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国際総合科学部の加納 怜さんと髙橋 淳さんが共同で執筆した論文が、「JHPS AWARD」で優秀賞を受賞!

2022.04.11
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「金融政策ショックに対する消費支出の異質的反応」と題した論文が、優れた学術研究論文であると評価されました。

国際総合科学部経営科学系4年生の加納 怜さんと髙橋 淳さんが共同で執筆した「金融政策ショックに対する消費支出の異質的反応」と題した論文が、2022年3月に開催されたパネルデータ論文コンテスト 第3回 JHPS AWARDにおいて、優れた学術研究論文であると評価され、優秀賞を受賞しました。
「JHPS AWARD」は慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センター(以下、PDRC)が、パネルデータの利用拡大と大学生における学術研究の促進を目的として実施しています。PDRCが提供するパネルデータを利用した実証論文の中から卓越した学術研究論文が表彰されます。
加納さんと高橋さんは共に中園善行ゼミ(マクロ経済学)に所属し、2022年4月には国際マネジメント研究科への進学を決めていることから、今後の研究活動にも期待がよせられます。
受賞者
国際総合科学部 経営科学系経済学コース4年 (受賞当時)   
加納かのう  怜   れい さん

国際総合科学部 経営科学系経済学コース4年 (受賞当時)   
髙橋たかはし  淳   じゅん さん

※所属は入学時の学部名称です。2019年4月より学部を再編しています。

論文題目 
「金融政策ショックに対する消費支出の異質的反応」


左:加納さん 右:髙橋さん (研究室での様子)
発表内容
—加納さんと髙橋さんに研究論文の内容を解説していただきました。

日本銀行の金融政策に対する消費者の反応はどの程度異なるのか?これが私たちの挑戦した問いでした。この問いに挑むため、私たちは家計の消費行動が長年にわたって記録されたデータに専門家の予測データ等を接続させ、さらにこれらのデータセットに対し、因果推論の手法を駆使することで、金融政策の予期されなかった変化が家計消費に与える反応を分析しました。
結果として、負債を抱える家計は金利が上昇するような金融政策に直面すると消費を減少させていたこと、反対に金融資産を多く保有する家計は、金利が上昇するような金融政策に直面すると消費を増加させていたことがわかりました。本研究の結果は、マクロ経済政策としての金融政策が家計間に異なる影響を与えることを示したことになります。金融政策の効果が経済全体に与える影響は従来考えられていたよりも相当複雑であることが示されたため、家計消費に対する研究の蓄積に微力ながら寄与できたのではないかと考えています。
図1:金融政策に対する経済成長率の反応 図2:利子率の変化に応じた消費配分の変化

加納 怜さんのコメント

今回このような賞をいただき大変光栄に思います。今回の研究は髙橋淳さんとの共同研究です。評価をいただけたのは、研究や論文執筆にあたりお力添えいただいた中園先生、研究室の先輩方のおかげだと感じております。共同研究者の髙橋さん、中園先生、研究室の先輩方に心より感謝申し上げます。
私は中園先生をはじめ研究室の先輩方に憧れを抱き進学を決意しました。目標とする中園先生や研究室の先輩方の足元にも及びませんが、少しでも近づくことができるよう、より一層研究に励んでまいります。

髙橋 淳さんのコメント

今回、このような素晴らしい賞を頂くことができて大変光栄に思います。このような評価を頂くことができたのは、指導教員の中園先生や、研究室の先輩方、そして共同研究員の加納怜さんのおかげです。心より感謝申し上げます。 私は中園先生や、研究室の先輩方、同期の加納怜さんと一緒にマクロ経済学をさらに研究したいと思い、大学院への進学を決意しました。今後はオンラインショッピングに関する家計消費についての研究を、さらに深めていきたいと考えています。研究や分析に関してまだまだ未熟ではありますが、少しでも成長できるように日々精進していきたいです。

指導教員 中園善行客員准教授のコメント

金融政策の効果を検証する研究は、マクロ経済学にとって最も重要な研究の一つです。したがって競争が激しい分野でもあります。そうであるにもかかわらず学部生のお二人が高い成果を上げられたのは、加納さんと髙橋さんが日々たゆみない努力を続けてきたからです。国会図書館から資料を取り寄せる。数十年にわたる資料を手作業でデータ化する。データセット構築や統計分析のために必要なそれぞれのプログラミング言語を習得する。経済理論を同時並行で学ぶ。そして論文を執筆する。誰でも利用可能なデータセットを活用し、直感的でかつインパクトのある研究成果を出すことができたのは、年末年始を返上してまで泥臭い作業を継続されたお二人の努力の賜物です。その努力に敬意を払いたいと思います。
加納さんと髙橋さんは大学院に進学され研究を続けられます。今後も一緒に研究できることを楽しみにしています。ご受賞おめでとうございました。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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