年度に博士後期課程に進学し、日中は業務に邁進しつつ、平日夜と週末にコツコツと研究を続けました。日々多忙な社会人大学院生が受賞に至る例は稀であり、その意味で飯沼さんの受賞は大変喜ばしい限りです。飯沼さん、受賞おめでとうございました。

用語説明
*1 予想インフレ率:市場関係者や消費者、企業などが将来の物価上昇を予想する値で、経済活動や金融政策において重要な指標
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