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大学院医学研究科の梅村将就講師がJST 2020年度「創発的研究支援事業」に採択されました

2021.02.18
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大学院医学研究科の梅村将就講師がJST 2020年度「創発的研究支援事業」に採択されました

交流磁場が持つ抗腫瘍効果に着目し、がん治療への応用を目指します。

2021年2月2日、大学院医学研究科 循環制御医学 梅村将就講師が国立研究開発法人科学技術振興機構(以下、JST)「創発的研究支援事業」に採択されました。
今回梅村講師が採択された事業は、若手を中心に、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を支援するものです。本事業は短期的ではなく、最長10年にわたって挑戦的で多様な研究を支援し、破壊的イノベーションにつながる成果を生み出すことを目的としています。全国から2,500件もの応募総数の中から、梅村講師の研究課題は高い評価を受け、採択となりました。
なお梅村講師は、2021年4月より本事業を開始の予定です。

今回採択された研究内容は、交流磁場(周期的変化を伴う磁場)という物理の力を借りてがん治療につなげていくというプロジェクトです。将来的にはこのユニークなコンセプトをもとに、がん治療装置の開発へと繋げます。

2月17日(水)、JST理事長定例会見において梅村講師の研究課題が紹介され、浜口道成理事長から期待を込めたコメントがありました。

<採択課題の概要>

究代表者
梅村 将就(横浜市立大学 大学院医学研究科 循環制御医学 講師)

研究課題
「交流磁場の持つ抗腫瘍効果のメカニズム解析とがん治療への応用」

研究内容
特定の周波数の交流磁場が、その刺激のみで抗腫瘍効果を示すことを我々の先行研究において発見しました。この効果は発熱媒体を使った温熱効果ではなく、交流磁場そのものの作用と考えています。
様々ながん種の培養がん細胞や、がんに罹患した(担癌)モデルマウスに対して強い抗腫瘍効果を示します。このようなユニークな現象がなぜ起こるのかというメカニズムはまだわかっていません。
本研究では、担癌動物モデルを使って交流磁場の治療効果を評価します。また、交流磁場の刺激がどのように細胞内で情報伝達されるのかという、分子メカニズムを解明します

<梅村将就講師からのコメント>

近年、交流磁場や交流電場という物理的な刺激を医療に応用する試みが盛んになっています。交流磁場を用いたうつ病の治療や交流電場を用いた脳腫瘍の治療が実際に臨床現場で行われています。
我々は特定の周波数の交流磁場をがん細胞に当てると増殖が抑制されることを初めて発見しました。この現象を詳細に検討し、将来的に、医療機器開発に繋げることで、日本発の新たながん治療の実現を目指します。
横浜市立大学をこの新しいがん治療の拠点にしたいと思っています。
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