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令和3年度 横浜市立大学卒業式  学長式辞

2022.04.14
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令和3年度 横浜市立大学卒業式  学長式辞

本日は、ご卒業おめでとうございます。

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
これまで皆さんを支えてこられたご家族の皆様にも、心よりお慶び申し上げます。また、横浜市の小林副市長におかれましては、ご多忙の中、卒業式にご列席賜り、感謝申し上げます。

今年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、出席者を絞っての開催となりました。ご家族の皆様がこの会場で共に卒業生を祝うことが出来ないことは誠に残念ではありますが、多くの方々が皆さんのご卒業を、オンライン配信を通して祝って下さっていることと思います。また、先日の福島県沖を震源とする地震で被災した皆様にお見舞い申し上げますとともに、被災により本日の卒業式に出席できない学生がいることは誠に残念でなりません。せめてオンラインで参加できる状況にあることを願いつつ、教職員一同、心を込めてお祝いと応援をしたいと思います。

さて、本年は、法人化と同時に開設した国際総合科学部の最後の入学生の卒業の年であり、またデータサイエンス学部およびデータサイエンス研究科博士前期課程、医学研究科看護学専攻博士後期課程の初めての卒業生および修了生を送り出す年でもあります。卒業生の皆さんは、残念ながら本学での最後の二年間を、新型コロナウイルス感染症のパンデミックのもとで過ごすことになりました。オンラインによる授業や感染対策をとりながらの実習といった新しい授業形態への対応に加え、課外活動や国際交流、卒業研究において、さらには就職活動において、これまでの卒業生にはない多大なご苦労があったと思います。それらを乗り越え、本日の卒業を迎えられたことを心からうれしく、また誇らしく思います。

本学には、皆さんがご存じのように、「国際都市横浜と共に歩み、教育・研究・医療分野をリードする役割を果たすことをその使命とし、社会の発展に寄与する市民の誇りとなる大学を目指す。」というYCUミッションがあります。教育においては、社会の発展に寄与する人材を育成するため、問題発見・課題解決力、異なる価値観や多様性を理解することが出来る豊かな教養、語学力を含めた国際性を身に付けることを目指しています。
国際総合科学部とデータサイエンス学部の卒業生の皆さんは、それらを身につけるとともに、それぞれの分野の専門教育を受ける過程において、また、学内外での交流を通して様々な経験をしたことと思います。失敗もあったと思います。失敗も含めた大学での経験のすべてを糧とし、今後社会で研鑽を積むことによって、将来、横浜は元より、広く世界で活躍する存在となることを願っています。

医学部を卒業する皆さんは、附属二病院のスタッフが感染症と全力で闘う緊張感をこの二年間、直に感じたことと思います。これからは皆さん自身が、医師として、看護師として、人の命と直接向き合うことになります。
また、同時に人の心のありようにも直接関わることになります。人にはそれぞれ生きてきた歴史や価値観があり、医学的な正解が患者さんにとっての最良の治療であるとは必ずしも限りません。患者さんに寄り添うと言うことは、皆さんが今思っているより遙かに難しいことであり、今後経験を積んでいく中で、それをますます強く感じることと思います。卒業後は患者さんから多くを学びながら、医療者として、また医学の研究者として成長し、医療や医学の発展に貢献することを願っています。

大学院を修了する皆さんは、研究を通して高い専門性を身につけました。その専門性を生かすとともに、過去にとらわれない自由な発想で、明日の世界を切り拓いてほしいと思います。また、データサイエンス研究科の初めての修了生の皆さんは、まだ日本に少ない研究科の修了生として、今後の活躍が注目されています。様々な分野で、データサイエンスを生かした持続可能な社会の創造に貢献することを期待しています。
また、学位取得後も研究者を目指す皆さんは、よりハイレベルな研究を進めることにより、世界の高みを目指してして羽ばたいてください。皆さんが発信するインパクトのある世界的な研究成果は、本学の、そして横浜の大きな誇りとなります。

さて、今、世界では温暖化の進行による自然災害の増加や感染症との共存など、多くの深刻な課題を抱えています。VUCA(ブーカ)時代といわれる変動性・不確実性・複雑性・曖昧性の時代に突入し、グローバル化やデジタル化とともに、社会では様々な改革が急速に進んでいます。そのような時代に求められるのは、確かな知識や技術のもとに、新しい発想とそれを行動に移すチャレンジ精神をもつ人材です。激動の時代は、若者にとって試練の多い時代ではありますが、「自分たちの手で新しい社会を作っていく」チャンスの多い時代でもあります。将来にわたり、皆さんが「社会を支える存在」として、さらには社会活動や研究活動をとおして「新たな社会の創造」、言いかえると「社会の変革」に関わることのできる存在となることを、期待しています。

最後に、本学は、2028年に横浜市立横浜商業専門学校創設から数えて創立100周年を迎えます。また、横浜市立大学附属病院は、その前身である横浜仮病院から数えて昨年で150周年を迎えました。将来に向けて根岸の高台に新しい医学部および附属病院の建設も計画されています。卒業生の皆さんは、この伝統ある大学、これからも発展していく大学の「大切な一員」であり、私たちはいつまでも皆さんを心から応援しています。そして皆さんがこれからぶつかるであろう様々な困難にひるむことなく立ち向かい、新時代を強く、そしてしなやかに生きることを願っています。

卒業生の皆さんのこれからの素晴らしき人生と、社会でのご活躍を心より祈念し、私の式辞と致します。
令和4年3月25日
横浜市立大学 学長 相原 道子

令和3年度 横浜市立大学卒業式を挙行しました。

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