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【YCU RESEARCH 2021】COVID関連研究(肝胆膵消化器病学)

2021.09.22
  • TOPICS
  • 研究

COVID関連研究(肝胆膵消化器病学)

 

2021.9.22


Gastrointestinal Cancer Stage at Diagnosis Before and After the COVID-19 Pandemic in Japan JAMA network open

COVID-19パンデミックによる受診抑制が消化器がんに及ぼした影響~胃がん・大腸がん(特に早期)の診断数が減少し、診断時のStageが進行~


肝胆膵消化器病学  日暮琢磨 講師
医学研究科            葛生健人(現所属:横浜医療センター  消化器内科 医師)


消化器がんの新規診断に関してCOVID-19が流行する前と流行期での変化を調べた結果、胃がん、大腸がん、特に早期胃がんと早期大腸がんの診断数が有意に減少し、大腸がんに関しては進行したStageで発見される例が増加したことを本邦で初めて報告しました。今後COVID-19の流行による受診抑制が続くと消化器がんの予後の悪化に繋がる可能性があり、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。

2021.9.09


Evaluation of a combination protocol of CT-first triage and active telemedicine methods by a selected team tackling COVID-19: An experimental research study

COVID-19診療チーム(チームC)
脳神経外科            三宅茂太 大学院生
肝胆膵消化器病学  日暮琢磨 講師


世界中で新型コロナウイルス感染症COVID-19の診療にあたる医療従事者の感染が報告され、また医療者の精神的なストレスが問題となっている。当院では、COVID19診療に対して院内感染リスクの低減を目指してチームCOVIDを立ち上げ診療を行った。2020年4月17日~5月24日に10名の医師が協力し、積極的な遠隔医療と外来患者へのコンピュータ断層撮影(CT)トリアージプロトコルの実施を試みた結果、研究期間中、新型コロナウイルスSARS-CoV-2に対する抗体検査で抗体価の上昇はなく、チーム終了時のPCR検査でもチーム全員が陰性であった。さらにSF-36®*の質問を評価したところ、身体的および精神的QOLの悪化はなかった。

この当院の取り組みは、COVID-19に取り組む医療スタッフの安全性を向上させ、COVID-19に対処するシステムの構築に役立つと思われる。
 

*SF-36®は、健康関連QOL(HRQOL: Health Related Quality of Life)を測定するための、科学的で信頼性・妥当性を持つ尺度 
 

2021.6.18

Real-world evaluation of a computed tomography first triage strategy for suspected Coronavirus disease 2019 in outpatients in Japan

COVID-19診療チーム(チームC)
脳神経外科            三宅茂太 大学院生
肝胆膵消化器病学  日暮琢磨 講師

本研究は2020年2月から5月のダイアモンドプリンセス号から緊急事態宣言、第一波の際に附属病院で立ち上げられた、医師によるCOVID-19診療チーム(チームC)の診療内容を論文報告したものになります。

当時はPCR検査も充足しておらず、COVID-19が疑われる患者さんはCTを撮影し、身体所見とCT所見でCOVID-19疑い濃厚例とCOVID-19の可能性が低い症例とトリアージを行い診療していました。

本研究の対象となった108名の患者のうち、CTトリアージで48名(44.9%)をCOVID-19疑いと分類され、このうち9例(18.8%)がPCR検査で陽性でした。一方、COVID-19の可能性が低いと考えられた群では、PCRで陽性となった患者はいませんでした。CTを用いて高リスク患者を絞り込む方法は有用であったと報告しました。

CTトリアージプロトコルは、COVID-19が疑われる患者のスクリーニングに適用可能であり、特にPCRが十分に行えない地域やそのような状況で役立つと考えられます。

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