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【YCU RESEARCH 2021】COVID関連研究(救急医学/附属病院 救急科)

2021.08.31
  • TOPICS
  • 研究

COVID関連研究(救急医学/附属病院 救急科)


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 2021.8
 

Long-Term Decreased Exercise Capacity of COVID-19 Patients Who Received Mechanical Ventilation in Japan A Case Series  

人工呼吸器管理を受けたCOVID-19患者の長期運動耐容能の低下について


リハビリテーション科学 佐伯 拓也(大学院博士課程・理学療法士)、中村 健 教授
救急医学 小川 史洋 助教、竹内 一郎 教授


急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症したCOVID-19患者の長期的な運動耐容能は明らかとなっていない。COVID-19によりARDSを発症した患者4名の6分間歩行距離(6MWD)について、入院後6ヶ月間追跡調査した。これら 4 名の患者は,当院の集中治療室に入院し,人工呼吸器管理を受けた.集中治療室に入院後,リハビリテーション治療(ポジショニング,体位ドレナージ,受動的可動域訓練)を開始した.鎮静終了後に離床(筋力トレーニング,ベッドの端に座る,持久力トレーニング)を実施した。集中治療室から退室した後,Medical Research Council sum scoreとBarthel Indexは改善傾向がみられ,入院後6カ月で完全に回復した.しかし,4名の患者の6MWDは,入院6カ月後においても同年齢の健常者に比べて短いままであった.さらに、6分間歩行試験中の最小Spo2値は96%未満にとどまった。COVID-19に伴うARDSにより人工呼吸器管理を受けた患者は,筋力や日常生活動作は完全に回復するものの,長期的な運動能力が低下している可能性がある.
  

new! 2021.4.20
 

An evaluation of venous thromboembolism by whole-body enhanced CT scan for critical COVID-19 pneumonia with markedly rises of
coagulopathy related factors: a case series study 

重症新型コロナウイルス感染症における全身造影CTを用いた静脈血栓症の評価 

附属病院 救急科 小川 史洋 助教、大井 康史 助教
救急医学 竹内 一郎 教授

 
世界中で蔓延している新型コロナウイルス感染症は当初から重症患者において凝固障害を呈することが多いとされており、現状の治療の中に抗凝固療法の必要について示唆されているものの、きちんとしたエビデンスが得られていない。本研究では当施設で経験した静脈血栓症を合併した重症新型コロナウイルス感染症患者の特徴に触れ、全身造影CTの有用性と抗凝固療法の必要性について報告した。

2021.10.20

Identification of serum prognostic biomarkers of severe COVID‑19 using a quantitative proteomic approach

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の 血清予後予測マーカータンパク質を発見


先端医科学研究センター  プロテオーム解析センター  木村弥生 准教授
センター長  梁  明秀 (微生物学 教授)
救急医学        竹内一郎 教授
臨床統計学     山本紘司 准教授
免疫学            田村智彦 教授
呼吸器病学     金子   猛 教授


質量分析計を利用したプロテオーム解析技術を用いて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者の予後と密接に関連する血清タンパク質を明らかにしました。これらのタンパク質の測定は、予測される予後に基づいた適切な治療の提供に役立つことが期待されます。 
 

2021.8.24

Temporal change in Syndecan-1 as a therapeutic target and a biomarker for the severity classification of COVID-19

救急医学 小川 史洋 助教、竹内 一郎 教授


重い呼吸不全を伴う新型コロナウイルス感染症肺炎は、微小血栓症や微小血管内皮損傷との関連があり、死亡率が高くなっています。SDC1遺伝子によってコードされるタンパク質Syndecan-1は、内皮傷害に関するCOVID-19の重症度を予測するバイオマーカーとなる可能性があり、横浜市立大学附属の2病院において、2020年2月から1年間のCOVID-19症例のデータを解析した結果、SDC1濃度の時間的な変化が、COVID-19の重症度と密接に関係することが明らかとなりました。

 

2021.8.22

Combining IL-6 and SARS-CoV-2 RNAaemia-based risk stratification for fatal outcomes of COVID-19

救急医学 佐治 龍(大学院生)、酒井 和也(大学院生)西井 基継 講師、竹内 一郎 教授

新型コロナウイルス感染症COVID-19のパンデミックにより、人工呼吸器(MV)の使用が急速に増加し、このような症例はさらに体外膜型人工肺(ECMO)を必要とすることが多く、死亡率も高くなります。病態の悪化を生理学的に反映する予後バイオマーカーの開発を目的として、中等度から重度のCOVID-19患者102例からデータを収集し、血漿中のIL-6レベルと新型コロナウイルスSARS-CoV-2の RNAのコピー数を調べたところ、12例はMVの使用にもかかわらず急性呼吸窮迫症候群のため死亡またはECMOを必要としました。SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)/FiO2(吸入酸素濃度)やIL-6レベルと、炎症や血症の重症度を組み合わせることにより、正確かつ挿管前に、ECMOやMVの使用にもかかわらず院内死亡するリスクの高いCOVID-19患者を診断することができます。

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