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現2年次生の歓迎式典 横浜市立大学 学長式辞

2022.04.14
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現2年次生の歓迎式典 横浜市立大学 学長式辞

新型コロナウィルス感染症の感染拡大により入学式が中止となった、令和2年度入学者(現2年次生)の歓迎式典開催

2020年度に横浜市立大学に入学された皆さん、本日はあらためてご入学を祝したいと思います。
おめでとうございます。これまで学生を支えてこられたご家族の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。

本来は、2年前にこの会場で入学式を挙行するはずでしたが、当時は新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながら挙行することが出来ませんでした。本日、入学式にかわる歓迎式典を開催し、大学として皆さんに歓迎の気持ちをお伝えする機会を持つことができたことを、大変うれしく思います。

さて、皆さんは入学後、新型コロナウイルス感染症の波が何度も押し寄せる中で、大きく制限された大学生活、社会生活を送ることとなりました。授業のオンライン化はもとより、留学やフィールドワーク、部活やサークル活動の制限、様々なイベントの中止など、皆さんが入学前に思い描いた学生生活とはほど遠いものであったと思います。
現在も、社会は新たな変異株の脅威に絶えずさらされていますが、ワクチン接種や治療薬の開発が進み、さらには感染対策の経験が積まれたことにより、社会は次第に活動を復活させつつあります。本学もこの2年間、学修・研究環境の整備に取り組み、現在は授業や課外活動だけでなく、長期、短期の海外留学など、学内外の交流を正常化させつつあります。
これからも、学生生活の充実を図り、学生の皆さんを支えていきます。

さて、本学は、2028年には、その始まりである横浜市立横浜商業専門学校創設から数えて創立100周年を迎えます。
国際的商業都市である横浜で、多くの人材を輩出しながら地域経済を支える一方、データサイエンス学部や研究科を新設するなど、時代の要請に応えながら横浜と共に発展してきました。
また、附属病院は、その始まりである横浜仮病院の開設から数えて、昨年150周年を迎えました。開設後は十全病院と改名し、コレラや天然痘などの輸入感染症の拡大阻止に、大きな役割を果たしました。このような伝統のもと、現在は附属病院、附属市民総合医療センター、医学部が、新型コロナウイルス感染症に横浜市と連携して対応しています。
一方、感染症の拡大により、社会の変化は著しく加速しました。オンラインにより世界が繋がり、あらゆる分野でデータサイエンスの重要性が叫ばれ、デジタル化や人工知能(AI)の技術開発と活用が進んでいます。さらに、現在世界は、温暖化とそれによる災害の多発、海洋汚染、エネルギー問題、人権問題、そして軍事侵攻といった、多くの重い課題への対応を迫られています。
そのような時代で期待されるのは、過去に囚われない自由な発想のもとに進められる様々な研究・開発や、持続可能な社会のための活動です。
既に大学生として2年間を過ごしてきた皆さんは、これまでにも増して、自分自身で社会の様々な問題とその解決について考えることが求められます。
その過程で、興味を持ったことには、積極的に挑戦することを勧めます。もちろん、できうる限りの準備をした上でのことですが、たとえ失敗してもその体験のすべては皆さんの力となり、人生における大きな財産となります。また、挑戦する過程で多くの人と関わることは、人の心を理解し、人と協力して何かを進めるために必要な「共感力」や「洞察力」を養うことにも繋がります。
それらは、将来、皆さんが社会にでたときの大きな力となります。

国際教養学部、国際商学部、理学部、データサイエンス学部の皆さんは、自分が研究・開発したいものは何か、自分は社会のために何をしたいのか、そのために自分が身につけるべきものは何かを真剣に考え、学修計画や研究計画を能動的に立ててください。激動の時代にあって、皆さんが卒業する二年後にどのような社会が待ち受けているのか、だれにも分かりません。しかし、どのような環境においても前に進むための力と強い心を、本学で養ってほしいと思います。

医学部の皆さんは、今は医学、看護学の基礎を学んでいます。医学の進歩はめざましく、皆さんが身につけなければならない学修内容は、極めて多くなっています。さらに、よき医師、看護師になるために必要なものは、医学の知識や技術だけではありません。それは人を思いやる心であり、様々な価値観を理解しようとする姿勢です。患者さん一人一人の人生において最良の選択肢を共に考えられる医師、看護師になってほしいと思います。また、この2年間で医学研究や予防医学等に興味を持った人たちもいると思います。今、皆さんが医療および医学の領域において課題として認識していることや興味を持っていることを忘れず、将来の医療者として、そして医学研究者としての活力の源にしてください。

さて、本学には、「国際都市横浜と共に歩み、教育・研究・医療分野をリードする役割を果たすことをその使命とし、社会の発展に寄与する市民の誇りとなる大学を目指す。」というYCUミッションがあります。

このミッションのもと、本学は、地域社会はもとより世界で活躍する人材を育成し、研究では世界レベルの先端的な研究を推進してその成果を還元することにより、広く社会に貢献することを目指しています。皆さんが、これからも本学で学び、研究活動や社会活動を通して様々な経験を積むことにより、将来、社会になくてはならない存在、さらには新しい社会を切り開く存在となることを強く願っています。

最後に、皆さんがこれからも本学で研鑽を積み、友人や周囲の人たちと互いを尊重しながら素晴らしい時間を過ごされることを願い、私の式辞と致します。

 令和4年4月4日 
横浜市立大学 学長 相原 道子

令和2年度入学者歓迎式典を挙行しました。

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