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中心動脈脈波指標と腎硬化指標の関係を調査

2021.03.16
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  • 学生の活躍

医学科4年生の沼田さん、日本循環器学会関東甲信越地方会でStudent Award最優秀賞!

医学部医学科4年生の沼田 大輝さんが、令和3年2月13日(土)~2月15日(月)にオンライン開催された第259回 日本循環器学会関東甲信越地方会で『中心動脈脈波指標の腎機能検査への応用』について発表を行い、Student Award最優秀賞を受賞しました。
附属病院循環器内科に通院する患者さん46名の協力を得て、中心動脈脈波指標と腎硬化指標の間にある関係を調査し、各指標の間に様々な関係があることを確認しました。今後さらに研究を進めることで、中心動脈脈波指標の腎機能検査への応用が期待されます。


受賞者
医学部医学科 4年生 沼田 大輝さん


指導教員
田村 功一 教授
石上 友章 准教授


発表テーマ
『中心動脈脈波指標の腎機能検査への応用』


研究内容

高齢化社会・長寿社会を迎えて、循環器疾患・腎疾患に、動脈硬化性疾患がますます増えてくることが予想されます。動脈硬化性疾患は、初期には自覚症状に乏しいため、カタストロフ的な病状(心筋梗塞や、脳梗塞)を発症するまでに診断ができません。なかでも腎硬化症は、糖尿病性腎症や、糸球体腎炎に続く血液透析の原因となりますが、動脈硬化症を原因としているため、初期の病態が十分わかっていません。
今回の研究では、血圧を測定する方法のひとつであるカフ・オシロメトリック法を応用して、中心動脈脈波指標を解析することで、腎硬化症の病態に迫ることができると考えて解析を行いました。
その結果、脈波の指標のうち、前方脈圧という圧指標とならんで、拡張時間・駆出時間割合・平均脈波時間長という時間の指標が、腎硬化症と有意に関連することが判明しました。こうした脈波の特異的な成分を評価することで、腎硬化症の病態を制圧する方法の解明に繋がることが期待されます。


沼田 大輝さんの受賞コメント

今回このような賞をいただくことができ、非常に光栄です。
COVID-19下でのリサーチ・クラークシップという非常に難しい状況の中、指導教官の石上先生を初めとする循環器・腎臓・高血圧内科教室の先生方のご指導のおかげでこの賞をいただくことができました。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
今回の研究では、心臓に近い動脈(中心動脈)の脈波と腎臓の機能についての関連を調査し、中心動脈脈波の腎機能検査への応用ができうることがわかりました。今後、さらに今回の研究を進めて脈波と腎機能の関係について明らかにしていき、臨床の現場での応用につなげていきたいです。


石上 友章 准教授のコメント

日本循環器学会関東甲信越地方会Student Award当日、発表は事前録画でしたが、質疑応答はライブでした。
沼田君が、並み居る審査員の質疑応答に、言いよどむことなく、適確に対応したことが見て取れて、思わずモニターの前でサム・アップしました。
コロナ禍にあって、研究も、発表も、リモートというこれまでにないリサーチ・クラークシップになりましたが、教員・学生とともに頑張った成果が形になったことは、感慨もひとしおです。
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